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SHIMANO Racingの活動をブログで紹介します。

【Report】全日本選手権ロードレース・男子エリート 入部が猛追撃を見せ4位 序盤の判断ミスが悔やまれる結果に

2018年06月25日 | レースリポート・動画

【全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース】
6月24日(日)【個人ロードレース 男子エリート】
・9:00~ ME 個人ロード・スタート 210.0 km (14.2 km×15 周)
 出走選手:入部正太朗・木村圭祐・湊諒・秋田拓磨・横山航太・黒枝咲哉

自転車ロードレースの日本一を決める『全日本選手権ロード・レース』。6月24日は、最も注目を集める男子エリートのロードレースが開催。昨年の全日本選手権ではチーム力を見せたシマノレーシング。今年は、今季UCIレース2勝と好調の好調の入部正太朗をエース、先日Jプロツアー初優勝を挙げた木村圭佑を準エース、湊諒と横山航太がそれをサポートし、秋田拓磨と黒枝咲哉が逃げに対応する作戦で臨んだ。

コースは、島根県益田市の1周14.2㎞の周回を15周する213km。厳しいアップダウンも含まれ、前日の男子U23のレース同様、サバイバルな展開が予想される。

前日とは打って変わって、梅雨を忘れるような青空が広がったこの日。朝から日差しが強く、気温もぐんぐん上昇。選手たちは体に水をかけるなど、暑さ対策を施す。

昨年全日本3位の木村が最前列に並んで、レースはスタート。いきなり12人の逃げが飛び出し、シマノレーシングからは作戦通り、秋田と黒枝がこの中に入る。しかし、ここにさらに多くの選手が合流し、最終的に逃げは32人の大所帯に。しかも、各チームがエース格の選手をここに乗せてきた。

前半、タイム差は3~4分台で推移していたが、先頭集団はこのまま逃げ切りの可能性もある顔ぶれがそろっている。シマノレーシングは、前ににいる秋田、黒枝を温存。メイン集団に残った選手たちも状況を見守っていたが、タイム差は縮まることなく中盤には約9分と大きく拡大する。

 

後半勝負に備えていたシマノレーシングだが、ここで湊、横山らを集団最前列に送り込んでペースを上げ、逃げを捕まえにかかる。

しかし、10周目に入ると逃げ集団でアタック合戦が始まり、ペースアップ。人数が絞られる中、11周目にスプリンターの黒枝が遅れる。アップダウンのあるコースを得意とする秋田は15人にまで減った先頭に生き残り、逃げ切りの期待もあったが、同じ周回で脚がつるアクシデントに見舞われチャンスを失った。

メイン集団では湊、横山、さらには逃げから下がってきた秋田、黒枝も他チームの選手と一緒にけん引するが、タイム差は5~6分となかなか縮まらない。13周目にはメイン集団内に残るシマノレーシングは入部と木村だけになる。しかし、入部はここからペースを上げ、前を行く選手の追撃を始める。

一方、先頭からは12周目に山本元喜(キナンサイクリングチーム)と小石祐馬(チーム右京)の2人が先行。14周目に入ったところで、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、新城雄大(キナンサイクリングチーム)が、この2人に合流。ここから小石が脱落するが、ラスト1周に入ったところで山本がアタックしてそのまま独走態勢を築く。結局、1周目から逃げに乗った山本が劇的な逃げ切り勝利で、エリートカテゴリーでは初の全日本ロードレースのタイトルをつかんだ。2位は32秒差で佐野、3位は2分42秒差で新城が続いた。

入部は第3集団、14番手で最終ラップに突入したが、この周回を先頭の山本とほぼ変わらないペースで走り、10人をごぼう抜き。最終的に4分26秒差で、全日本選手権では自己ベストとなる4位でフィニッシュした。

しかし、序盤で大人数の逃げができたときの判断と対応が、明暗を大きく分けたこの日のレース。入部の好調さを考えれば優勝の可能性も大いにあったため、チームとしては悔しさと反省点の残る結果になった。単純な脚力だけでは勝敗は決まらないロードレースの難しさを厳しい教訓として刻み、選手たちは次なる戦いへと挑んでいく。

<コメント>
入部正太朗
「いつも通り後ろから行こうという気持ちで、30人行ったところを簡単に見送ってしまった。そこが結果的に最大のキーポイントになって、優勝がなくなる境目になった。調子はよくて、前に乗っていたら勝てていたんだろうなと思うぐらい脚はあった」

<リザルト>
第87回 全日本自転車競技選手権大会ロード・レ―ス 男子エリート
1 山本 元喜 KINAN Cycling Team 5:46'53"
2 佐野 淳哉 MATRIX POWERTAG +00'32"
3 新城 雄大 KINAN Cycling Team +02'43"
4 入部 正太朗 シマノレーシング +04'26"
5 平塚 吉光 TeamUKYO +04'32"
6 小石 祐馬 TeamUKYO +04'39"
7 中島 康晴 KINAN Cycling Team +04'44"
8 井上 亮 Magellan Systems Japan +05'20"
9 阿曽 圭佑 愛三工業レーシングチーム +05'37"
10 小森 亮平 愛三工業レーシングチーム +05'37

DNF 木村 圭佑 シマノレーシング 
DNF 秋田 拓磨 シマノレーシング 
DNF 黒枝 咲哉 シマノレーシング 
DNF 横山 航太 シマノレーシング 
DNF 湊 諒 シマノレーシング 

photo&text / Tatsuya Mitsuishi(OCN)


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