獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

イスラエル人材が最新ITを牽引する その2)

2024-09-19 01:50:10 | キリスト教・ユダヤ教・イスラム教

d-マガジンでこんな興味深い記事を読みました。

引用します。


ニューズウィーク日本版 9月17日・24日号

イスラエル人材が最新ITを牽引する

世界的企業の研究開発を支えるのは
徴兵制によるテック人材の育成システム

(つづきです)

「8200部隊」の出身者とは

そうした学生は大学を卒業した時点で軍に入隊し、有給の職務経験を軍で積み、能力を磨くことになる。イスラエル外務省のイノベーション開発部門を率いるラン・ナタンゾンによれば、軍ではスタートアップなどで革新的な開発を行うための「リーダーシップ」「チームワーク」「共同ミッション」「ネットワーキング力」を学ぶという。
また優秀なエンジニアなどは、イスラエル軍の「シギント」活動を担う「8200部隊」に配属され、国防の最前線でその腕を磨く。シギント活動とは、シグナルインテリジェンスの略で、通信の傍受や監視、ハッキングやサイバー攻撃などを指す。筆者が知るエンジニア出身のスタートアップ経営者などは、この8200部隊の出身者が少なくない。軍の実戦で身に付けた経験から、本当に民間が求める民生技術のアイデアを練り出す。
軍から最長5年で除隊すると、一般社会に出る時点で立派な即戦力になっている。イスラエルはこうしてエンジニアやプログラマーなどを育てており、世界的に見ても能力の高いエンジニア人材の宝庫となっている。そのイスラエルの技術力が、シリコンバレーをはじめとする世界的なテック業界を支えているのである。
先端技術を生み出すスタートアップ国家という立ち位置を生き残りの一つの手段として推し進めるイスラエル政府は、この「エコシステム」(*)を全面的にバックアップする。政府はイノベーション庁などを通して、スタートアップに多額の投資を行っている。イスラエル政府は現在、R&Dへの投資にGDPの6%(約170億ドル)を投資しており、この割合は世界で最も高い。
加えて、イスラエル外務省のナタンゾンによれば、「テック業界が盛り上がる環境が整っている」と言う。
「スタートアップに投資を行うベンチャーキャピタルファンドも400近く活動している。また企業をいろいろな側面から支援するインキュベーターも19組織あり、起業家たちはビジネスに集中できる」
そんなイスラエルが今、最も注目しているのがAI分野だ。世界のAI投資を「投資」「革新」「導入」で評価した「グローバルAI指標」によれば、イスラエルは現在、世界第7位にランクしている。ちなみに日本は12位だ。「いま政府は、今後何年かにわたってこの分野でのイスラエルの継続的なリーダーシップを確保することを目的とし、省庁横断でAI開発のための国家プログラムに約27億を投資している」と、ナタンゾンは言う。
必要に迫られた国防意識から始まった、世界に先駆けた革新技術の開発によって、今では世界から一目置かれる存在になったイスラエル。その長年培ってきたエコシステムによって、昨年10月のハマスによる大規模テロとその後の戦争状態の中でも、イスラエルのテック分野は足踏みすることなく投資を呼び込んだ。
テロ以降、イスラエルのテック人材の15%は戦争に招集されたが、スタートアップなどはテロ後の6ヵ月で総額31億ドルの投資を呼び込んでいる。テロの脅威の前にも止まらない イスラエルのイノベーション部門の強靭さが確認されたことになる。
それもまた、世界のテック企業がイスラエルを信頼する理由だ。


*エコシステム:経営・IT分野の新語。 複数の企業が商品開発や事業活動などでパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者・代理店・販売店・宣伝媒体、さらには消費者や社会を巻き込み、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組み。

 


解説

軍から最長5年で除隊すると、一般社会に出る時点で立派な即戦力になっている。イスラエルはこうしてエンジニアやプログラマーなどを育てており、世界的に見ても能力の高いエンジニア人材の宝庫となっている。そのイスラエルの技術力が、シリコンバレーをはじめとする世界的なテック業界を支えているのである。

イスラエルでは、軍がテック分野をけん引しているのですね。これでは、日本はかなうわけありません。

日本ではイスラエルのように徴兵制がありませんので、それに代わる有効な「エコシステム」を開発するしかありませんね。


獅子風蓮