友岡さんが次の本を紹介していました。
『居場所を探して-累犯障害者たち』(長崎新聞社、2012.11)
出所しても居場所がなく犯罪を繰り返す累犯障害者たち。彼らを福祉の手で更生させようと活動する社会福祉事業施設の協力で、現状と解決の道筋を探った。日本新聞協会賞を受賞した長崎新聞の長期連載をまとめた一冊。
さっそく図書館で借りて読んでみました。
一部、引用します。
■第1章 居場所を探して―累犯障害者たち
□第1部「福祉との出合い」
■第2部「司法と福祉のはざまで」
■第3部「あるろうあ者の裁判」
■第4部「塀の向こう側」
■第5部「見放された人」
■第6部「更生への道」
□第7部「課題」
□第2章 変わる
□おわりに
第2部「司法と福祉のはざまで」
=2011年9月24日~10月8日掲載=
1)異変
“逆転勝訴”再び刑猶予――明るくざわめく法廷
諫早市のスーパーで食料品を万引きして窃盗の罪に問われた菊永守(32)=仮名=の控訴審判決が言い渡された。……
菊永には障害がある。診断名を「広汎性発達障害」という。
社会性やコミュニケーションに関する力が低いとされる障害である。
菊永の場合、これまで十分な福祉を受けられる環境に置かれてこなかったことが、犯行を繰り返す人生に陥った背景になっている。……
(以下省略)
第3部「あるろうあ者の裁判」
=2011年12月15日~17日掲載=
1)“旅行”
社会より安心できる
橋本貞明(64)=仮名=は福岡市で生まれた。両親と弟もろうあ者。
ろう学校を卒業し、塗装関係の仕事をしたこともあるが、20代の前半には、盗みを繰り返すようになった。
犯行を繰り返し計19回、通算で22年余り服役した。
(以下省略)
第4部「塀の向こう側」
=2011年12月19日~24日掲載=
1)安住の地
行き場のない者の砦
取材班が9月に訪れた長崎刑務所は、諫早市小川町の住宅地の一角にある。……
社会に居場所のない障害者や高齢者たちを収容してきた刑務所は、時に「最後の福祉の砦」と呼ばれる。
長期連載「居場所を探して」第4部「塀の向こう側」では、刑務所の実態やそこに身を置く障害者、刑務官たちの思いに迫る。
(以下省略)
第5部「見放された人」
=2012年2月2日~16日掲載=
1)福祉と無縁の常習犯
ある日、取材班の会議で、記者の一人が言った。
__置き去りにされたままの障害者を探しだし、福祉につなぐことができないか。
……
ある男の情報が寄せられた。
彼は累犯障害者だった。
男性の名は、宮沢春男(32)=仮名=という。
(以下省略)
第6部「更生への道」
=2012年4月7日~17日掲載=
1)鉄道好き
無賃乗車、さい銭盗へ
物心が付いたころから、浜村昭久(26)=仮名=は鉄道が好きだった。
……
(以下省略)
【解説】
興味深い記事が続きますが、割愛させていただきました。
関心のある方は、ぜひ本書をお求めのうえ、読んでください。
獅子風蓮