旧堀谷医院は、郡上八幡の町でも八幡城に近い古くからの町並みが残る市街地に位置し、大正モダンな雰囲気を今に伝える貴重な建物です。
木造2階建、外壁はコンクリート洗出しで石貼り風に目地が切ってあり、2階は洋館の定番上げ下げ窓ですが、1階の大きなアーチ窓と、それに合わせた半円の庇が付く装飾のある玄関ポーチが特に目を引きます。
大きなアーチ窓は名古屋陶磁器会館や旧加納町役場などにも見られ、大正末~昭和初期のアールデコや表現主義に代表されるモダンデザインの流れが感じられます。
■擬洋風建築の林療院(明治40年)と大正モダンな堀谷医院(大正9年)を比較すると、
明治から大正にかけて建築のデザインが大きく変化したのがわかります。
■玄関ポーチの持送りと欄間に施された漆喰の装飾は左官職人の技が冴えます
◆旧堀谷医院/岐阜県郡上市八幡町大手町804
竣工:大正9年(1920)
構造:木造2階建
撮影:2012/09/16
※国指定登録有形文化財