かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

旧阿下喜郵便局(三重県いなべ市)

2013-12-07 | 三重の近代建築

阿下喜駅から桐林館(旧阿下喜小学校)に向かう途中の本町通り沿いに建つ洋館造りの旧郵便局です。木造下見板貼りで上部はモルタル塗り、旧局舎の建物の横に小さな洋風の小屋が付属しています。

旧郵便局の建つ本町通りは、阿下喜駅から町の中心を抜けるかつてのメインストリートでしたが、閉店して空き家になっている商店も目立ち、通りは閑散としています。現在町の商業施設の中心は、西側を通る国道306号線沿いに移動しており、各種量販店やチェーン店が進出し軒を並べています。戦前から栄えた地方の古い町はどこも同じ状況ですが、車中心の生活になり商圏が拡大した現在、道巾が狭く駐車場も少ない旧市街地はどこも衰退の一途をたどっているようです。


◆旧阿下喜郵便局/三重県いなべ市北勢町阿下喜
 竣工:昭和14年(1939)
 構造:木造2階建
 撮影:2013/11/17


■郵便局は同じ通り沿いのすぐ北側に移動し、現在は空き家状態です



■局舎のある敷地はかなり広く、脇の門の奥には地主さんと思われる大きな古い民家が連なっています



■玄関の木製扉や窓枠も当時のままの姿で残されていて、本町通りがにぎわった昭和の時代が偲ばれます



■軒下の持送りと二つ並んだ換気用ガラリが洋館らしい意匠を演出



■玄関の持送りは2本の金属製バーで、なかなかモダン



■脇の小さな建物にもしっかりと洋風換気口が付いています



■人通りの絶えた日曜昼下がりの本町通り


昭和レトロな旧郵便局の前の道を下ると阿下喜駅です。
この建物が旧阿下喜小学校のように、歴史を語る近代化遺産として保存活用されることを願いつつ帰路につきました。