JR牛久保駅の北、町の中心街の伊那街道沿いに残る昭和戦前期の医院建築です。道路側に面したファサードは落ち着いた茶系色のスクラッチタイル貼りで、玄関、窓廻りは白にしてアクセントをつけています。建物全体の印象は、直線を基調としたモダニズム建築ですが、玄関脇のオーダーと壁面頂部のロンバルジアバンドに古典様式も残す昭和初期に流行った代表的な洋風建築のスタイルです。建物は随時手を入れているようで、保存状態は極めて良好、オーナーの建物に対する愛情が伝わってきます。
◆旧星野医院/愛知県豊川市牛久保町常磐59-1
竣工:昭和6年(1931)
構造:木造2階建
撮影:2014/05/03
■建物北東側~茶褐色のスクラッチタイルに白く塗られたモルタル部分が際立ちます
■伊那街道に面したファサード~壁面頂部の小アーチが並ぶロンバルジアバンドが効いています
■道路沿いに並ぶ石柱にも時代が感じられます
■玄関脇の柱頭に古典様式の意匠を残す