素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

つゆのひぬま

2021年05月29日 | 日記
 昨日、アジサイの写真を撮っている時、頭の中に「つゆのひぬま」という言葉が浮あかんできた。山本周五郎の小説のタイトルにあったが、内容は記憶にない。ただこの言葉だけが残っているのだ。
 気になったので少し検索してみた。そして驚いた。同じような人がいたのだ。その方の書かれたものを読んで、また驚いた。

「つゆのひぬま」って言葉を、ご存知ですか?
この言葉を知ったのは、かれこれ40年近く前です。
当時、山本周五郎に嵌っていましてね、彼の作品を片っ端から読んでいた時期があったんですよ。
NHKの大河ドラマで「樅の木は残った」(1970年放送)をやったのがきっかけになって、山本周五郎を読むようになったんだと思います。
大河のほうは観ていないんですけどね(TVを持っていませんでしたので)。
新潮社文庫で出ていた作品は全て読破し、まだ文庫化されていなかった作品は、同じく新潮社の山本周五郎全集を買って、当時世に出ていた周五郎物はすべて読み尽くしました。
今でも手元にあります。
「つゆのひぬま」は短編のタイトルで、短編集のタイトルでもあります。
正直に言いますと、作品の内容はほとんど憶えておりません。
好きな作品のいくつかは憶えておりますのでね、そんなにとも思わなかったのかもしれませんが、ただタイトルの「つゆのひぬま」だけは、忘れられない言葉として記憶されました。
「つゆのひぬま」とは、雨模様が鬱陶しく続く梅雨時に、たまに晴れてお日さまが顔を出してくれるとき。
まさに昨日の天気がそうです(いささか暑過ぎましたけどね)。
ところがです、この解釈は間違っていました。
今回タイトルに「つゆのひぬま」を使おうと思って調べてみると、大間違いだったことが判りました。
「つゆのひぬま」は「梅雨の干ぬ間」で、「梅雨が乾く間」=「晴れのいい天気」だと思っていましたが、正解は「露の干ぬ間」で、「朝露も乾かないほど短い間」=「ほんのひととき」が正解でした。
またまたやってしまいました、得意の思い込み。
今回は40年近く続いた、ああ勘違いでした。
勘違いだと判る前、「つゆのひぬま」だからと、昨日いそいそと出かたところで出会った花たちを、紹介いたします。

紹介するすべての花は、goro’s 花 Diaryに登場しておりますので、詳細等知りたい方は、花名をクリックして過去記事をご覧になってください。


とまあ、こんな具合で私も同じかん違いを50年近くしてきたことに気付いた次第です。私が山本周五郎と出会ったのは20歳の頃、「日本士道記」だった。《水の中の石》という短編が心に響き、新潮文庫をはじめとして周五郎の作品は読み尽くした。徹夜で読みふけったことも数あった。2年前に全て処分したが生きるベースになっていることは確かだ。
コメント
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