素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

2023年08月13日 | 日記
 父の実家のある浜島では、盆の行事が大切にされてきた。13日から16日までの流れ、盆棚への供えから食べものまですべてきっちりと決まっていた。小学校2年の時、転勤の多かった祖父が退職して浜島の実家に暮らすようになってからは盆前から1週間ほど浜島の家で暮らすのが常となった。盆踊りも夜を徹して行なわれた。

 祖父の初盆の時、「だんぼ」という行事があることを初めて知った。町内で初盆を迎える家のものが極楽寺に集まり法要をするのである。
 13日の迎えだんぼ 、14日の水向け施餓鬼、15日の感謝法要そして16日の送りだんぼと正装で執り行う。蒸し暑い中、結構厳しいものがあった。迎えだんぼの様子 を見た時、江戸時代にタイムスリップした気分になった。

 そのような浜島も高齢化、代替わりが進み、盆の風習も緩やかになってきたという。先日、墓掃除が終わった後浜島で一人暮らしをしている従妹の家に立ち寄り線香をあげてきた。ここ3年間は「コロナでね」の魔法の言葉で面倒なしきたりをショートカットしてきたと笑っていた。この言葉の効力が薄れた今年は「台風がね」が使えたとニヤリ。浜島でも墓じまいする人が増えてきたらしい。墓を含め盆のあり方が大きな転換点を迎えているということで一致した。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月12日という日

2023年08月12日 | 日記
 盆前のこの日、記憶に残る3つのことがあった。

 昭和37(1962)年,堀江謙一さんが、日本人で初の小型ヨットによる単独無寄港太平洋横断に成功しサンフランシスコに到着したニュースには驚かされた。翌年公開された映画「太平洋ひとりぼっち」は学校から映画館へ見に行ったが、冒険心を刺激されワクワクした。この映画、主演、石原裕次郎はしっかり記憶しているが、監督が市川崑だったことは今回、改めて調べてわかった。石原プロ最初の作品で、力が入っていたわけだ。両者の組み合わせはこれが最初で最後だった。その堀江さん、60年後の2022年に世界最高齢の83歳でヨットによる単独無寄港太平洋横断を果たした。たいしたものである。先日、テレビでインタビューされていたが、「自然体で生きる」ことに尽きると思った。見習いたいものである。

 2つ目は、昭和60(1985)年、日本航空羽田発大阪行123便(ボーイング747SR型機)が相模湾上空で操縦不能となり群馬県御巣鷹山山中に墜落した事故である。この日は3人の子供(9歳、7歳、2歳)を連れての初めての長旅で、小倉であった妻の研修会の後、大分から九四フェリーで愛媛の佐田岬に渡り、香川の琴平の近くの妻の実家に入った。夕方到着してテレビのスイッチを入れるとちょうど事故現場の捜索活動の模様が映しだされた。長旅の疲れも吹っ飛び画面にくぎ付けになった。死者540人の中に坂本九さんがいたのも衝撃だった。4人の生存者がいたことも驚いた。人間の運命というものをつくづく考えた。

 3つ目は私ごと。長女の出産予定日が8月末だったので12日に磯部の実家に帰省した。4時過ぎに実家に到着して荷物を運び入れたとたん電話が鳴った。長女からで急に産気づいたのでタクシーで病院に駆けつけたとのこと。ビックリ仰天である。そのまま荷物を積み込んで急いでUターンした。夜、病院に到着した時は初孫は誕生していた。

 1年の中で、私にとって8月12日は特別な日である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

墓掃除に浜島へ

2023年08月11日 | 日記
 台風6号と7号のすき間をついて、浜島の墓掃除に行った。「山の日」の祝日で実質的に盆休みの初日に当たり、各交通機関での渋滞が予想されていたので早朝5時に出発した。道路に設置されている温度計も26℃前後でカーエアコンなしで快適に走ることができた。ただ、伊賀上野周辺と伊勢市の手前では雨に見舞われた。

 伊勢自動車、道には7時過ぎに入ったが名古屋方面から合流する車で、普段とは違った交通量となった。伊勢市内を避け、玉城ICよりサニーロードを使い南伊勢町から浜島に入った。スムーズな走りだったが、それでも3時間余りかかった。「浜島は遠い!」を実感した。

 墓の方は、予想通り雑草が生えていた。幸いなことに未明まで雨が降っていたので根こそぎ抜くことができた。20cmぐらいの長い根なのでカンカン照りで土が固くなっていたら無理だったろう。ラッキーだった。
 

 ぐるり1周、1本1本抜くのに30分余りかかった。スッキリっと盆を迎えることができるとホッとした。
 我が家の草も気になったが、そちらにまわると内宮周辺を通過しないといけなくなるので、今回はパスをしてサニーロードで玉城にもどり、幹線道路を避けながら松阪に入った。ちょうど浜島からは1時間。

 母の施設で弟と落ちあい、近くの店で食事をとった。母はデイサービスの日で、介護付きで入浴ができるので今回は同行しなかった。松阪市民のソウルフードである鶏肉料理をまだ食べたことがなかったので弟おすすめの店に行ったが、超満員であきらめて、うなぎ屋に入った。

 先日の「うどん談議」もあったので、うな丼と伊勢うどんのセットにした。


 帰り、笠置を抜けるところで渋滞が発生した。赤色灯が多く目に入ったので大きな自動車事故かと思ったが、スキューバーダイビング姿もあり水難事故だとわかった。帰宅して夕方のニュースで3歳の子供が木津川に流され行方不明とのこと。何とも心が痛むニュースだ。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うどん談議

2023年08月10日 | 日記
 八幡市文化センターでの映画「土を喰らう十二カ月」には、妻と妻の友人Mさんの3人で出かけた。その帰りあまりの暑さにかき氷を食べるために「さと」へ立ち寄った。映画の中で、奈良岡朋子扮する主人公ツトムの義母の葬儀の場面が話題になった、「昔は、ああやって自分の家で葬儀をして隣近所の人が賄いをしていたな」と友人が切り出すと、妻が「父や母の時はそうだった」と当時のドタバタした舞台裏を懐かしんだ。

 その時、私が驚いたのは来客に、お茶を出す代わりに讃岐うどんを出すことだった。「やっぱり讃岐うどんは香川県人のソウルフードだから」と讃岐うどんのこしの強さを妻は自慢した。するとMさんが「讃岐うどんはかたくて苦手。私は大阪育ちだから大阪うどんのもっちりした食感がなじんでいる」ときた。そこで私が「麺のやわらかさ、もっちり感は伊勢うどんかな」と切り出すと、うどん談議に花が咲いた。妻はかねてからの時論「伊勢うどんは、麺もつゆもうどんではない」をゆずらない。Mさんは「麺の食感は、讃岐より伊勢の方が好きだが、つゆはやはり、ダシのよくきいた大阪が1番」と言う。

 小さい頃から馴染んできたものは、舌にしみついているということで、それぞれの良さを認め合おうということで落ち着いた。するとMさんは「名古屋の味噌煮込みうどんの麺のかたさは耐え難い」と名古屋の知人が連れていってくれた味噌煮込みうどんの思い出を話した。「もっとしかり煮てよ」と思わず言ってしまったそうだ。知人は「これでいいのだ」とおいしそうに食べたが、二度と食べたくないと思いながら噛みしめたと笑った。私も、名古屋で5年暮らし、友人に初めて味噌煮込みうどんの店に連れて行ってもらった時にMさんと同じだったので「よくわかる」と相槌を打った。しかし、私は、その後「味噌煮込みうどん」にはまってしまい、大阪に来た当初は無性に食べたくなって困った。

 今の私の中では、讃岐、伊勢、大阪、名古屋のそれぞれのうどんが仲良く同居している。

 その後も、魚、雑煮など職にまつわる他愛のない話を楽しんだ。コロナでこういう時間が奪われてしまったとあらためて思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぜいたくな悩み?

2023年08月09日 | 日記
 台風6号の動きが定まらず、沖縄、九州方面は災害の危機に見舞われている。その余波で近畿、東海も不安定な天候が続いている。盆までに浜島にある墓の掃除をしたいと思いつつ天気予報とにらめっこで決めかねていた。

 ようやく、6号は九州沖を北上して朝鮮半島にぬけることがはっきりしたので、11日(金)に行くことにした。そのことを伝えるために松阪の母に朝8時過ぎに電話をすると、声に元気がない。聞くと少し調子が悪いとのこと。それで、用件だけ告げて電話を切り、近くに住んでいる弟に電話をした。

 「調子が悪いみたいだが」と言うと「そんなはずはないにだが?」という返事。昨日、弟は母を連れて、市から補助のある健康診断に行ったとのこと。結果はどの数値も問題なしと主治医から告げられた。とても喜ばしいことなのだが、母はそれが不満みたいで、「悪い所はないのか?」と食い下がり看護師さんも笑うしかなかったみたいだ。

 「数値が悪い」と指摘されても落ち込むのだが、「いいですよ」とあっさり言われても拍子抜けしたみたいだ、健康診断を受けた意味がないという趣旨の愚痴を弟に言ってたみたいだ。

 「持病で難儀している高齢者が多い中、ぜいたくな悩みやな」と弟も笑っていた。11日は山の日で祝日、実質的な盆休みの初めの日、帰省ラッシュも予想されている。早朝の出発としよう。盆の時期に台風が来た記憶がない。進路の定まらぬ台風7号、それることを祈るのみ。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする