shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

伊吹山 - 帰省のついでに散策してきました

2020-06-13 19:51:26 | 山行・旅行


■ はじめに。
伊吹山は、滋賀県の最高峰で、深田久弥氏が選んだ日本百名山の一つです。
私は、かつてスキーで何度もこの山を訪れましたが、歩いて登るのは初めてでした。6月10日、実家への帰省のついでに、伊吹山を歩いてきました。

伊吹山表登山道の、登山口の標高は200mで、山頂の標高は1377mです。標高差が1200m近くあり、そのため自生する植物の種類が多いです。また、イブキの名前が付いた固有種が多いのも特徴です。
加えて、春に身近に観られる花が、この時期に山頂近くで観られたり、他の百名山では観られない外来種が山頂付近に多いのも特徴の一つと言ってよいと思いました。

この日は風が強く、小さなお花の写真はうまく撮れませんでした。
その中で、出来は良くないものの、何とかお花の特徴が分かるものを選びました。撮影順(標高の低い順)にご覧いただきたいと思います。

■ 上野登山口(標高200m)~ 3合目(同 720m)。1合目までは道幅の広い一般登山道を歩きます。1合目から3合目は、主にスキー場跡を歩きます。写真は2合目付近からのパノラマ展望です。


・クサフジ(マメ科ソラマメ属の多年草)。1合目付近で多く観ました。


・ナズナ(アブラナ科ナズナ属の越年草)。1合目から2合目で観ました。写真を上手に撮れませんでした。

・チガヤ(イネ科チガヤ属の多年草)の仲間。2合目付近のスキー場跡に群生していました。


・ハルジオン(キク科ムカシヨモギ属の多年草、外来種)。2合目付近から山頂付近(後述)にかけて見かけました。


・シロツメクサ(マメ科シャジクソウ属の多年草、外来種)。2合目付近のスキー場跡で観ました。


・ノイバラ(バラ科バラ属の落葉性低木)。2合目付近で観ました。


・ヤマツツジ(ツツジ科ツツジ属の半落葉低木)。2合目付近で観ました。


・イボタノキ(モクセイ科イボタノキ属の落葉低木)。2合目付近で観ました。伊吹山には、標高が高いところにミヤマイボタも自生するようです。


・ヘラオオバコ(オオバコ科オオバコ属の多年草、外来種)。2合目付近で観ました。


・キンロバイ(バラ科キンロバイ属の落葉小低木)。キンロバイは、蛇紋岩地か石灰岩地に生えるようです。伊吹山は石灰岩の山で、セメント原料として石灰岩の採掘が行われています。


・ヤブヘビイチゴ(バラ科キジムシロ属の多年草)の実。2合目付近で多く観ました。


・ガマズミ(レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木)。2合目付近で観ました。


・ヤブデマリ(レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木)。2合目付近で観ました。


・クワ(クワ科クワ属の落葉低木)。2合目付近で観ました。実がついていました。


・おまけ(その1)。キアシドクガと教えていただきました。ただし、幼虫、成虫ともに毒はないそうです。※1ウエディングドレスを纏ったような、純白の蝶(蛾)でした。


・おまけ(その2)。タテハチョウの仲間で、ヒオドシチョウと教えていただきました。Wikipediaによると、平地から山地まで至る所で見られるそうです。※1


・おまけ(その3)。登山道でアオダイショウを3匹見ました。近寄ると草藪の中へ逃げていきました。大きなものは2m近くありました。写真は載せません。

■ 3合目(標高720m)~ 5合目(同 880m)。3合目にはオカメガハラと呼ばれる草原が広がります。この辺りはユウスゲの自生地だそうです。写真は3合目付近から、帰路いっときの晴れ間に、上を見た風景です。


・タツナミソウ(シソ科タツナミソウ属の多年草)。3合目付近で多く観ました。


・ヤマタツナミソウ(シソ科タツナミソウ属の多年草)。3合目付近で観ました。


・ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属の多年草)。3合目付近で多く観ました。伊吹山はエゾフウロ、ハクサンフウロ、ヒメフウロが自生します。また、イブキフウロという固有種も自生します。同属のゲンノショウコは、萼が大きく、茎に毛が垂直に生えているので、ハクサンフウロとしました。


・ニガナ(キク科ニガナ属の多年草)。3合目付近で観ました。


・ムラサキツメクサ(マメ科シャジクソウ属の多年草、外来種)。3合目付近で登山道脇に咲いていました。


・キバナノレンリソウ(マメ科レンリソウ属の多年草、外来種 )。3合目付近で観ました。織田信長の指示により、ポルトガルの宣教師にヨーロッパからの薬草を持ち込ませ、伊吹山の薬草園に移植した際に紛れて帰化した、古い時代からの帰化植物です。


・オニアザミ(キク科アザミ属の多年草)。2合目から3合目付近で多く観ましたが、3合目付近が最も多かったです。写真を撮ろうとして、何度も棘に刺されました。3合目付近には、固有種のイブキアザミが自生するようですが、見つけられませんでした。




・アヤメ(アヤメ科アヤメ属の多年草)。3合目付近で何ヶ所かで観ました。もう、見ごろを過ぎていました。


■ 5合目(標高880m)~ 8合目(同 1220m)。5合目から8合目は急登が続きます。登り始めてからずっと、野鳥の鳴き声が絶えませんでしたが、特にこの辺りでは、カッコウ、ウグイス、ホオジロなど多くの野鳥の声を聴きました。写真は、晴れ間を待って撮った、8合目からの眺めです。


・ヤマガラシ / イブキガラシ(アブラナ科ヤマガラシ属の多年草)。5合目から8月目にかけて、一番多く見た花です。イブキガラシは、葉が長楕円状で茎が濃緑色に赤みを帯びるのが特徴です。




・セイヨウタンポポ(キク科タンポポ属の多年草、外来種)。5合目から山頂部まで観られました。この山にはイブキタンポポという固有種がありますが、見かけたタンポポはいずれもセイヨウタンポポのようでした。




・コバノミミナグサ(ナデシコ科 ミミナグサ属の多年草)。3合目から9合目で観ました。伊吹山の特産種(固有種)だそうです。


・オドリコソウ(シソ科オドリコソウ属の多年草)。3合目から7合目にかけて、多く観ました。いろいろな色のオドリコソウが咲いていました。


・マムシグサ(サトイモ科テンナンショウ属の多年草)。6合目から7合目付近でいくつか観ました。


・オオイヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属の越年草 )。5合目から9合目辺りで観ました。春先によく見かける花ですが、ここではこの時期に観られるようです。うまく写真が撮れませんでした。

・ハクサンハタザオ(アブラナ科 ヤマハタザオ属の多年草)。7合目付近で観ました。アップの写真はどれもボケていました。


・おまけ(その4)。枯れ木に止まって大きな声で鳴いていた、ホオジロです。帰路に撮影しました。


■ 8合目(標高 1220m)~ 山頂(同 1377m)。観光道路の伊吹山ドライブウェイが9合目まで通じていて、山頂付近には土産物店が立ち並びます。
この日は朝早い時間で、誰もいませんでした。写真は遊歩道の一角と、山頂の広場です。




・イブキシモツケ(バラ科シモツケ属の落葉低木)。


・ヒメウツギ(アジサイ科ウツギ属の落葉低木)。8合目付近で観ました。


・クサタチバナ(ガガイモ科カモメヅル属の多年草)。8合目から上で観ました。


・ハルジオン(キク科ムカシヨモギ属の多年草、外来種)。この辺りで観るハルジオンはピンク色が鮮やかでした。Wikipediaによると「花弁の白い部分がやや紫がかる個体が見られることもあるが、これは清浄な空気の中で育った時にできるものである」そうです。


・ウマノアシガタ(キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草)。9合目付近の遊歩道脇でたくさん観ました。


・ゲンナイフウロ / イブキゲンナイフウロ(フウロソウ科フウロソウ属の多年草 )。9合目付近の遊歩道脇でたくさん観ました。伊吹山を代表する花の一つです。


・ヒメレンゲ(ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草)。9合目付近の遊歩道脇から山頂付近まで、たくさん観ました。やはり、伊吹山を代表する花の一つです。


■まとめ。
帰省のついでに、伊吹山を歩いてきました。
普段は賑わう人気の山ですが、不要不急の外出を控えていることに加え、平日で天気予報が午後から雨ということもあり、人出は極めて少なかったです。私は、午前4時45分に登山を開始し、コースタイム4時間のところを3時間30分で登りました。山頂付近に30分いましたが、売店の方2名が上がってきただけでした。8時45分に山頂を後にし、下山時は7合目付近で野鳥を観察し、3合目のオカメガハラを探索して、12時ちょうどに下山しました。
天気は、終始くもりで、風が強く、3合目付近では霧が出てレインウエア(ウインドブレーカー兼用)を着ました。運よく山頂付近にいた時間は青空も出ていました。
お花を中心に400枚余り写真を撮りました。十分整理できないまま、ブログを上げましたので、取りこぼしがあると思います。また、先に書きましたが、風が強くブレた写真や、ピントがあっていない写真が数多くありました。
お花の名前は、分かる範囲で記載しました。誤りにお気づきの方は、どうぞコメントでお知らせくださいませ。
長文にお付き合いくださり、誠にありがとうございました。

※1 :2020/06/15 編集
コメント (12)
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