shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

鹿児島県の日本百名山ツアーは1勝1敗1休だった(その②)

2021-12-19 23:51:23 | 山行・旅行
鹿児島県の日本百名山ツアーは1勝1敗1休だった(その①)からの続きです、

開聞岳登山を終えてホテルへ帰ると、気になるのは今夜から明日にかけての天気だ。今夜は冷え込み、山では雪になるとのことだった。
ネットで調べると、韓国岳に通じる鹿児島県道104号霧島公園小林線がすでに通行止めとなっていた。これでは韓国岳へ行けない。
高千穂峰にしても風が強いので、登れるかどうか分からない。しかしこれ以上心配しても仕方ないので、明日はおいしい朝食をゆっくり食べて、ドライブにでも出かけようと決めた。

さて18日の朝は雨雲が東へ抜け、快晴となった。こうなると昨夜の決断などどこ吹く風、気持ちは山へ向かって一直線だ。そうは言っても予約していた美味しい食事を無駄にするわけにはいかない。結局朝食をしっかり摂って、8時半にホテルを出発した。
走り出してすぐに霧島連山が見えてきた。国分市内から霧島山は近いのだ。山々の頂に雲はなく、上空も真っ青だ。標高が高い韓国岳だけは白くなっていた。一方、高千穂峰は赤茶けた地肌が光っていた。高千穂峰の登山口がある高千穂河原へ向かう。

霧島神社の朱色の鳥居の前を右に曲がり、すぐに左に入ると高千穂河原への一本道だ。この辺りから天孫降臨の地へ向かう重々しさが出てきていた。
高千穂河原には9時半に着いた。駐車料金を払って、鳥居の近くに車を停めた。


登山口は鳥居をくぐって左側にあるという。その通り進むと天孫降臨神籬(ひもろぎ)斎場に出た。再び重々しい空気が漂ってきた。


石段を登り斎場の鳥居をくぐると「是より内斎場に付き立入禁止」の標識があり、さらに空気の重々しさが増してきたところでUターンした。
 

斎場を退去して左へ進むと高千穂峰へ向かう本来の登山口だが、ここで私は重大な誤りを犯してしまった。
どんな誤りかをいう前に、背景から説明したい。
今回の九州ツアーに備えて、私はスマホにGPSを利用した地図アプリを入れていた。そのアプリを使うと画面上に登山道が赤線で表示され、その線を辿ると登山道から外れることがないのだ。山の遭難は登山道から外れての道迷いや滑落事故が多い。このアプリはそんな遭難を防いでくれる。

さて、私はアプリの地図の縮尺を拡大し正確な位置を確かめた。そして自分が赤線の上にいることを確認し、赤線に沿って歩き出したのだ。ところがこの赤線が向かう先が高千穂峰ではなく、別の山だったのだ。すなわち登山道からは外れていないが、行き先が違っていたのだった。なんという愚かなミス。でも済んでしまったことは仕方がない。
私が歩いた実際の軌跡を、国土地理院の地図と合わせてご覧いただこう。水色の線が間違えて歩いたところだ。

(左:shuが歩いた軌跡、右:国土地理院地図)

山でのこんな間違いは初めてだった。実際のところ、歩き出してすぐに重々しい空気から解放され、違和感を感じていたが、もう少し行ってみようとのんびりと歩き続け、結局1時間も歩いてしまったのだ。間違いに気づいて引き返すのにさらに45分かかり、合計1時間45分のロスをしてしまった。
副産物という訳ではないが、広々した荒野を歩き、違う角度から高千穂峰を観ることができたのはよかった。

間違った道を歩いた際に撮った写真のいくつかを上げておこう。
広々とした原野は鹿ヶ原という所らしい。この辺りにはミヤマキリシマの大群落が見られるようだ。ここから見える山は中岳(標高1332m)だ。
 

道はほとんどが凍っていて歩きやすかった。霜柱も多く見られた。所々道幅が広いところもあったが、天孫降臨の趣はまったくなかった。
 

注意して見なかったが、石柱は県境の標識だったかもしれない。右は戻り道に撮った高千穂峰の御鉢の外壁に当たる山。
 

1時間45分のロスをして、天孫降臨神籬斎場の前まで戻って来た。いよいよこれから高千穂峰への登山開始だ。
こちらが天孫降臨に向かう本来の登山道だ。いやはや趣が全く違う。


はたして山頂までたどり着くことができるのだろうか?
長くなるので、続きはその③でご覧いただきたい。

鹿児島県の日本百名山ツアーは1勝1敗1休だった(その②) 完
その③に続く。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なつみかん)
2021-12-20 06:35:36
おはようございます。
気を持たせますね〜笑
shuさんらしくもない、痛恨のミスですね。
登山道が赤い線で出てくるアプリ、この間の大山参拝の時に、一緒に行った人に見せてもらいました。
便利なもんがあるんだな〜と思っていましたが、とんだ落とし穴ですね。
でも、気がついてひき返し、仕切り直されたのはさすがですね。
続きが楽しみです!
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なつみかんさん おはようございます (shu)
2021-12-20 07:55:10
今朝もいちばんのコメント、ありがとうございます。
確かに私らしくない、そんなミスでした。

今思うと初めから間違いに気づいていたように思います。
なぜすぐに引き返さなかったのでしょう? 気持ちの良い道だったからかもしれませんね。
時間はたっぷりありました。行きも帰りも誰とも会いませんでした。
たくさんの野鳥たちを見ました。足元から飛び立ってびっくりしたことも。

1時間歩いて地図を見て、ずいぶん違う所へ来たと思ってしまいました。
そこであわてて戻ったのでした。
1時間45分あれば、高千穂峰の山頂まで行けていたことでしょう。
この後、遅れを取り戻さなくてはいけませんね。
では、続きをお楽しみくださいm(__)m
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山のベテラン (fukurou)
2021-12-20 08:26:01
shu様
おはようございます。
山のベテランのshuさんでもこんなミスをされるのですね。
地図を見るとほぼ90℃違う方向に歩いていることになりますね。
便利なものに頼り過ぎと言う現代ならではのみすかもしれませんね。
コンパスと地図を片手に歩いていると、間違わなかったかもですね・
この道が竜馬とおりょうさんが登った道なんですね?!
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天孫降臨神籬斎場 (ninbu)
2021-12-20 08:45:36
shuさん、おはようございます。
登山口を進むと天孫降臨神籬斎場に出た、とあったので市の斎場でもあるのかと思い、調べました。(^-^;
「1940年(昭和15年)、皇紀2600年記念事業の一つとして、作られたものです。神籬(ひもろぎ)とは、神道において神社や神棚以外の場所において祭を行う場合、臨時に神を迎えるための依り代となるものです」とあり、「空気の重々しさが増した」との意味が理解できました。
今回の登山では、行先のミスがあって1時間45分のロスタイムが生じてしまったのですか。最近は登山道をサポートしてくれる便利なアプリがあり、早めに間違に気づき良かったですね。でも、その間違いを違う角度から見た高千穂峰を見ることによって、カバーするとはさすがです。続きに乞うご期待ですね。(^.^)
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fukurouさん おはようございます (shu)
2021-12-20 08:47:52
コメントありがとうございます。
間違いを承知でも、何だか歩いてみたくなる、気持ちの良い道でした。
天孫降臨の重荷を下ろして、ふらっと散歩して、気が付くと1時間が経っていました。
アプリのログを見ると、往きのこの間はずいぶん遅いペースで歩いています。

さて、これから歩く道が竜馬とおりょうさんが歩いた道です。
山頂までのコースタイムは1時間45分。準備運動も十分できたので、頑張っていってきます。
乞うご期待です。
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ninbuさん おはようございます (shu)
2021-12-20 09:00:25
天孫降臨神籬斎場について教えていただき、ありがとうございました。
これだけ難しい漢字が並んでいるだけでも、私にとっては重々しさを感じました。
皇紀2600年の記念事業で作られたというと、宮崎市に今も残る八紘一宇の塔を思い出します。
ご存知かもしれませんが、こちらも重々しく感じますね。

さて、間違いに半ば気付きながら1時間も歩いてしまいました。
安全な道だからよかったものの、届け出たコースとは違うので、いけないことですね。
紙の地図もコンパスも持っていたのに、見ることもなく歩いていました。
根っから歩くのが好きなのかもしれません。
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Unknown (breezemaster)
2021-12-20 10:07:29
おはようございます😉
昔、ナビが無い頃、地図を見ながら、ドライブに出かけたことを思い出します。
今は、スマホに地図アプリがあり、GPSも使えますもんね。
たまに使うと、進む方向のスタートを間違うことあります。
最近では、学習して、
少し進んでから、方向が、間違っていないか、確認しています.^^;
shuさんの間違いは、弘法も筆の誤りと言ったところなんでしょうけど、
山歩きが好きなshuさん、
間違えた道を楽しまれたのが、伝わってきます^^
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attsu1さん こんにちは (shu)
2021-12-20 12:42:22
コメントありがとうございます。
私も車に乗る際はナビをよく使っています。
今回の鹿児島旅行でもナビを使い、初日に早速2回も道を間違えました。
これに懲りずに、山でも道を間違えてしまいました。
加齢により、学習能力が低下しているのかもしれませんね。

しかも今回は間違えたまま1時間も歩いてしまいました。
やはりどこか機能が低下しているのかもしれません。
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九州の山 (keitann)
2021-12-23 22:42:37
こんばんは。

年末に九州の山2座を歩いてこられたのですね。
開聞岳と高千穂峰はどちらも登ったことがないどころか、姿を見たこともありません。
九州には主人や家族とドライブや旅行ではよく行っていて由布岳や阿蘇の辺りも何度も訪問してるのですけどね。とはいえ、今まで登ったことがあるのは九重連山の星生山にちょこっと登ったぐらいです。
鹿児島と宮崎には行きたいと思いながら、まだ足を踏み入れてないので、羨ましい限りです。

ところで、開聞岳は間違い用のない山でしょうが、高千穂峰で違う方角へ歩かれたのですね。地図アプリはyamapでしょうか。確かに道は赤線で表示されていますね。歩いていて、1時間経つうちに道標が何も出てこないというのが怪しいかもしれません。百名山ともなれば、要所要所で道標があると思うのですが・・・私もyamapはログを取るために使用していますが、歩き始めは特に、地図上で何度か位置を確認します。
でも、早めに気づかれて良かったですね。
コースタイムが比較的短い山なので、ちゃんと山頂を踏むことができて何よりでした。
別の角度から山を眺めることができたと考えれば、余分に山を楽しめたということにもなりますね。
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keitannさん おはようございます (shu)
2021-12-24 08:53:10
コメントありがとうございます。
ここ数年、毎年1回、飛行機を使って遠くの山へ出かけています。
一昨年は大雪山と富良野岳へ、昨年は八経ヶ岳へ、そして今年は開聞岳と霧島山に行きました。
勤務で九州に3年住んだことがあります。くじゅう山にはその時に初めて登りました。
再びくじゅう山に登りたくなり、3年前に出かけました(やはり飛行機の旅でした)。
その時は坊がつるに3泊し、10座に登りました。
(その時の様子は下記に短くまとめてあります。
https://blog.goo.ne.jp/shu2702/e/dae2b333a5d21ac3310c70f810fe4c9f

さて、高千穂での道迷いですが、実は間違えてすぐに気付いていました。
百名山のしかも古から歩かれている道の雰囲気とはずいぶん違うし、それに山から離れていくのですから、誰でも違うと気づくと思います。
それにも拘わらず歩き続けたのは、先ずは時間がたっぷりあったことです。
この日は当初韓国岳と高千穂峰の2峰を登るつもりでいたので、朝の出発が遅れてとはいえ、時間に余裕がありました。
それと、安全でとても気持ちのよい道だったのです。
誰一人として歩いておらず、周囲は霧島連山が見え、時折野鳥の姿も見ながら歩いていました。
気が付くと1時間も歩いていたのです。
ずいぶん高千穂峰が遠くになり、さすがにこれはまずいと地図を見て、引き返したのでした。
アプリは仰るとおりYAMAPです。今回初めて、プレミアム会員の無料お試しを利用しました。
使い慣れると、素晴らしい機能がたくさんあるようですので、今後も使っていこうと思います。
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