まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

世界の観光地が発信する観光コマーシャルが素晴らしい

2020-11-16 12:33:08 | トラベル

コロナで海外旅行が規制されて久しいですが、世界各地では観光プロモーションのためのコマーシャルがいくつか作られています。5月22日に、世界は美しい観光地であふれている (コロナの時代のツーリズム広告) という記事の中でも紹介したのですが、その後、コロナ後を見越して、いくつかの観光局が広告を作成しています。アメリカやヨーロッパなどまだまだ感染拡大中の国もあり、日本も第三波の到来とか言われていて、国境を越えての渡航はまだ難しい国も多いですが、早く旅行ができるようになることを夢見ている方々も多いのではないかと思います。そんな皆さんのために、最近の観光コマーシャルをいくつかセレクトしてみました。それぞれにユニークな表現を駆使しており、コマーシャル表現としても面白いので、ぜひご覧ください。

まずは、ロス・カボスというメキシコのリゾートのコマーシャル。日本ではあまり馴染みのない観光地ですが、メキシコの太平洋沿いに長く伸びたバハ・カリフォルニア半島の南端のリゾート地です。ロス・カボスには特別のルールがあるということで、コロナで聞き慣れたフレーズがここでは全く違う意味で使われているのが面白いです。

Los Cabos Rules



”Stay at Home”というのが、「自宅に留まる」という意味ではなく、「まるで自宅にいるかのように滞在先でくつろぐ」という意味で使い、”Remember Your Mask”というのが、「ダイビングマスクを忘れずに」という意味で使っています。ダイビング用語では、「水中眼鏡」とは言わず、「マスク」と言います。”Connect Remotely”が「リモートで繋がる」という意味が、「離れた場所で繋がる」というロマンチックな意味になり、”Wash Your Hands”というのが「手洗い」ではなく、「手を海の水にさらす」という意味になります。”Practice Social Distancing”が「ソーシャル・ディスタンスを守ろう」が、「人混みから離れていよう」という意味になっています。どれもが聞き慣れた言葉ばかりなのですが、同じ言葉が全く違った文脈で使われているというところが素晴らしいですね。とてもお洒落な感じがします。

次は、セント・ルシア (Saint Lucia)。カリブ海の西インド諸島にある英連邦に属する島国なのですが、この国の存在を全く知りませんでした。1979年に独立した国で、面積616キロ、人口17万2000人程度の島です。首都はカストリーズ (Castries)。島の大きさは、シンガポールよりちょっと小さく、淡路島よりちょっと大きい程度です。こちらがその観光コマーシャル。

She is Saint Lucia



本来は鮮やかな色彩に満ちた場所なのでしょうが、わざとレトロでノスタルジックな色調にしてあります。昔の映像のような雰囲気ですが、静かな女性ナレーターの声と音楽で、懐かしさを覚え、行ってみたくなりますね。この国の名前はイタリア語で発音すると「サンタルチア」になるというのをテロップを見てわかりました。

次にご紹介するのは。オーストラリア。”8D Escapes”というタイトルがついていますが、この”8D”というのは「8Dオーディオ」ということで、サラウンドというか、8つの方向から聞こえる音ということのようです。このコマーシャルが素晴らしいのは、ナレーションや、音楽を一切使わずに自然音だけでコマーシャルを作っているところ。その潔さに感動します。

8D Escapes Australia



映像も美しいのですが、音を聞いただけで、オーストラリアの自然を満喫できるというわけです。このコマーシャルは、シリーズで作られていて、色でまとめられています。こちらはグリーン。

Green



そしてこちらはホワイト。

White



これ以外にも、レッド、ブルーとかいろいろあります。

次の作品はニュージーランド。ニュージーランド観光局が新しいRPGゲームとして”Play NZ” をリリース、という設定。ニュージーランドの様々な魅力をゲーム世界にみたて、そこで18種類の180度ビデオによる、魔法の国をめぐるクエストという仕掛けです。ゲーム業界のインフルエンサー、Loserfruit (本名はKathleen Belsten)による10分間のゲームデモ動画がTwitchとYouTubeで公開していますが、こちらがそれです。ちょっと長いのですが、実にうまく作られています。

Play NZ



アドベンチャーに満ちたニュージーランドだからこそできる表現ですね。

次の作品は、ルアペフという場所ですが、これもニュージーランド。北島の山岳地帯ですが、ここの観光プロモーションです。画面が4つに分割されて、4人がテレビ会議に参加しているかのような映像から始まります。が、じつは4人は描き割りの前にいただけで、ルアペフの大自然を紹介するというコマーシャル。「ズーム」というのがテレビ会議のアプリの名前でもありますが、ルアペフにズームするというシャレにもなっています。

Zoom to Ruapehu



オーストラリアやニュージーランドは積極的にコマーシャルを発信していますね。これ以外にもたくさんのコマーシャルがYouTubeに上がっています。

最後に、アブダビ。アメリカの大統領選挙をウォッチするためにCNNを頻繁に見ていたのですが、ここで見かけたのがアブダビのコマーシャル。映画監督マイケル・ベイが撮影していて、撮影風景も登場し、”6 Underground”というタイトルも出てくるので、映画の宣伝にも見えるのですが、アブダビの観光コマーシャルになっています。アブダビに来てくれとはアピールしていないのですが、じつにかっこいい。アブダビのイメージアップに大きく貢献する映像ですね。

Michael Bay Abu Dhabi



いかがでしたでしょうか?いろんな国に行きたくなりますよね。コロナが収束して、早く自由に海外渡航ができるようになりますように。
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再び自由に海外旅行ができるようになる日はいつ?

2020-06-19 19:18:55 | トラベル
航空機での渡航が制限されて久しいですが、国際民間航空機関(ICAO)のサイトに、各国の国際便の運行状況と、新型コロナウィルスの感染状況がまとめて出ていました。国ごとにどんな状況になっているのかがわかりやすいので、シェアさせていただきます。

日本を含むアジアパシフィックの主要国をピックアップしてみました。この表の見方ですが、それぞれの国の空港から一日に出発した便数がオレンジ色の折れ線グラフで示されています。グレーの折れ線グラフは一週間の平均です。この飛行機は、ADSB、つまり管制塔のレーダーが認識した離陸の数で、国際便、国内便、カーゴ、チャーター便など全て含まれます。期間は、昨年の12月16日から、今年の6月16日までの6ヶ月です。

下の黒い棒グラフは、新型コロナウィルスの一日の感染者数です。右側に縦軸の数字が示されていますが、国によって位取りが違います。

一番上の国名の下にある数字は、直近一週間の出発便の数。その後の括弧の中のパーセントは、前週との比較、ということなのですが、グラフの数値と一致しないので、これはとりあえず無視しておいてください。

このグラフのポイントですが、この半年の間に感染がどのように広がり、どのように収束したか(してない国もありますが)、またそれに対して、航空機の発着をどのように規制したかの関連がわかります。急ブレーキをかけた国もあれば、徐々にブレーキをかけて行った国もあります。そんな違いがなんとなくわかります。

まずは中国です。



新型コロナ発祥の国ですが、武漢のロックダウンが始まったのは、春節直前の1月23日。武漢以外の人たちは、春節で、一気に世界中に旅行します。1月後半には、一日1200便くらいの飛行機が飛んでいたのですが、感染が拡大すると同時に、ブレーキがかかり、4月には100便以下になりました。最近では若干持ち直して一日130便くらいになっています。

次は、韓国。



年末年始のあたりは一日730便あったのですが、2月末から3月にかけての感染拡大とともに、便数を制限しました。現在では一日80便くらいになっています。

台湾と香港のデータはここにはないですね。何か政治的な理由かもしれません。

フィリピンです。



年末年始には一日230便以上あったのが、10から20の間になっています。感染者は4月、5月と続き、6月にやや拡大していますが、その後はやや減少傾向にあります。

ベトナムです。



1月には300から310便あったのですが、4月には20便以下になり、最近では30便前後となっています。3月から4月にかけて感染者が増えましたが、一時的な拡大はあるものの、死者をゼロに抑えていて、コントロールが成功していると言われています。

タイです・



1月には一日700便飛んでいたのが、緩やかなカーブを描いて、現在、一日26便あたりになっています。3月末から4月にかけて感染が増えましたが、ほとんど落ち着いています。

マレーシアです。



440便から490便飛んでいたのが、20便に下がっています。感染者は減りそうで、時々思い出したように増えていますね。

シンガポールです。



1月には530便あったのが、30〜40便になっています。外国人労働者の寮での感染が続いているのですが、感染者数は徐々に少なくなっています。

インドネシアです。



1月には110便くらいあったのが、15便のレベルに下がっています。感染者はブレーキをかけてからじわじわと増えていますね。

オーストラリアです。



300から310便あったのが、一日55便くらいになっています。感染は3月末から4月をピークに、沈静化しています。

ニュージーランドです。



3月19日に全世界からの入国を禁止し、110便〜120便あったのが10〜20便になりました。感染の封じ込めに成功したと言われています。

インドです。



3月19日に国際線を停止し、510〜530便あったのを、10以下にし、最近は若干増えて、30瓶くらいになっています。3月19日に急ブレーキがかかった感じです。しかし感染者が拡大するのはその後からになります。感染者のグラフの右の単位が見えにくいですが、直近で一日あたり1万人以上の感染者が出ています。

バングラデシュです。



60弱あった便が、5以下になっています。感染が拡大するのは、国際線を規制した後です。直近の感染者は一日に2500人以上になります。

パキスタンです。



ここも3月後半に急ブレーキです。60便が2便に、最近は10瓶くらいまで戻っています。6月で一番一日の感染者が多かったのは、6800人くらいです。

スリランカです。



ここも3月に急ブレーキがかかりました。85前後あった便が一桁になっています。6月に感染が伸びましたが、全体数がそれほど多くありません。

そして最後に日本です。



実に緩やかなカーブです。一日あたり800便くらいあったのが、徐々に下がって、100瓶くらいになっています。日本は、2月1日に湖北省からの渡航者を規制しましたが、オリンピックの延期が3月24日に決まるまで、渡航制限はあまりしませんでした。3月27日に、イタリア、ドイツ、フランスなど欧州を規制、4月3日に東南アジア、欧米など73カ国の入国を規制、インド、パキスタン、バングラデシュ、アルゼンチンなど11カ国の入国を禁止にしたのは5月22日のことでした。

国によって、感染状況の違いや、規制の仕方の違いなどが色々ですね。たらればですが、日本はもう少し、海外からの渡航を制限していたら、感染がここまで拡大しなかったかもしれません。インバウンドへの未練、オリンピック、習近平来日予定など、ブレーキを強く踏めなかった理由がいくつかありますね。早く感染が収束して、再び自由に旅行ができるよになる日が来るようにお祈りしております。

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戻るぜよ、あの世界に

2012-10-24 01:07:28 | トラベル
私は海外と日本を行ったり来たりして
いるのですが、先日、香港の空港に降り
た時にふと頭をよぎった映像が、ドラマ
の「JIN-仁」と映画の「アバター」です。

二つとも架空のお話しですが、二つの
別々の世界を行ったり来たりするという
ストーリーです。「JIN-仁」の場合は、
医者である主人公が、現代と幕末期の
江戸を行き来します。「アバター」は、
人間の世界とナヴィという人間型の種族
の世界を行き来します。

この二つの世界のどちらにも現実の問題
があり、両方の世界のストーリーが同時
進行しています。主人公は両方の世界に
深く入り込んでいきます。どちらが
アウェイで、どちらがホームなのかが
わからなくなっていきます。どちらの
世界を優先するのかという葛藤で主人公
は悩みます。そこが面白い所ですね。

私は今は香港に住んでいないのですが、
会社があり、進行している仕事はありま
す。香港に着いても、帰って来たという
感じになり、東京に着いても帰って来た
という感じになります。自分がどこに
帰属するのかわからなくなりそうになる
時もあります。それが頭にはいい刺激
になっていると思っております。
「JIN-仁」の南方先生は、強烈な頭痛に
襲われて、困っておりましたですが。

そういえば「テルマエロマエ」も現代と
ローマ時代を行き来していますね。あの
場合はお風呂繋がりですが。日本の銭湯
などからヒントを得て、ローマ風呂が
どんどん進化していくのが最高でした。

今の自分も別々の世界を行き来すること
により、何か貴重な物を持ち帰ってきて
いるのかもしれないと思うこともあり
ます。でも、つねにあの龍馬さんの声、
「戻るぜよ、あの世界に」という声が
どこからか、聞こえてきそうな気もします。

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夏のニュージーランドから帰ってきた眼鏡

2012-10-23 21:56:33 | トラベル
(この記事は今年の1月に書いた話ですが
今まで冷凍保存していたものです)

旅行で行っていたニュージーランドから
東京に戻って二日経って、翌日から香港
に出張に出るという金曜日、家に荷物
が届く。送り主は、ニュージーランドの
クィーンズタウンのホテル。中身は眼鏡
ケースに入った眼鏡とコンタクトレンズの
容器。一週間ほど前にクィーンズタウンの
ホテルにうっかり置き忘れてきた物でした。

一月十四日に成田を出発し、ニュージー
ランドの南島のクィーンズタウンにある
ノボーテル・レイクサイド・ホテルに宿泊。
名前の示す通り、湖沿いのホテルなのです
が、日本からの観光客も多く、このホテル
の従業員も日本人が何人かいました。



クィーンズタウンは、トレッキングや登山
の拠点として有名な湖沿いの綺麗な町です。
南半球の一月は真夏なのに、この辺りでは
山の上に雪が残っていて、夜はホテルの
部屋で暖房をつけないと、寒くて寝られ
ないくらいです。早朝には最低気温が4度
くらいになった時もありました。



ホテルは快適だったのですが、ゆっくり
ホテルでくつろぐ時間がなかったのが
残念です。湖や山々の景色も綺麗で、
空気もよく、静かで健康的で、平和な
この町で、仕事から解放されて、数日
ゆっくりできたらどんなにいいだろう
と思ったのでした。

この町から少し離れたところにパラダ
イス・バレーという場所がありました。
風景は綺麗で、道路と牧場以外は人間が
作った物(例えば電柱、鉄塔、看板など)
が一切見えない所で、パラダイスとは
こういう場所なのだろうなと思えるよう
な所でした。



映画の『ロード・オブ・ザ・リング』も
クィーンズタウンの近くで撮影された
ようです。そんな雰囲気の場所もあち
こちにありました。

それにみんなやたら健康的です。朝早く
からランニングをしている人達を沢山
見かけました。都会の喧噪とは対極の
静寂の中で、聞こえるのは鳥のさえずり
くらいです。店も早く閉まるので、夜
遅くまで遊び歩くということもできません。

そんな町で数日滞在した後、オークランド
に移動する日、このホテルをチェック
アウトしたのは朝の5時頃。まだ真っ暗
でした。睡眠時間は3、4時間です。
この旅は、睡眠時間に関しては、ずっと
こんな感じの過酷なスケジュールでした。

オークランドのホテルについてから
眼鏡とコンタクトレンズの容器がないの
に気付きました。ひょっとしてあのホテル
に置き忘れてきたのかと思い、電話をして
みました。録音された音声の案内で、何と
「遺失物に関してのお問い合わせは3番を」
というのです。そんなに遺失物が多いのか
なと思いながらその番号を押すと、名前と
部屋番号、連絡先の電話番号を残しておけ
という音声ガイドです。こんなんで大丈夫
かなと思いながら、英語で、情報を残して
おきました。

オークランドではタカプナという閑静な
ビーチサイドの町に泊まっていたのですが、
ドラッグストアーでコンタクトレンズの
容器とサングラスを買いました。(実は
サングラスはクィーンズタウンのホテルで
うっかりテーブルに落として割ってしまっ
ていたのです。今回は眼に関するものが
祟られていたような感じです。

オークランドで眼鏡も買おうかと、眼鏡店
に寄ったのですが、検査をするのも予約が
必要だし、それから眼鏡を作るのに数日
かかるということでしたのであきらめました。
遠視用のものなら既成品があるが、近視用の
ものは検査をしないと作れないのだそうです。

オークランドに着いて三日目、携帯に電話が
ありました。クィーンズタウンのホテルから
でした。ちょっと訛のある日本語で、部屋に
忘れていった眼鏡とコンタクトレンズ容器を
届けたいので、どこに送ればよいのかという
連絡でした。半ばあきらめていたのですが、
ちゃんと保護されていたのです!すごく嬉く
なりました。これで一気に、このホテルの
ことが、ニュージーランドのことが大好きに
なりました。オークランド滞在中には届かな
い可能性が高いので、日本に送るというので
す。郵送費は私のクレジットカードに請求さ
れるということでした。

今週の土曜日から香港に来ているのですが、
無事に戻った眼鏡とコンタクトレンズの容器
を持ってくることができました。サングラス
は、香港の眼鏡屋に修理に出して月曜の夜に
出来上がってくる予定です。

旅の途中にあった事故が、奇跡的に修復され
まるで何事もなかったかのように収束して
いくのを見るのは不思議な感じです。しかし、
できるだけ、忘れ物はしないようにしたい、
と自分に言い聞かせたいと思います。

ひょっとしたら、こういう些細な事が、自分の
代わりに厄を吸収する避雷針のような役割を
果たしてくれたのかなという気もします。
大きな事故がなく無事に旅から戻れたことに
感謝したいと思います。

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平均寿命で香港が首位になった理由とは

2012-07-29 12:37:11 | トラベル
7月26日に発表された、厚労省の調査で、
香港が男性80.5歳、女性86.7歳で、男女
とも世界の首位になったという記事が、
マスコミを賑わせました。日本の女性の
平均寿命が、それまでの世界の首位から
転落したというのが記事のポイントだっ
たのですが、しかし香港が首位になった
というのもインパクトがありましたね。

実際に厚労省が発表した調査はこちら。
表6平均寿命の国際比較
香港は、参考として欄外に登場します。
香港は中華人民共和国の一部なのですが、
特別行政区で、通貨もパスポートも法律
も違うので、別の国といってよいでしょう。

しかし、香港がどうしてこんなに平均
寿命が高いのでしょうか?住環境は決して
よいとはいえず、美しい自然に溢れている
というイメージもなく、高温多湿で不快な
気候の時期が多い、ストレス満載の香港
なのに最長寿国というのはちょっと不思議
な感じです。

香港の食事と言えば、チャーシュー飯や

こちらの麺類など...

こんなのばかり食べてたら、あまり
健康的なバランスがよいとは言えませんね。

でも、ちょっと古い記事によれば、調査会社
が香港市民の価値観を調べたそうなのです。
10年前は41%しか重視していなかった
「健康」が、84%で首位の項目になったとか。

また別の調査で、香港のレイシ(霊芝)の
販売量が10年間で1183%も増えたという
データもあります。購入している人の割合
が最も高かった健康関連商品だったという
ことです。

その他、豆乳とか、亀ゼリーとか、中国茶
とか、身体によさそうな物が町中に溢れて
います。こういうものなども長寿に繋がって
いるのかもしれません。

いろいろ香港長寿の理由を探ってみようと
思ったのですが、なかなかこれという文献
が見当たりません。ちょっとここで、自分
ながらの勝手な理由をを思いつくままに
ご紹介してみたいと思います。

香港長寿の理由その1
医食同源の考え方

香港の街では、漢方関係のお店や、健康
食品のお店がやたら目につきます。苦そう
な中国茶のお店もあちこににあり、亀ゼリー
のお店もチェーン店がいくつもあります。
ちょっと体の具合が悪いときでも薬ではなく、
スープとか飲み物で直すという伝統があり
ます。西洋医学の薬に頼らないこういう
健康管理の仕方が長寿に結びついている
のではないかということが考えられます。

こちらは亀ゼリーの有名チェーンの海天堂。
身体の不調に合わせていろんなお茶も売ら
れています。


香港長寿の理由その2
漢方医の存在と医者に行く事の気軽さ

香港には通常の西洋医学の医者の他に、
漢方医というのがかなりあります。
西洋医学の限界というものもあるのかな
という気がします。ひょっとして漢方は
長寿に関係しているのかもしれません。

香港長寿の理由その3
お茶を飲むこと

飲茶では基本はお茶です。ポーレイ
(プーアル)のようなかなり苦めのお茶を
飲みながら、食事をします。こういうお茶
が油の吸収を防ぎ、健康に貢献しているの
かもしれません。

香港長寿の理由その4
タバコを吸わないこと

一年前のニュースで、香港市民の喫煙率が
過去30年で最低を記録したというのが
ありました。香港市民の喫煙率は11.1%と
1982年以来最低を記録したそうです。
これは2009年のタバコ税の増税と喫煙
禁止区域の拡大が効果を見せたものと考え
られています。喫煙率の低下も長寿に影響
を与えているんでしょうね。

香港長寿の理由その5
適度なストレス

香港の人のサイトに出ていたのですが、
香港はちょっと外に出ると刺激がいっぱい
あり、そういうのが老人にとってはよいと
ありました。静かすぎて環境が良すぎると、
ボケてしまったりするのですが、ちょっと
緊張感があると逆にいつまでも若々しく
いられるのかもしれません。

こちらは歩道を歩く老人の後ろ姿。

香港長寿の理由その6
運動になる坂道と狭い歩道

香港は坂道が多く、歩道も狭く、老人に
とっては(というか若い人にとっても)
快適とは言いがたい環境です。でもこう
いうのはかなり運動にはなります。また
細い歩道で、人をよけながら歩くことは、
かなりの反射神経の鍛錬になります。
こういうのも老化を防止してくれている
のかもしれません。

香港長寿の理由その7
親戚家族が年寄りを助けるという伝統

香港は地域が狭いので、老人をひとり
ぼっちにさせておかない伝統があります。
同居してないにしても週末にはみんなで
食事をしたりという光景はよく見ます。
日本のように孤独な老人は少ないのかも
しれません。

香港長寿の理由その8
介護の充実

香港にはフィリピンやインドネシアの
メイドがいっぱいいます。車椅子の老人
の世話をしているメイドもよく見かけます。
メイドをうまく使うという文化があるため
(また料金も安いと思われる)、メイドを
使うほうも、使われるほうも、割り切って
対応できているようです。メイドも結構、
一生懸命世話をしています。

香港長寿の理由その9
長寿を祝う伝統がある

香港では、旧正月や、中秋節などでは長寿
を祈る伝統があります。中秋の月餅などは
もともとは、不老長寿に関連のある風習です。
こんなのも長寿に影響しているのかもしれ
ません。

これは旧正月に壁に貼ったりする物ですが、
長寿に関連したメッセージなども人気です。

香港長寿の理由その10
街にやたら活気がある

街市とか見るとやたら活気があります。
人の歩くスピードも、エスカレーターの
速さも速いです。生活のリズムが香港映画
そのもので、やたら元気です。ひょっとして
こういう部分が香港の老人を元気づけていた
りするのかもしれません。

あと、街中にマーケットがあり、新鮮な食材
で料理をしようというのもあるかもしれません。

こちらはマーケットの様子。

新鮮な野菜や、魚、肉などが売られています。

さらに、あまり落ち込まないような思考性とか、
悩みを溜め込まない性格というようなものも
あるかもしれません。また狭い土地に沢山の
人が住んでいるので、身内や親戚、知りあいは
何かあったら助け合うという繋がりなどもある
のかもれません。

以上の理由は、自分で思いついたものだけなの
でもっといろんなことがあるのかもしれません。
単に食生活とか、医療とかだけの問題ではなく、
政治、社会、文化など様々な要素が複合的に
影響しているとは思います。日本も香港に学ぶ
ところも多いのではないかと思います。

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