まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

10倍増やせるボキャブラリー

2020-07-28 22:23:05 | 英語

英語のボキャブラリーをどうやって増やせるかというのは昔からある課題です。若いうちなら体力勝負の丸暗記でもいけるかもしれないのですが、年をとってくると、なかなか頭に入りません。一度覚えても使わなければ忘れてしまいます。ただでさえ、人の名前とかがなかなか思い出せなくなっている状況では、新しい英単語を覚えるどころではありません。

でも、覚え方ひとつで、英単語は増えるのだ、と私は一冊の本から教わりました。それがこちらの本です。



"Word Power Made Easy"という本で、著者はアメリカ人のNorman Lewis (1912 - 2006)。1949年に出版されたこの本は、現在まで70年以上も売れ続けています。日本の書店にあるかどうかわかりませんが、シンガポールの紀伊国屋書店には売っていました。

実はこの本は、私が20歳の頃に、使っていたことがありました。上智大学の文学部英文学科で教えておられた渡部昇一先生(1930~2017)が、英語の授業の中で、この本を勧めていたからです。早速この本を購入し、勉強しました。すべて英語で、基本的な語彙力がないと読み込めないのですが、何とかチャレンジしました。読むための本というよりも、ドリルのような本でした。語源に着目して、語彙を増やしていくという考え方が基本でした。

社会人になってから、この本のことはすっかり忘れていたのですが、先日、ユーチューブを検索していたら、この本を紹介している動画がいっぱいあって驚きました。しかもさらに驚いたことには、ほとんどがインド人ということでした。





インド人が、インドの言葉で、解説をしたり、この本を使ってそのまま授業したりしているのです。

ここ数年、インド人と仕事をする機会が多く、インドにも何度か出張で行っていたのですが、インド人ビジネスマンの英語の語彙力の豊富さには感心することが数多くありました。インドの英語の新聞もやたら難しい単語が使われていると感じていました。だからこの本がこんなに人気なのも納得できる気がしたのです。

インドで出世をするためには、きちんとした英語を話せる必要があり、語彙力が必要なのだと思いました。インド人は数学や論理では優れていますが、英語力も優れています。そのため、グーグルや、マイクロソフト、アドビやマスターカードなどの国際企業の経営者として活躍しているインド人が数多くいます。

で、日本の人にもこの本のことを伝えたいと思い、自分でYouTube動画を作ってみました。技術的には、完璧ではないかもしれないのですが、トライアルとしてやってみました。それがこちらです。



最初に取り上げたのは、"egoist"という言葉なのですが、まだこの先、言葉が続々と出てくるので、どこまでいけるか先が思いやられます。(笑)



この後、これを続けるべきかどうかは、皆様の反応次第ですので、よろしくお願いいたします。
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マルガリータとマルゲリータ

2020-07-19 21:52:46 | YouTube

マルガリータはテキーラベースのカクテル、マルゲリータはピッツァ。非常に似ている言葉なので、紛らわしいですね。ともに女性の名前であり、国は違っていても同じルーツを持つ言葉なのです。これに関して、ブログにする前に動画にしてYouTubeにアップしました。このブログでは、それを捕捉していきたいと思います。



この動画の中でも登場しますが、これらの名前のルーツとなるアンティオキアの聖マルガリタに関しては、いろいろな伝説があるようです。



ローマカトリック、聖公会、ギリシャ正教会などで崇拝される殉教者のようですが、イングランドでは特に人気が高いようです。詳しくはこちらをご参照ください。

アンティオキアの聖マルガリータ

もともとは真珠という意味だったのに、イタリアに来て、ヒナギク(デイジー)と意味が変わったあたりの謎がまだ解けていません。どなたか解明できた方は教えてください。

またこちらの図のように、マルガリタをルーツとする名前はいろんな国に存在しているのですね。



マーガレットから派生した名前として、ペギーとかペグがありますが、これがなかなか腑に落ちませんね。pの音とmの音が比較的近いということのようですが、確かに両方とも上下の唇をくっつけて発音する子音ですね。

イタリアのマルゲリータ王妃に関しては、こちらもご参考。

マーガレットやマルガレーテ、マルゲリータなどは歴史の中でも王族の名前でよく出てきますね。現在のエリザベス女王の妹もマーガレットでした。あと、サッチャー元首相の名前もマーガレットでしたね。「風とともに去りぬ」の作者は、マーガレット・ミッチェルです。よくある名前なのですが、いろんな物語があるんですね。
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YouTube始めました

2020-07-14 10:28:50 | YouTube

以前、こちらのブログで、「カタカナ英語を使うときは正しく使おう」という記事を投稿したのですが、これをシリーズでYouTubeで解説してみたらどうだろうかと思い、早速やってみました。

撮影したり、編集したりするのは大変なので、パワーポイントで音声を録音できたり、動画でセーブできるのは知っていたので、パワーポイントを使って、やってみました。

画像は、たまたま、オーストラリアの素材のサイトと契約したので、著作権をクリアしたイラストや写真を使えるようになりました。ストック写真から一々買っていたら大変なことになっていました。

パワーポイントに文字や画像を貼り付けてスライドを作ります。そして1ページづつ録音していくのですが、パワーポイント上には、音源のアイコンが表示されます。これをプレゼンテーション時には、アイコン非表示の設定にして、自動再生を選んでおきます。そしてスライドショーをレコーディングするという機能を使って、タイミングを記録します。最後に動画に出力すれば完成。初めてやってみて、こんなに簡単にできてしまうんだと自分でもびっくりしました。

そして完成したのが、「Super Sonic Man の正しいカタカナ語講座」というシリーズです。

それから、YouTubeのアカウントを新たに作り、自分のチャンネルを作るのですが、試行錯誤しながらもなんとかできました。そして、一日で3個の短いコンテンツをアップすることができました。こちらが最初に作ったものです。



「ブッラータ」というので始めてみました。ちょっとマニアックだったかもしれないのですが、SNSとかでは、「ブラッター」という記載が多く、この間違いを何とか正したいという気持ちで、これにしました。出だしと終わりのスライドは流用できるので、二作目も割と簡単にできました。



「シミュレーション」です。「シュミレーション」という発音がとても気になっていました。テレビでも、ビートたけしさんとか、松本人志さんとかが、「シュミレーション」と言っているのを見たことがあるのですが、誰も注意などできません。テロップでは、正しく「シミュレーション」と表記されていたのですが、かなり気になりました。有名人は影響力が強いので、「シュミレーション」が正しいのだとみんな思ってしまいます。テレビ業界では、「シミュレーション」に統一しようとする動きがあるようですが、タレントに強制はできないようです。

そして三作目は、こちら。



「シエラレオネ」です。この映像の中でも紹介していますが、以前、日系の航空会社の飛行機に乗ったときに、CAさんが「エボラ出血熱が流行っています。シオラレオネに訪問された方は検疫を受けてください」とアナウンスしていたのですが、「シオラレオネ」にびっくりしました。それをぜひ改めてもらいたくて、このようなコンテンツをアップしました。

今の時点で、完成したのはこの3つです。ちょっとマニアックな内容なので、そんなに視聴者数が増えるとは思えませんが、そんなマニアックな情報を心地よいと思っていただける方は、チャンネル登録の方もよろしくお願いします。

というまるでユーチューバーのようなコメントをしてしまいましたが、言い忘れていましたが、YouTubeではSuper Sonic Manという名前で出ています。これは、Queenの曲の中で、"Don't Stop Me"というのがあるんですが、その中に出てくるフレーズを拝借しました。今後もよろしくお願いいたします。


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シェイクスピアとミルトン・グレイザー

2020-07-09 18:52:32 | 広告

6月26日の91歳の誕生日の日に亡くなったグラフィック・デザイナー、ミルトン・グレイザー氏については、このブログの「デザインは死せず - Milton Glaserよ永遠に」で触れましたが、"I 💗NY”のデザインで有名な人です。それ以外に、ボブ・ディランのポスターや、ニューヨークマガジンのデザインなど優れた仕事をしていますが、じつは、シェイクスピア関係の作品も多く残しています。

トップの画像がそうなんですが、これは全部、ミルトン・グレイザーが描いたシェイクスピアの顔です。Theatre for a New Audienceという、主にシェイクスピア作品を上演している劇場のブランディングのために描かれたもので、こんなポスターとして使われたりしました。



さらに、こんな講演のポスターもあります。



こんな動画もありました。ミルトン・グレイザーが、シェイクスピアを描きながら、絵を描くことについて語っています。



「描くことは、物事を見ることだ」と彼は語ります。最近のアートスクールでは、コンピュータの技術を習得するために、絵を描くということが犠牲になっているが、これは問題だなどと語り、お金を稼ぐことには直結しないけれど、人間にとってとても大切なことだというような事を語ります。そして最後のほうで、「実物のシェイクスピアに会った人はいないので、どのように描こうか、それは自由」とか、「正確に描くことは意味がない。もちろん正確に描くことは学ばないといけないが、絵の表現としては正確さは重要ではない」ということを語っています。非常に示唆に富む言葉ですね。

彼はこの劇場のグラフィックとは別に、シェイクスピア作品の書籍デザインもしています。例えば、こちら。



「真夏の夜の夢」ですね。そしてこちらも。



「マクベス」です。他の作品も色々あるのですが、こんなトートバッグにもなっていました。



「ハムレット」です。

私も大学生の頃は、シェイクスピア劇を上演する劇団に入っていて、いくつかの作品で舞台に立ちました。「真夏の夜の夢」、「十二夜」、「ロミオとジュリエット」は原語で上演し、「ベロナの二紳士」は日本語で上演しました。勝手に翻案し、脚本も自分で作り、二つの役で舞台にも立ちました。関東シェイクスピア劇連合というのが当時あって、その年の作品賞を受賞したのを思い出しました。

大学時代、一緒にやっていた劇団仲間が、やがて、プロになります。それが今、俳優として活躍している吉田鋼太郎君で、蜷川幸雄さんの後を継いで、シェイクスピア作品全作品の上演の最後の仕上げに取り組んでいます。今年、コロナで途中で中止になってしまいましたが、「ヘンリー八世」まで上演されました。後少しです。

ミルトン・グレイザーが関わっていたTheatre for a New Audienceという劇場の存在も、蜷川幸雄さんが目指したシェイクスピア全作品上演というのと共通のものを感じますね。だからこそ、ミルトン・グレイザーがより身近に感じられてしまいます。

シェイクスピアも、ミルトン・グレイザーのデザインも時代を超えて、人々に影響を与え続けています。

ミルトン・グレイザーのインタビュー映像はいくつもあるのですが、こちらのインタビューが彼の考え方を端的に述べているのでご紹介しておきます。Yiying Luという女の子の質問に、彼が答えるという形になっていて短くまとまっています。



おじいちゃんが、小さな女の子に人生の極意を語っているような雰囲気ですね。簡単に補足しますと、「人生で重要なことは、名誉でも、お金でも、評判でもない、そんなのは糞食らえだ。大切なのは、自分の周りの大切な人との関係をきちんと持つこと。ロジックと直感のどちらが大事か?それは直感。ロジックは人間が作り出した些細な物。直感の方がはるかに重要。テクノロジーか経験か?経験は大切。アフリカの人だったか、自分の国では I Love Youという表現がない、と言う。じゃあどうやって愛していると言うことを伝えるのかと聞いたら、彼は、I See Youと言うんだと教えてくれた。Seeと言うのは、人間の身体を通しての経験だ。それが大事なんだね。そして最終的には、真実をどのように理解するか、それが人生の課題なんだよね」という感じになります。

なんか深いですね。ミルトン・グレイザーは、グラフィック・デザイナーというだけではなく、思想家であり、人生の先生ですね。
ご冥福をお祈りします。




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カタカナ英語を使うときは正しく使おう

2020-07-07 15:04:28 | 英語

会話や文章の中にカタカナ言葉を使うのは、カッコつけるためだけに多用するのは顰蹙を買いますが、ある程度は許容できます。しかし、間違った使い方の場合は別。知ったかぶりで、カッコつけているのを見るのはとても悲しいです。何が正しいかは、時代ととともに、変わっていくのですが、その時代に世間で認められた標準的な言い方があります。それをフォローしながら、また元の発音もリスペクトするということが必要かと思います。

まずしばしば気になるのがこれ。



テレビでもタレントがよく「シュミレーション」と発音しています。以前、テレビコマーシャルでも「シュミレーション」を使っているのがありました。でもこれは「シミュレーション」です。有名人が堂々と「シュミレーション」と言っているので、それを誰も否定できず、視聴者もそれが正しいと洗脳されてしまいます。でも、テロップが出る場合は、タレントが「シュミレーション」と発音していたとしても、「シミュレーション」と表記されているので、メディアの規定では「シミュレーション」が正しいと思っているのだろうと思います。

続いてはこちら…



「フューチャリング」です。これはとてもイライラします。「フューチャーする」というのもよく聞きます。「フューチャー」は「未来」(Future)です。



正しくは「エンターテイナー」です。「ティナー」いうのはとても気持ち悪いです。



これは、まあいいんですが、一般的には、「デザイン」となっているのに、敢えて「ディザイン」と発音するのが、気に障ります。



「リラクセーション」ですね。「ゼ」と発音するとなんかリラックスできなさそうな感じですね。



「エキシビション」が正解ですね。展示会には大型ビジョンが沢山あるので、ビジョンと言いたくなる気持ちはわかりますが。



「コミュニケーション」です。「コミニケーション」という人も多いですね。



パン種のことですが、「サワードウ」です。「ドウナツ」と同じ「ドウ」ですね。「ドゥ」と書いて、英語の"do"と同じような発音をしているのを聞くと、気持ちが悪くなってしまいます。SNSを検索すると「サワードゥ」だらけですね。



「ブッラータチーズ」です。元はイタリア語なのですが、「ブラッター」というのは間違った表記です。SNSでは、「ブラッター」が蔓延しているので、それを正しいと信じている人がかなりいるのですが、機会があれば、それは間違いだと叫びたい。いつか「ブッラータ派」と「ブラッター派」が対決をする場があった場合、「ブラッター派」が数で勝ってしまう気もします。ポピュリズムですね。

このへんのことはいつもモヤモヤしていたので、この機会にアップさせていただきました。ご賛同していただける人がおられることを祈ります。
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