現在開催されている東京オリンピックは、いろんな競技種目があり、各国の選手がそれぞれの夢を叶えようと集まってきています。日本でテレビ放送されているのはほんの一部で、日本選手が活躍しそうにない種目、視聴率が取れそうにない種目は放送もされないし、新聞とかで報道されることもありません。
しかし、日本のマスコミでは報道されない選手にも、いろんなドラマがあり、そういうのを少しでも知ってほしいと思ったりします。もちろん、自分の情報源は限界があり、そんなにいろんな話を知っているわけではないのですが、たまたま自分が知ったことを中心にご紹介していきたいと思います。
7月29日カヌー・スラローム女子カナディアンシングルで、オーストラリアのジェシカ・フォックスが金メダルを獲りました。まずはこの方に関してのお話です。
実は、2016年に仕事でオーストラリアのシドニーに行ったのですが、その時、ジェシカ・フォックスに会っていたのです。たまたま撮影の仕事で、オーストラリアのスポーツフォトグラファーに仕事を依頼したのですが、彼が手配した被写体の一つがカヌーのスラロームでした。
その時まで、カヌーに関しては全く何も知らなかったのですが、カヌーには、スプリントとスラロームという種類があり、それぞれがカヤックとカナディアンという種類があります。カヌーに関しての詳細は、こちらの動画にわかりやすくまとまっているので、こちらをご覧ください。
https://2020.yahoo.co.jp/video/player/2333856
シドニーの西の郊外にペンリス(Penrith)という町があり、そこにPenrith Whitewater Stadiumというカヌーのスラロームの競技設備がありました。
2000年のシドニーオリンピックの時に作られた設備なのですが、それがオリンピック以降、カヌーの練習設備として活用されてきていたのです。
カヌーのスラローム用の設備をその時初めて見たのですが、広大な敷地の中に人工的に作られたものでありながら、激しい渓流を作り出すテクノロジーに驚きました。長さは320メートルくらい、高低差が5.5メートルの渓流が見事に作られています。一般の人も利用できるようですし、ラフティングなどもできるのですが、オーストラリアのカヌー選手はここを練習の拠点にしていたのです。
ちなみにこちらが今回の東京のスラローム設備。オーストラリアに比べると、ちょっと窮屈な感じはしてしまいますね。
カヌーのスラロームの撮影モデルとして、そこにやってきたのは、ノエミー・フォックス(Noemie Fox)というまだ十代の少女でした。今回の東京オリンピックで金メダルを獲ることになるジェシカ・フォックスの妹でした。
ノエミー一人のためだけに、水流がセットされ、何度もスラロームを行いました。間近で見ていたのですが、激しい水しぶきの中を鮮やかに漕いでいくノエミーの姿に感動しました。
途中、クラブハウスでお茶を飲みながら休憩していると、そこに通りかかったのが、ジェシカ・フォックスでした。当時21才でした。その時はすでに、ロンドンオリンピック(2012年)で銀メダルを獲っていて、その年に開催されるリオでも銅メダルを獲ることになる有名アスリートだったのです。
その時はそんなすごい人だとは知りませんでした。ジェシカ・フォックスは1994年の6月11日にフランスのマルセイユで生まれます。父親のリチャード(Richard)は英国人、母親のミリアム(Myriam)はフランス人で、二人ともカヌー選手でした。母親は1996年にフランス代表として銅メダルを獲っています。父親は国際カヌー連盟の2代目のバイスプレジデントで、オーストラリアのカヌーの強化マネージャーを務めています。
そんなカヌー選手一家に生まれ、スラローム施設のすぐそばのペンリス市内に住み、こんな恵まれた設備で思う存分練習できるのでは、メダルを取れて当然だという気がします。
2016年に訪れた時、シドニーオリンピックから16年も経っていたのですが、このカヌー・スラローム設備をはじめ、競技場が素晴らしい状態で維持されていて、市民やアスリートが練習できるようになっているという話を聞いて、さすがだなと思いました。
7月30日のシンガポールの新聞に出ていた記事がこちらです。この日は、卓球のユ・メンユが三位決定戦で負けてメダルを撮れず、前回リオで金メダルを獲った水泳バタフライのジョセフ・スクーリングが敗退したというニュースが大きく扱われていたのですが、そんな中に出ていたのがこのジェシカ・フォックスの金メダルの記事でした。
ちなみにこの記事のヘッドラインのFOX OUTFOXES SLALOM TO WINという意味なのですが、「フォックスが過去の自分に勝りスラロームに勝利」というような意味になります。“outfox”という動詞は、「自分を出し抜く」とか「一枚上手」という意味なのですが、名前が”Fox”なので、この単語を使ったものと思われます。7月27日に行われたカヌー・スラロームの女子カヤックシングルでは、予選ではトップだったジェシカ・フォックスは銅メダルに終わっていたので、カナディアンで獲得した金メダルでリベンジを果たしたということを意味しているのだと思います。
こちらのサイトに、彼女の動画が紹介されていますが、トレーニングの様子、母親がコーチであり、アトランタで銅メダルを獲ったこと、また犬が好きということなど紹介されています。
https://olympics.com/ja/featured-news/olympic-canoe-slalom-tokyo-2020-games-2021-five-things-preview
調べてみたら、カヌー・スラローム女子カナディアンシングルが種目として採用されたのは今回の東京オリンピックが初だったのですね。それまではこの種目は男子しかありませんでした。あまり注目されていないことですが、女子種目が増えて、ジェンダーの平等を進めていることは素晴らしいと思います。
しかし、日本のマスコミでは報道されない選手にも、いろんなドラマがあり、そういうのを少しでも知ってほしいと思ったりします。もちろん、自分の情報源は限界があり、そんなにいろんな話を知っているわけではないのですが、たまたま自分が知ったことを中心にご紹介していきたいと思います。
7月29日カヌー・スラローム女子カナディアンシングルで、オーストラリアのジェシカ・フォックスが金メダルを獲りました。まずはこの方に関してのお話です。
実は、2016年に仕事でオーストラリアのシドニーに行ったのですが、その時、ジェシカ・フォックスに会っていたのです。たまたま撮影の仕事で、オーストラリアのスポーツフォトグラファーに仕事を依頼したのですが、彼が手配した被写体の一つがカヌーのスラロームでした。
その時まで、カヌーに関しては全く何も知らなかったのですが、カヌーには、スプリントとスラロームという種類があり、それぞれがカヤックとカナディアンという種類があります。カヌーに関しての詳細は、こちらの動画にわかりやすくまとまっているので、こちらをご覧ください。
https://2020.yahoo.co.jp/video/player/2333856
シドニーの西の郊外にペンリス(Penrith)という町があり、そこにPenrith Whitewater Stadiumというカヌーのスラロームの競技設備がありました。
2000年のシドニーオリンピックの時に作られた設備なのですが、それがオリンピック以降、カヌーの練習設備として活用されてきていたのです。
カヌーのスラローム用の設備をその時初めて見たのですが、広大な敷地の中に人工的に作られたものでありながら、激しい渓流を作り出すテクノロジーに驚きました。長さは320メートルくらい、高低差が5.5メートルの渓流が見事に作られています。一般の人も利用できるようですし、ラフティングなどもできるのですが、オーストラリアのカヌー選手はここを練習の拠点にしていたのです。
ちなみにこちらが今回の東京のスラローム設備。オーストラリアに比べると、ちょっと窮屈な感じはしてしまいますね。
カヌーのスラロームの撮影モデルとして、そこにやってきたのは、ノエミー・フォックス(Noemie Fox)というまだ十代の少女でした。今回の東京オリンピックで金メダルを獲ることになるジェシカ・フォックスの妹でした。
ノエミー一人のためだけに、水流がセットされ、何度もスラロームを行いました。間近で見ていたのですが、激しい水しぶきの中を鮮やかに漕いでいくノエミーの姿に感動しました。
途中、クラブハウスでお茶を飲みながら休憩していると、そこに通りかかったのが、ジェシカ・フォックスでした。当時21才でした。その時はすでに、ロンドンオリンピック(2012年)で銀メダルを獲っていて、その年に開催されるリオでも銅メダルを獲ることになる有名アスリートだったのです。
その時はそんなすごい人だとは知りませんでした。ジェシカ・フォックスは1994年の6月11日にフランスのマルセイユで生まれます。父親のリチャード(Richard)は英国人、母親のミリアム(Myriam)はフランス人で、二人ともカヌー選手でした。母親は1996年にフランス代表として銅メダルを獲っています。父親は国際カヌー連盟の2代目のバイスプレジデントで、オーストラリアのカヌーの強化マネージャーを務めています。
そんなカヌー選手一家に生まれ、スラローム施設のすぐそばのペンリス市内に住み、こんな恵まれた設備で思う存分練習できるのでは、メダルを取れて当然だという気がします。
2016年に訪れた時、シドニーオリンピックから16年も経っていたのですが、このカヌー・スラローム設備をはじめ、競技場が素晴らしい状態で維持されていて、市民やアスリートが練習できるようになっているという話を聞いて、さすがだなと思いました。
7月30日のシンガポールの新聞に出ていた記事がこちらです。この日は、卓球のユ・メンユが三位決定戦で負けてメダルを撮れず、前回リオで金メダルを獲った水泳バタフライのジョセフ・スクーリングが敗退したというニュースが大きく扱われていたのですが、そんな中に出ていたのがこのジェシカ・フォックスの金メダルの記事でした。
ちなみにこの記事のヘッドラインのFOX OUTFOXES SLALOM TO WINという意味なのですが、「フォックスが過去の自分に勝りスラロームに勝利」というような意味になります。“outfox”という動詞は、「自分を出し抜く」とか「一枚上手」という意味なのですが、名前が”Fox”なので、この単語を使ったものと思われます。7月27日に行われたカヌー・スラロームの女子カヤックシングルでは、予選ではトップだったジェシカ・フォックスは銅メダルに終わっていたので、カナディアンで獲得した金メダルでリベンジを果たしたということを意味しているのだと思います。
こちらのサイトに、彼女の動画が紹介されていますが、トレーニングの様子、母親がコーチであり、アトランタで銅メダルを獲ったこと、また犬が好きということなど紹介されています。
https://olympics.com/ja/featured-news/olympic-canoe-slalom-tokyo-2020-games-2021-five-things-preview
調べてみたら、カヌー・スラローム女子カナディアンシングルが種目として採用されたのは今回の東京オリンピックが初だったのですね。それまではこの種目は男子しかありませんでした。あまり注目されていないことですが、女子種目が増えて、ジェンダーの平等を進めていることは素晴らしいと思います。