シンガポールは8月9日が独立記念日、「ナショナル・デー」は、祝日になっていて、大規模なイベントが行われますが、今年は、コロナ感染を避けて、少しずらして8月21日に開催されました。場所は、マリーナベイの水上ステージ、観客はかなり絞って行われました。前半はわりと儀式的なもので、後半はエンターテインメント的なものですが、シンガポールの一体感を確認するための一大イベントとなっています。
今年の後半はアニメと歌とダンスのショーでしたが、3人の男性歌手が、クィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を歌い出してから、シンガポール大学のサテライト会場での学生たちのダンス、そして、メイン会場でのパフォーマンスから、5つの星が空中で、シンガポールの国旗の月と星を形作るまでの一連の流れが非常によくできていたと思います。
「ボヘミアン・ラプソディ」や、「ケセラセラ」、「We Shall Overcome」などの懐かしい曲が挿入されているのはすぐにわかったのですが、最初から最後まで流れているのは一つの曲なのだと思っていました。歌詞のところどころに“Wings”という歌詞が出ていて、シンガポール大学のグランドに描かれた翼の形や、メイン会場の翼のグラフィック、そして、5つの星とサテライト会場で描かれる月の形の人文字(文字ではないですが、絵文字とすれば文字ですね)がシンガポール国旗の形に決まるエンディングで流れる“Wings Are Made To Fly”という歌詞。テーマが一貫しているし、メロディーも、リズムも統一感があったので、一つの曲のように聞こえました。しかし、実は、全然違ういくつもの曲をつなぎ合わせたものだったのです。
たまたま東京オリンピックの開会式でも、スーザン・ボイスの「翼をください」の英語のカバー曲が使われました。これについては、私の記事をご参照ください。また、シンガポールのナショナルデーイベントの数日後に行われた東京パラリンピックの開会式。そのテーマが、“We Have Wings”というものでした。このシンガポールのこのパフォーマンスも“Wings”なので、偶然にも同じようなテーマが見事に重なり、しかも昨年頭に私が自分の会社に付けた名前が“Wings2Fly”(ウィングズ・トゥー・フライ)だったので、偶然ではありながら何か運命的なものを感じておりました。
シンガポールのこの“Wings Are Made To Fly”という歌詞を持つこの曲は一体なんという曲なのだろうと調べてみたのですが、なかなかわかりませんでした。ナショナルデーに参加した若者たちが歌っているからには有名な曲に違いない。こんな曲をオリジナルで作れるアーティストはシンガポールにはおそらくいないし、こんな曲が作れたらそれこそ世界的に話題になっているはず。
なかなか検索にひっかからなかったのですが、先週の金曜日の午後、偶然に歌詞の一部がヒットした時は、とても嬉しかったです。それは、10年くらい前に登場したイギリスのガールズグループLittle Mixの“Wings”という曲でした。(昔は4人でしたが現在は3人のようです)
Mama told me not to waste my life
She said spread your wings my little butterfly
という歌詞で始まるこの曲だったのです。サビの部分で、“Wings Are Made To Fly”という歌詞が登場しています。素晴らしい!このパフォーマンスを企画した人は、よくこの曲を持ってきたと思いました。
しかしいろいろと調べていると、この曲は重要な部分で使われているけれど、実際には、全く違う複数の曲がつなぎ合わされていて、一つの曲のように聞こえているのだということを発見しました。見事な構成です。どういう曲が実際に繋がれていのかというのをまとめて紹介しておきたいと思います。
まず、こちらが実際のパフォーマンスの動画です。シンガポール以外でも見られることを祈ります。前半が3人の男性歌手が登場するシーンです。
そして後半です。3人の女性歌手が、「ケセラセラ」で登場します。「ケセラセラ」の後、早着替えでLittle Mixの“Wings”となっていきます。
この中で使われていた原曲を、流れに従って、紹介していきたいと思います。
まず最初は、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」の導入部分。
Queen “Bohemian Rhapsody”
「ボヘミアン・ラプソディ」では、“Mama, just killed a man…”という母親への語りかけの歌詞が登場しますが、ナショナルデーのイベントでは、これは使われていません。しかしこの後に登場してくる3つの楽曲が、母親との会話を歌詞にしているところがまた素晴らしいです。「ケセラセラ」もリトルミックスの「Wings」も母親が言ったことがテーマになっています。導入の「ボヘミアン・ラプソディ」の母親への語りかけというテーマが、この後のいくつかの曲につながっているという構成が見事だと思いました。
そんな中で登場する次の曲は、パニックアットザディスコという米国のグループの“High Hopes”。歌詞の歌い出しが“Mama said”です。母親が言ったことというテーマが繋がります。
Panic! At the Disco “High Hopes”
そして、3人の女性シンガーが登場して歌うのが、懐かしのドリス・デイの「ケセラセラ」。
Doris Day “Que Sera Sera”
早着替えの後、リトル・ミックスの“Wings”です。
Little Mix “Wings”
“Wings”の歌詞にまざって聞こえてくるのが、“What’s wrong with being confident”というデミ・ロヴァートの歌う“Confident”という曲。
Demi Lovato “Confident”
そして、“We Shall Overcome”。懐かしい。昔の有名なプロテストソングですが、いろんな人が歌っていました。こちらはジョーン・バエズのバージョン。
“We Shall Overcome”
そして、トロイ・シヴァンの “Youth”。
Troye Sivan “Youth”
一瞬の静けさの中で聞こえてくるのは2005年のNDP(ナショナル・デー・パレード)ソングの“Reach Out for the Skies”という曲のワンフレーズ。
Rui En & Taufik, NDP 2005 Theme Song “Reach Out for the Skies”
そしてFunの“We Are Young”。
Fun “We Are Young”
そして最後のフレーズは、再び、リトルミックスの“Wings”の“Wings Are Made To Fly”という歌詞。全く別々の曲を切り貼りして、見事につなぎ、一つのパフォーマンスとしたのは見事です。古い曲もあれば、かなり新しい曲もあり、これらを国家的なイベントで使うというシンガポールの感度は素晴らしいと思います。
今年の後半はアニメと歌とダンスのショーでしたが、3人の男性歌手が、クィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を歌い出してから、シンガポール大学のサテライト会場での学生たちのダンス、そして、メイン会場でのパフォーマンスから、5つの星が空中で、シンガポールの国旗の月と星を形作るまでの一連の流れが非常によくできていたと思います。
「ボヘミアン・ラプソディ」や、「ケセラセラ」、「We Shall Overcome」などの懐かしい曲が挿入されているのはすぐにわかったのですが、最初から最後まで流れているのは一つの曲なのだと思っていました。歌詞のところどころに“Wings”という歌詞が出ていて、シンガポール大学のグランドに描かれた翼の形や、メイン会場の翼のグラフィック、そして、5つの星とサテライト会場で描かれる月の形の人文字(文字ではないですが、絵文字とすれば文字ですね)がシンガポール国旗の形に決まるエンディングで流れる“Wings Are Made To Fly”という歌詞。テーマが一貫しているし、メロディーも、リズムも統一感があったので、一つの曲のように聞こえました。しかし、実は、全然違ういくつもの曲をつなぎ合わせたものだったのです。
たまたま東京オリンピックの開会式でも、スーザン・ボイスの「翼をください」の英語のカバー曲が使われました。これについては、私の記事をご参照ください。また、シンガポールのナショナルデーイベントの数日後に行われた東京パラリンピックの開会式。そのテーマが、“We Have Wings”というものでした。このシンガポールのこのパフォーマンスも“Wings”なので、偶然にも同じようなテーマが見事に重なり、しかも昨年頭に私が自分の会社に付けた名前が“Wings2Fly”(ウィングズ・トゥー・フライ)だったので、偶然ではありながら何か運命的なものを感じておりました。
シンガポールのこの“Wings Are Made To Fly”という歌詞を持つこの曲は一体なんという曲なのだろうと調べてみたのですが、なかなかわかりませんでした。ナショナルデーに参加した若者たちが歌っているからには有名な曲に違いない。こんな曲をオリジナルで作れるアーティストはシンガポールにはおそらくいないし、こんな曲が作れたらそれこそ世界的に話題になっているはず。
なかなか検索にひっかからなかったのですが、先週の金曜日の午後、偶然に歌詞の一部がヒットした時は、とても嬉しかったです。それは、10年くらい前に登場したイギリスのガールズグループLittle Mixの“Wings”という曲でした。(昔は4人でしたが現在は3人のようです)
Mama told me not to waste my life
She said spread your wings my little butterfly
という歌詞で始まるこの曲だったのです。サビの部分で、“Wings Are Made To Fly”という歌詞が登場しています。素晴らしい!このパフォーマンスを企画した人は、よくこの曲を持ってきたと思いました。
しかしいろいろと調べていると、この曲は重要な部分で使われているけれど、実際には、全く違う複数の曲がつなぎ合わされていて、一つの曲のように聞こえているのだということを発見しました。見事な構成です。どういう曲が実際に繋がれていのかというのをまとめて紹介しておきたいと思います。
まず、こちらが実際のパフォーマンスの動画です。シンガポール以外でも見られることを祈ります。前半が3人の男性歌手が登場するシーンです。
そして後半です。3人の女性歌手が、「ケセラセラ」で登場します。「ケセラセラ」の後、早着替えでLittle Mixの“Wings”となっていきます。
この中で使われていた原曲を、流れに従って、紹介していきたいと思います。
まず最初は、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」の導入部分。
Queen “Bohemian Rhapsody”
「ボヘミアン・ラプソディ」では、“Mama, just killed a man…”という母親への語りかけの歌詞が登場しますが、ナショナルデーのイベントでは、これは使われていません。しかしこの後に登場してくる3つの楽曲が、母親との会話を歌詞にしているところがまた素晴らしいです。「ケセラセラ」もリトルミックスの「Wings」も母親が言ったことがテーマになっています。導入の「ボヘミアン・ラプソディ」の母親への語りかけというテーマが、この後のいくつかの曲につながっているという構成が見事だと思いました。
そんな中で登場する次の曲は、パニックアットザディスコという米国のグループの“High Hopes”。歌詞の歌い出しが“Mama said”です。母親が言ったことというテーマが繋がります。
Panic! At the Disco “High Hopes”
そして、3人の女性シンガーが登場して歌うのが、懐かしのドリス・デイの「ケセラセラ」。
Doris Day “Que Sera Sera”
早着替えの後、リトル・ミックスの“Wings”です。
Little Mix “Wings”
“Wings”の歌詞にまざって聞こえてくるのが、“What’s wrong with being confident”というデミ・ロヴァートの歌う“Confident”という曲。
Demi Lovato “Confident”
そして、“We Shall Overcome”。懐かしい。昔の有名なプロテストソングですが、いろんな人が歌っていました。こちらはジョーン・バエズのバージョン。
“We Shall Overcome”
そして、トロイ・シヴァンの “Youth”。
Troye Sivan “Youth”
一瞬の静けさの中で聞こえてくるのは2005年のNDP(ナショナル・デー・パレード)ソングの“Reach Out for the Skies”という曲のワンフレーズ。
Rui En & Taufik, NDP 2005 Theme Song “Reach Out for the Skies”
そしてFunの“We Are Young”。
Fun “We Are Young”
そして最後のフレーズは、再び、リトルミックスの“Wings”の“Wings Are Made To Fly”という歌詞。全く別々の曲を切り貼りして、見事につなぎ、一つのパフォーマンスとしたのは見事です。古い曲もあれば、かなり新しい曲もあり、これらを国家的なイベントで使うというシンガポールの感度は素晴らしいと思います。