まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

あのアマンダ・ゴーマンがスーパーボウルで詩を朗読

2021-02-09 14:49:10 | 文学的な

1月の大統領就任式で一躍有名になったアマンダ・ゴーマンですが、スーパーボウルという全米最大のスポーツイベントで、詩を朗読しました。

今回のスーパーボウルでは、医療従事者たちへの感謝を示すため、ワクチンを接種した約7,500人の医療従事者が無料で招待されたのだそうです。

朗読したのは「Chorus of the Captains(キャプテンたちのコーラス)」というタイトルの詩。スポーツ選手ではなく、医療従事者や教育者など、コロナ禍で社会を支えるヒーローたちを讃える詩です。

詩の中で登場する3人は、退役軍人のジェイムス・マーティン、教育者のトレメイン・デイヴィス、看護師のスージー・デルナー。この3人は、2021年スーパーボウルの名誉キャプテンに選ばれています。

アマンダ・ゴーマンの詩は平易な言葉で綴られています。いわゆる詩的な表現ではなく、普通の言葉で語られています。その言葉が見事なリズムと、ポジティブなメッセージを作り出しています。

コロナの感染で人々は疲弊し、政治の混乱や分断で先が見通せない状況の中で、彼女の詩は、彼女の言葉は、人々の心に癒しを与え、希望の光を提示しています。この詩の最後のフレーズは、”honor us”(私たちに栄誉を与えている)となっていますが、この“us”という単語は”U.S.(合衆国)“という意味にも取れると、CNNの番組で紹介されていました。アメリカという国にとっても、このアマンダ・ゴーマンの詩は希望となっているのですね。

このまだ22歳の詩人の今後の成長が楽しみです。

こちらがその動画です。



そして、この詩の全文を自分で訳してみました。

Chorus of the Captains
キャプテンたちのコーラス


Today we honor our three captains
今日私たちは3人のキャプテンに栄誉を与える。
For their actions and impact in
不確実で困難な時にあって、
A time of uncertainty and need.
彼らが取った行動とその影響に対して。
They’ve taken the lead,
彼らは率先して、
Exceeding all expectations and limitations,
あらゆる期待と限界を超えて、
Uplifting their communities and neighbors
地域社会や近隣を、
As leaders, healers, and educators.
指導者として、治療者として、教育者として支えた。
James has felt the wounds of warfare,
ジェイムズは、戦争の傷が癒えていないが、
But this warrior still shares
この戦士は自分の家を、
His home with at-risk kids.
非行や虐待の危険のある子供たちと分かち合っている。
During Covid, he’s even lent a hand
コロナ禍にあって、彼はさらに家族やファンのために
Livestreaming football for family and fans.
フットボールのライブストリーミングを手伝っている。
Trimaine is an educator who works nonstop,
トリメインはノンストップで働いている教育者。
Providing his community with hotspots,
感染スポットが点在する自分のコミュニティーに
Laptops, and tech workshop
ラップトップと技能教習を提供し、
So his students have all the tools
人生で、そして学校で成功するために必要な
They need to succeed in life and in school.
すべてのツールを持てるようにしている。
Suzie is the ICU nurse manager at a Tampa Hospital.
スージーは、タンパ病院のICU看護マネージャー。
Her chronicles prove that even in tragedy, hope is possible.
彼女の歴史は悲劇の中でも希望を持つことが可能というのを証明してくれる。
She lost her grandmothers to the pandemic,
彼女はパンデミックで祖母を失った。
And fights to save other lives in the ICU battle zone,
それでもICUという名の戦場で他の命を救うために戦っている。
Defining the frontline heroes risking their lives for our own.
私たちの命を救うために自らの命を危険に晒しながら、最前線のヒーローのあり方を示している。
Let us walk with these warriors,
これら戦士たちとともに歩んでいこう。
Charge on with these champions,
これらチャンピオンとともに進んでいこう。
And carry forth the call of our captains!
私たちのキャプテンの掛け声をずっと先に届けていこう。
We celebrate them by acting with courage and compassion,
私たちは勇気と思いやりの行動で彼らを祝福しよう。
By doing what is right and just.
正しい事、公正な事を行うことで。
For while we honor them today
私たちは今日彼らに栄誉を与えながら
It is they who every day honor us.
私たちは毎日、彼らに栄誉を与えられているのだから。


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アマンダ・ゴーマンが大統領就任式で朗読した「私たちがのぼる丘」(The Hill We Climb)の詩(全文)

2021-01-22 21:56:06 | 文学的な

2021年1月20日、アメリカ合衆国の大統領就任式で、22歳でアメリカ初の桂冠詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)が、詩を朗読しました。大統領就任式で詩の朗読は、1961年ケネディ大統領の就任式でのロバート・フロストなど何度かあったようですが、アマンダ・ゴーマンは最年少。黄色のコートで登場し、堂々と言葉の力で新たな時代の到来を告げました。こちらがその動画です。



日本では、こういう政治的な公式の場で詩人が登場することは稀ですが、アマンダ・ゴーマンの詩は、政治や社会の言葉を積極的に使っており、明るい希望に満ちたものになっています。言葉の力で、これから訪れる新時代を祝福するものでした。政治家の言葉は伝達に限界がありますが、詩は政治家では伝えられないものを伝えることができていたのではないかと思います。

タイトルは “The Hill We Climb”(私たちがのぼる丘)というもので、この就任式のために作られた詩です。書きかけだった詩を完成させたのは、1月6日の夜。その日に起きた議事堂襲撃事件の後のことでした。

この朗読を聞いてから、この詩について紹介しようと思い、自分で翻訳を始めたのですが、この数日で、いくつか翻訳が発表されました。しかし、彼女の朗読と、その独特のリズムと比べると、なんかしっくりきません。ということで自分で最後まで訳してみたいと思いました。下のリンクは、すでに発表されている翻訳です。

https://www.buzzfeed.com/jp/rikakotakahashi/the-hill-we-climb-translation

https://courrier.jp/news/archives/229523/

https://www.businessinsider.jp/post-228317

で、私の翻訳はこちらです。

The Hill We Climb
私たちがのぼる丘


When day comes we ask ourselves,
夜が明ける時、私たちは自らに問う、
Where can we find light in this never-ending shade?
終わりなき闇のどこに光を見出せるかを。
The loss we carry,
私たちが背負う喪失感、
a sea we must wade
渡らなければならない海、
We braved the belly of the beast
私たちは恐るべき困難に立ち向かってきた。
We’ve learned that quiet isn’t always peace
静けさが必ずしも平和を意味しないことを学んだ。
And the norms and notions of what just is
そこに存在する規範や概念が
Isn’t always just-ice.
いつも正義とは限らないことも。
And yet the dawn is ours before we knew it
そして気づかないうちに夜明けがやって来る。
Somehow we do it
なんとかして私たちはやり遂げる。
Somehow we weathered and witnessed
なんとかして乗り越え、そして私たちは知る、
a nation that isn’t broken
国が破壊されたのではなく
but simply unfinished
ただ建設途上であることを。
We the successors of a country and a time
一つの国、一つの時代を引き継ぐ私たち、
Where a skinny black girl
その国では、一人の痩せた黒人の少女でも
Descended from slaves and raised by a single mother
奴隷の子孫であり、シングルマザーに育てられていたとしても
Can dream of becoming president
大統領になることを夢見ることができる。
Only to find herself reciting for one.
そして、気がついたら自分が一人の大統領のために朗読をしている。
And yes we are far from polished
そう、確かに私たちは洗練からはかけ離れている。
far from pristine
清廉潔白からはかけ離れている。
But that doesn’t mean that we are
でもそれは私たちが努力して
striving to form a union that is perfect.
完璧な団結を目指すという意味ではない。
We are striving to forge our union with purpose
私たちが目指す団結は
To compose a country committed to all cultures, colours, characters and
conditions of man.
あらゆる文化、肌の色、性格、置かれた状況を尊重する国を造るためのもの。
And so we lift our gaze not to what stands between us
だから、私たちの間に横たわるものではなく、
but what stands before us
私たちの行く手にあるものに、私たちは目を向ける。
We close the divide because we know to put our future first
未来が一番大切と知っているので、私たちは分断を終わらせる。
We must first put our differences aside
私たちはまず相違を忘れなければならない。
We lay down our arms
上げた手を、私たちはおろす。
So we can reach out our arms to one another.
互いに手を差し伸べることができるように。
We seek harm to none and harmony for all.
誰にも危害を与えず、みんなに調和をもたらす。
Let the globe, if nothing else, say this is true:
少なくともこれだけは真実だと世界に言わせよう:
That even as we grieved, we grew
悲しんでいる間にも私たちは成長したこと
That even as we hurt, we hoped
傷つきながらも、希望を抱いたこと
That even as we tired, we tried.
疲れ果てていても、努力を続けたこと
That we’ll forever be tied together, victorious.
私たちは永遠に、力を合わせ、勝利することを
Not because we will never again know defeat
敗北を二度と味わいたくないからではなく、
But because we will never again sow division.
分断の種を二度と蒔きたくないからだ。
Scripture tells us to envision
聖書はこんなことを思い描けと言う:
That everyone shall sit under their own vine and fig tree
すべての人が自分の葡萄の木の下で、自分のイチジクの木の下で
And no one shall make them afraid.
安心して座ることができる状況を。
If we’re to live up to our own time
私たちが今の時代を生きるためには
Then victory won’t lie in the blade
勝利は刃(やいば)にあるのではなく
But in all the bridges we’ve made
私たちが作ったすべての橋にある。
That is the promise to glade
それは開けた土地への約束
The hill we climb
私たちが登る丘
If only we dare.
そんな勇気を持つことができたなら…
Because being American is more than a pride we inherit
アメリカ人であることは、我々が受け継ぐ誇り以上のものだから。
It’s the past we step into
それは私たちが足を踏み入れる過去、
And how we repair it.
そしてそれをいかに修復するかということ。
We’ve seen a force that would shatter our nation
私たちはこの国を粉砕しようとする力が、
Rather than share it
共有しようとする力の代わりに
Would destroy our country if it meant delaying democracy.
私たちの国家を破壊しようとし、民主主義を後退させることになるのを目撃した。
And this effort very nearly succeeded.
そしてその試みは成功するかのように見えた。
But while democracy can be periodically delayed,
民主主義は断続的な遅延を余儀なくされるが
it can never be permanently defeated.
決して永久に敗北することはない。
In this truth,
この真理において
in this faith we trust
私たちの信念において
For while we have our eyes on the future,
私たちが未来に目を向けている間は
history has its eyes on us.
歴史は私たちに目を向けてくれるから。
This is the era of just redemption.
今はひたすら償う時代。
We feared at its inception
当初は私たちは恐れていた。
We did not feel prepared to be the heirs
私たちは準備ができていないと思っていた。
of such a terrifying hour
そのような恐ろしい時代を相続するための準備が。
but within it we found the power
でもそんな中で私たちは見出した。
to author a new chapter.
新たな章を書き始める力を。
To offer hope and laughter to ourselves.
私たち自身に希望と笑顔をもたらす力を。
So while we once we asked,
だから、かつて私たちは尋ねた。
how could we possibly prevail over catastrophe?,
どうしたら私たちは破滅を生き延びることができるのだろうかと。
Now we assert
今、私たちは断言する。
How could catastrophe possibly prevail over us?
破滅がどうして生き延びられようかと。
We will not march back to what was
私たちは、過去の時代に戻りはしない。
but move to what shall be.
あるべき未来を目指して進むだけ。
A country that is bruised but whole,
傷ついた国だが、何も欠けてはいない。
benevolent but bold,
慈悲深いが、大胆。
fierce and free.
獰猛であり自由。
We will not be turned around
私たちは振り返ることはしない。
or interrupted by intimidation
躊躇が邪魔をすることもない。
because we know our inaction and inertia
怠惰や惰性は
will be the inheritance of the next generation.
次の世代に引き継がれてしまうことを私たちは知っているから。
Our blunders become their burdens.
私たちの躓きは次の世代の重荷となる。
But one thing is certain;
でも一つ確かなことがある。
If we merge mercy with might,
私たちが慈悲の心と力を結びつけ
and might with right,
力と権利を結びつければ、
then love becomes our legacy
愛が私たちのレガシーとなる。
and change our children’s birthright.
そして子供たちの生来の権利が変わっていく。
So let us leave behind a country
だから私たちに残された国よりも
better than the one we were left with.
さらによい国を後世に残していこう。
Every breath from my bronze pounded chest,
ブロンズの高鳴る私の胸からの一息一息で、
we will raise this wounded world into a wondrous one.
この負傷した世界を素晴らしい世界へと育てていこう。
We will rise from the gold-limbed hills of the west,
金色に縁取られた西部の丘から立ち上がろう。
We will rise from the windswept northeast
風吹く北東部から立ち上がろう。
where our forefathers first realized revolution.
そこは私たちの祖先が最初に革命を実現した場所。
We will rise from the lake-rimmed cities of the midwestern states,
中西部諸州の湖に面した都市から立ち上がろう。
we will rise from the sunbaked south.
太陽にこんがり焼かれた南部から立ち上がろう。
We will rebuild, reconcile and recover
私たちは再建し、和解し、修復しよう。
and every known nook of our nation and
そして我が国の隅々で、我が国と呼ばれる
every corner called our country,
すべての街角で
our people diverse and beautiful will emerge
多種多様の人々と美しさが姿を現す
battered and beautiful.
傷つきながらも美しく
When day comes we step out of the shade,
夜明けがやってくると私たちは闇から抜け出す。
aflame and unafraid,
光を浴びて、恐れるものなく。
The new dawn blooms as we free it.
新たな夜明けは、私たちがそれを解き放つとともに、一面に広がる。
For there is always light,
光はいつもある、
if only we’re brave enough to see it.
私たちにそれを見る勇気がありさえすれば。
If only we’re brave enough to be it.
私たち自身が光になる勇気がありさえすれば。

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シンガポールのブリティッシュ・クラブでのクリスマスの奇跡

2020-12-21 12:27:48 | 文学的な

2019年の12月15日、シンガポールのブキティマの山の上にあるブリティッシュ・クラブで、英国の俳優のクライヴ・フランシス氏 (Clive Francis)の「クリスマス・キャロル」のパフォーマンスが行われました。今から一年前のことです。チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」を一人で朗読というか、一人芝居で演じたのですが、それは、それは、素晴らしい公演でした。



クライヴ・フランシス氏は、1946年6月26日生まれの英国の俳優。スタンレイ・キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」や、テレビシリーズの「ザ・クラウン」など数々の作品に出演しています。最近の「オフィシャル・シークレット」という映画にも出ていましたね。

私は、大学の授業で英文学を専攻しており、授業でもディケンズの「ドンビー&ザ・サン」という分厚い小説を研究していたことがありました。「オリバー・ツイスト」とか、「大いなる遺産」は小説も映画も見ており、「クリスマス・キャロル」は、ミュージカル映画で見ておりました。トレーラーはこちらです。タイトルが”Scrooge”になっています。



2018年に『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』という映画が封切られましたが、これは、チャールズ・ディケンズが「クリスマス・キャロル」を書くに至るまでのストーリーです。飛行機に乗った時たまたまやっていたので見ました。こちらがそのトレーラーです。



ブリティッシュ・クラブでの公演に妻と行くことになったのですが、妻にストーリーを解説するために用意したのがこちらのチョークアートです。





ここまで本格的に仕上げる必要もなかったのですが。描いているうちに、どんどん緻密になっていってしまいました。

「クリスマス・キャロル」の英語の本には、ジョン・リーチ(John Leech)という19世紀の挿絵画家の挿絵がついているのですが、これがとても素晴らしいので、ご紹介しておきます。





19世紀のディケンズの時代にとても合っている感じで素敵です。

シンガポールのブリティッシュ・クラブという場所は全く知らなかったのですが、この時初めて行きました。ブキティマの山(と言ってもそんなに標高が高いわけではないですが)の上にあります。タクシーで行ったのですが、山道をくねくねと登っていったところにありました。説明してもなかなか伝わらないと思いますが、たまたまブリティシュ・クラブの動画がありましたので、こちらに添付しておきます。



公演が行われたのは、数十人の小さな会場ですが、日本人らしき姿はほとんど見かけませんでした。シンプルなステージなのですが、台詞だけで、登場人物を語りわけ、臨場感たっぷり。とにかく素晴らしかったです。偶然シンガポールでこのような機会に出会えたことを感謝したくなりました。私たちにとって素晴らしいクリスマスプレゼントとなりました。

公演が終わって、レストランで、妻とフィッシュ&チップスやシェパーズパイなどの英国料理を食べていたら、何と、クライヴ・フランシス氏本人が、関係者と一緒にレストランに入ってきたではありませんか。私たちのテーブルの横を通り、空いているテーブルを探していたようです。この千載一遇のチャンスを逃してはいけないと思い、勇気を出して、立ち上がり、鼓動が高鳴る中、彼に話かけたのです。「ミ、ミスターフランシス、今日の公演、とても素晴らしかったです。私たちは日本から来ました」というようなことを伝えました。クライヴ氏はとても喜んで、一緒に写真を撮ってくれました。



パンデミックになる前の奇跡的な出来事でした。とても素敵な思い出です。私は学生時代にシェイクスピア劇を原語で演じていたので、舞台俳優としてのキャリアも長いクライヴ・フランシス氏と握手した時は、昔が蘇って、感極まるものがありました。

たまたまネットを検索していたら、今年の5月、クライヴ・フランシス氏が一つの動画をアップしているのを見つけました。”Humour is Man’s Best Friend!”(ユーモアは人間にとって親友)というものです。登場するや、戦時中のアメリカの詩人のエピソードを語っています。強制収容所に閉じ込められ、無事に生存できるかどうかがわからない状況の中(今のパンデミックの時代と共通の状況かもしれません)で、仲間たちと何が最も大事かという話をします。ある人は「規律」が最も大事だと言います。しかしその詩人は、答えます。「いや、我々にとって一番の武器は、ユーモアだ。それは防具でもあり、サバイバルキットでもある」。その後、クライヴ氏はいくつかのエピソードをユーモアを交えて語るのですが、微妙なユーモアです。内容はあまりよくわからないのですが、語り口はさすが俳優ですね。こちらがその動画です。



あれから一年、世の中はすっかり変わってしまいました。今年のクリスマスは多くの国で、今までと違うクリスマスとなっています。どんな状況であれ、感染に気をつけて、クリスマスを楽しんでいただければと思います。

MERRY CHRISTMAS!

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満月と新型コロナとテレサテン

2020-05-08 15:09:31 | 文学的な

昨日は、満月、フラワー・ムーンでしたが、こちらの写真は、実際の月ではなく、昨年、シンガポールのアート&サイエンスミュージアムで展示されていた巨大な月のインスタレーションで、ルーク・ジェラム(Luke Jerram, 1974 - )という英国のアーティストの”Museum of the Moon” という作品です。

数年前、このブログで、月にまつわるつきない話 (2013年9月21日)というタイトルで書いたのですが、満月で思い出すのは、「但願人長久」(タンイェンレンチャンジュウ)という曲です。最初に歌ったのは、アジアの歌姫、テレサ・テン(1953 – 1995)でした。こちらがその動画です。



月を見ながら遠く離れた相手に思いを馳せるという内容の歌です。歌詞は宋代の詩人の蘇軾 (そしょく、1036 - 1101)の詩をそのまま使っています。日本では平安時代ですね。

この歌詞を、大雑把に現代語にしてみると、こんな感じになります。かなり意訳していますが。

「酒で酔ったついでに聞くんだが、いつから名月がそこにあるの?天上の宮殿では、今夜の暦さえわからない。そろそろ風に乗って絢爛豪華な宮殿に帰ろうと思うんだけど、あそこは高いところにあって、寒くて嫌だなあ。自分が踊れば月影も踊る、こんな楽しみは人間界でしかできないよね。月の明かりは楼閣をめぐり、窓から部屋の中まで侵入してくるので、私は眠れない。お月さんよ、あんたに恨み言を言うつもりはないけど、どうして離れ離れになって淋しい時に限って満月なの?月が晴れたり曇ったり、満ちたり欠けたりするように、人には喜びや悲しみ、出会いや別れがある。こういうことは昔から、思い通りにならないよね。ただ願わくは、遠く離れているあなた、ずっとずっと元気で、そして地球のどこにいてもこの美しい月をともにに眺めることができますように」


もともとは遠く離れた弟を思う気持ちだったようですが、私にとっては、新型コロナの渡航規制のため会えなくなってしまった私の妻への思いでした。

私はシンガポールに住んでいて、妻は東京にいます。シンガポールも日本もともに渡航規制・入国規制をしていて、それまでのように、自由な行き来ができなくなってしまいました。夫婦の会話はリモートで、WhatsAppを使ってやっています。ソーシャル・ディスタンスを3260マイルくらい取っているリモート夫婦なのです。

月というのは、物理的な存在物の中で、地球上で遠く離れた私たちがリアルタイムに共有できる最も身近な存在です。太陽や星は遠く離れ過ぎていますが、月はリアルな物体として認識できますね。

考えてみれば、「但願人長久」と言うタイトル、新型コロナの時代にはまさにぴったりのメッセージですね。「ただ願う、みんないつまでも健康で、元気で」と言う意味ですが、物理的に会うことができなかったり、感染のリスクがあちこちにある状態の中で、一番大切なのは、病気にかからないで、健康を維持すること。命さえあれば、何とかなる。

たまたま昨日の満月がきっかけでこの歌を思い出しましたが、皆様の健康を心よりお祈り申し上げております。次の満月も、その次も、ずーっと次の満月も、一緒に見られるように。
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紅白で聴いた美輪明宏の「ヨイトマケの唄」

2013-01-02 00:00:29 | 文学的な
去年の紅白の美輪明宏、すごかったですね。
レコチョクが「紅白歌合戦で、白組で最も
印象に残ったアーティストは誰?」という
アンケートで、現在までのところ美輪明宏
が43%でダントツの一位。ちなみに二位は
17%のゴールデンボンバー、三位は11%の
嵐です。紅組は、白組の半数くらいしか
回答がないのですが、一位は28%を集めて
いるももいろクローバーZ、二位は15%の
プリンセスプリンセス、三位は12%の
いきものがかりという順位でした。

ウェブの話題を見ても、美輪明宏の話題が
いっぱいです。土方という言葉などの差別
表現(?)で民放では長年放映が禁じられ
ていたこの「ヨイトマケの唄」。若い人は
初めて聴く人が多かったんでしょうね。

他の歌手たちは、プロの歌手とはこういう
もんだというのをこれで思い知ったのでは
ないかと思います。

実は、美輪明宏の「ヨイトマケの唄」何年
か前にテレビで放送されたのを見て、感動
し、買ったのがこの上の写真のCD。愛の
讃歌も入っているし、ヨイトマケの唄も
入っています。美輪明宏はすごい歌手だっ
たんですね。以前、テレビで「愛の讃歌」
も歌っていましたが、それも素晴らしかっ
たです。

こちらは当時のレコードの写真。

こんな青年だったんですね。

紅白の時の動画がYouTubeにアップされて
いましたが、何時間かで削除されていました。
でもまだアップされていますのがあります
ので、こちらに共有しておきます。

一日たらずの間に9万6千人以上の人が見て
いる動画ですが、はたしてNHKがこれをいつ
まで放任してくれるのかが気になるところ
です。

と書いたのですが、1月4日、とうとう動画
が削除されてしまいました。ちょっと残念です。
でもどうしても見たいという人がいると思い
ますので、こっそりこちらのリンクをご紹介
しておきたいと思います。
美輪明宏「ヨイトマケの唄」
これもいつ削除されるかわかりませんが。

こちらもよろしくお願いいたします

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