稲中卓球部の古谷実の「ヒメアノール」の映画化。
彼の漫画はリアリティーあって好きなんですよ。
大きいストーリーは主人公カップルと、つきまとう殺人狂の話なんですが、何がリアルって、その主人公と殺人狂がほとんど最後まで絡まない。
お互いの周りの人間関係は丹念に描いているのですが、本人同士はあまりコンタクトしないままにエンド。
もちろんお互いの友人、知人同士は一切絡まない。
現実と非現実がからみそうで最後まで(直接に)絡まない。
もし絡めば、最近起きたアイドル事件みたいになるだろし、狙われてる本人自身何も知らないまま(偶然とか警察とか第三者の手がかかって)未然になってるケースって沢山あるのでしょうね。
物語的には成立しそうもないストーリーを、画力とシナリオで押し切ってしまうのは古谷実の凄いとこだ。
漫画しかできない強味です!
しかし映画になると今回もラストは映画的に変えられてアクションシーンもありましたし、最後は非現実の殺人狂から現実の人間に戻ったような場面も。
(原作はずっと救いようない狂人のまま)
これは仕方ないかな。
彼の代表作の「ヒミズ」もラストは変えられていたし(奇才の園子温でも難しいと言う事でしょ)
森田剛の演技がなにかと話題になってるようですが、確かに凄い!
もう一回観る価値ある演技でした(彼のインタビューの為だけでパンフレット買いましたからねー)