Kスタイルのメンバーはどちらかと言うと「コツコツ」努力するタイプが多いように思います・・・と言う僕自身も「コツコツ」タイプと思うのですが
> ■一流選手が常に「まだ課題がある」と口にする理由
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> 面談をしていて、
> 「私はコツコツ努力するタイプです」と言う人を、私は信用しない。
> その言葉を聞いたとたん、「コイツはダメだな」と思ってしまう。
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> むろん、コツコツ努力するのは、
> まったく努力しないよりははるかにいい。
> しかし、コツコツ努力する人が大きく成長することはないし、
> 一流の人間になることもない。
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> 一方、一流のスポーツ選手の言葉を聞いていると、
> ある共通項の存在に気づく。
> 「まだまだ努力が足りない」
> 「まだまだたくさんの課題がある」というように、
> 一流になればなるほど、自分はまだ目標に到達できていないと、
> 謙虚というより自然に口にする。
> しかし彼らは、コツコツ努力するとは決して言わない。
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> これは、脳の仕組みから考えると、とてもよく理解できることだ。
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> 脳には自己保存本能がある。
> 文字通り「自分を守りたい」という本能だ。
> より根源的な脳の3つの本能、
> すなわち「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」のうち、
> 「生きたい」という本能から派生してくる、
> 第二の本能である。
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> コツコツ努力するとは、
> 一歩一歩着実に努力しようということであり、
> この言葉の背後には、
> 「失敗しないよう慎重に事を運ぼう」という意識が隠れている。
> 失敗すると自己保存が危うくなる。
> だから失敗しないように、コツコツやろうというわけだ。
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> 自己保存本能は人間にとって大切なものだが、
> 「失敗するかもしれない」という否定語は、
> この自己保存本能に過剰反応を起こさせて、
> 脳の働きにブレーキをかけてしまう。
> それゆえ、コツコツやるという人は、
> 自分が現在持っている以上の力を発揮することが難しいのである。
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> 反対に、とても到達できそうにない目的に向かって
> 一気にかけ上がろうと考えると、
> 脳は信じられないほど高いパフォーマンスを示してくれる。
> つまり、実際は長距離走の場合でも、
> 短距離走のつもりで全力疾走を繰り返すことで、
> あるところから人間の能力はぐーっと伸びてくる。
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> そして一気、一気でダッシュを繰り返して、ふと気付くと、
> 到底超えられそうもなかった壁を突破しているものなのだ。
> そんな人のことを世間は、異様な集中力を持った人と呼ぶ。
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> 一流のスポーツ選手がみな謙虚な言葉を口にするのは、
> 無意識のうちにこの脳の仕組みを知っているからだろう。
> 彼らは、簡単に手の届く目標に向かってコツコツと努力などしない。
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> 常に、高い目標を掲げて、
> 目の前の事に全力投球しているからこそ、
> 「まだ足りない」と口にするのだ。
> 彼らは決して、謙虚な性格の持ち主ではないのである。
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> 北島選手へのアドバイスで難しかったのは、
> ブレンダン・ハンセン選手の存在についてだった。
> ハンセンは当時、100メートル平泳ぎの世界記録保持者であり、
> 北島の最大のライバルだった。
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> これはスポーツだけでなく、あらゆるジャンルに言えることだが、
> 人間は結果を求めると、
> 持てる能力を十分に発揮することができなくなる。
> スポーツで言えば、「敵に勝とう」と思った瞬間、
> 能力にブレーキがかかってしまう。
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> なぜかと言えば、
> これは脳の持つ根源的な本能に反することだからだ。
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> ■ライバルは自分を高めるためのツールと思え
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> 先ほど述べたように、
> 脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という
> 3つの根源的な本能がある。
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> この3つの本能に逆らうことをやると、
> 脳のパフォーマンスは急激に落ちる。
> そして「敵に勝つ」は、
> 「仲間になりたい」という本能に真っ向から逆らう考え方なのだ。
> 地球の歴史の中で多くの生物が絶滅していったが、
> 絶滅した生物の共通点は、
> 周囲にいる仲間とうまくやっていけなかったことである。
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> では、ハンセンのことをどのように認識すれば、
> 北島は脳のパフォーマンスを最大限に高めることができるのか。
> 私は北島を含めて全員に、こうアドバイスした。
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> 「ハンセンをライバルだと思っちゃいけない。
> 自分を高めるためのツールだと思いなさい。
> そして、最後の10メートルをKゾーン(北島ゾーン)と名づけて、
> 水と仲間になり、ぶっちぎりの、
> 感動的な泳ぎを見せる舞台だと思いなさい」
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> つまり、ハンセンとも水とも「仲間になれ」とアドバイスしたのだ。
> これなら、脳の本能に反することはない。
> 結果はご存じの通り、北島は見事金メダルを獲得し、
> ハンセンは4位に沈んだのである。
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> 結果を求めるあまり能力を発揮できない愚を避けるには、
> 目標達成の「仕方」にこだわるのがいい。
> 勝負に懸けるのではなく、達成の仕方に勝負を懸けるのだ。
> そして、損得抜きの全力投球をする。
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> 結果を求めず、達成の仕方に全力投球するとき、
> 人間は信じられない集中力を発揮する。
> ポイントは、「損得勘定抜きに」だ。
> 損得勘定とは、実は、結果を求める気持ちにほかならないからである。
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> ●point 1:ゴールを決めない
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> ●point 2:コツコツやらない
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> ●point 3:結果を求めない
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> 林 成之氏 日本大学総合科学研究科教授
> プレジデントより抜粋
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