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『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬

2022-06-23 10:57:17 | 日記
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬

本屋大賞受賞のあたりから、本屋さんで目立ってますね。
平積みになっているし、
タイトルと表紙が扇情的というか
気になりますよね〜。
帯も派手だし、出版社の「売るぜ!」という気合いを感じる笑

第二次大戦後期の独ソ戦の史実を舞台に、
寒村出身の少女狙撃兵の物語を描いた小説です。

主人公セラフィマはドイツ軍に村を殲滅され、
女性狙撃兵養成所に入り、赤軍に従軍します。

ウクライナのコサック出身の少女がいたり、
カザフ人で山岳地帯の猟師出身の少女がいたり。
ソ連の大国ゆえの「国民とは?」の出自を抱えている。

物語としては、平凡な村民だったセラフィマが
狙撃兵として80以上のスコア(殺した敵の数)を達成しつつ
その向こう側、言うなれば戦後、どう生きれば良いのだろう、と。

帰着するところに大義はないかな。
ひとりの人間のお話しですね。
その答えもまた、どうかな、と思いますが
独ソ戦のソ連側の風景は、読んでおくと良いと思います。

全体的にはバランスよく佳作なのではと思います。
本屋大賞的な読みやすい小説でした。
コメント
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