思惟石

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『猫のお告げは樹の下で』ほっこり系連作短編

2022-06-20 18:57:59 | 日記
『猫のお告げは樹の下で』
青山美智子

ほっこり系人情短編集。
こういう連作短編集は一大ジャンルになりつつあるな。
なんか、これだ!というジャンル名は付いてないもんですかね?

こちらの小説は、
ちょっと凹んでいる人がいて。
神社でハチワレ猫の「ミクジ」に会うのが転機となって
ちょっと、気持ちや視界がクリアになる。というお話しです。

神社の神主さんは姿を見たことがない「ミクジ」。
迷える人が来ると、猫はタラヨウの木の周りをぐるぐる回ってトン、
葉っぱが一枚落ちてくる。
葉っぱには単語がひとつ書いてあり、
それがお告げというか、キーワードになる。

って、ちょっと、フォーマットが細かすぎぎません?
猫が人語を解するっぽいのは良いとして、
いちいち木の周りをちびくろさんぼバリに回ってトン、って。
猫に背負わすには格式張りすぎではなかろうか。
そして猫は笑わない。笑うのは犬だ。
(猫の挙動には煩いのである)

まあいいけど。

登場人物はみんな、疲れて凹んでいるけれど、
本質的には良い人というか、自分のなかに救いのヒントを持っている。
なので、読んでいてこちらまで凹むこともない。
むしろ読後感は良い短編集です。
元気をもらえると思います。

とはいえ、
60代のおじいちゃんの一人称が「ワシ」なのはどうかと思う。
コメント
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