思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』広く読まれるべき!

2022-06-02 14:11:41 | 日記
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』
丸山正樹

タイトル通り、手話通訳士のお話しです。
あまり目にしない職業設定なので
結構、興味津々で読みました。

これは良い小説。
広く読まれた方が良いと思う!

と思ったけど、すでに結構な刷を重ねていた。

作者の第一作で初版数も少なかったみたいですが
読書メーターで話題になって、ガーっと売れたそうです。
良い話だ!

主人公は、両親も兄も耳が聞こえない家庭で、
自分だけ聞こえる存在「コーダ」として育つ。

現在は、仕事も結婚も失敗した40代半ばのオジサンですが。
生活のため、封印していた手話をつかった仕事
手話通訳士になるところから物語が始まります。

子供の頃から家族の「通訳係」なのが嫌だったという荒井ですが、
通訳士の仕事を始めることでろう者との関わりが復活。
ろう者が関係した過去の事件にも最接近することに…。

という話。
ミステリ部分は純目な感じですが、
それでもぜんぜん楽しめる読みやすさ。

とはいえ、恋人の連れ子を
接見禁止が出ている元夫に勝手に会わせちゃダメだぞ、荒井!
違う事件が発生しちゃうぞ!
わたしが恋人だったら、お前とはおしまいだぞ荒井!!!
というツッコミどころもあったけど。

手話にも、文法構造が違う「日本手話」と「日本語対応手話」があるなど
知らない事実が多く、大変勉強になりました。
「聴こえない」けれど弁護士にまでなった片貝さんの鬱屈、
家族でひとりだけ「聴こえる」主人公の鬱屈、
それぞれが印象的。
シリーズ続編があるみたいなので、読まねばな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする