敦賀延伸 北陸新幹線の功罪
2024.3.16
本日、北陸新幹線が敦賀まで延伸され、東京では大いに盛り上がりを見せている。
その一方で、冷ややかに見ているのが関西だ。その原因はサンダーバードの運行が敦賀止まりになったため。
結果、何が起こっているかというと、関西人が北陸観光に行くのに従来に比べて
(1)より多くの時間がかかる可能性がある
(2)より多くの金が必要となった
(3)乗り換えの手間を強いられ、快適な旅が出来なくなった
と言った犠牲を強いられるからだ。
(1,2)に関しては、例えば大阪ー福井間でわずか3分の短縮に1150円も多く支払わなければならなくなった。
大阪ー金沢間では22分の短縮に1620円の追加負担が必要となった。
短縮が可能かどうかは不明、というのも敦賀の乗り換え時間が不透明だからだ。荷物を持った高齢者がJRが予想する時間で移動できるかどうか、健常者が誰もいない駅で試走したら3分強かかったようだから、多くの旅行者が移動する駅で荷物を持った高齢者が何分で移動できるか、いささか不透明なのだ。
(3)に関しては、快適な旅行の提供を目指すべき鉄道会社が、従来大阪ー金沢2時間半ほどをゆっくり駅弁や車窓の景色、睡眠等で過ごせた旅を妨げるのだから関西人が起こるのも無理のないこと。
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従来、北陸の観光はその4~5割を関西人が担ってきた。私自身も昨年は7月に福井一乗谷と三国温泉、10月にはサンダーバードを利用して金沢観光と石川県羽咋でゴルフの2泊3日の旅をしてきた。私のような怒れる関西人が今後も従来と同様の行動をとるかどうかわからないが、今後は首都圏の人間にその責を担ってもらおう。地方から様々なものを吸い上げてきた東京が、地方にそれ以上のものを提供できているのか、大いに注視していきたい。
山陰地方にも豊富な有名な温泉、グルメがある。今後は、そちらの方に足を向ける関西人も多いだろう。
田中角栄の頃の国土構造と現在の国土構造は大きく異なっている。新幹線の整備は地方から多くの若者を東京に吸い上げ、自由ヶ丘だ、下北沢だと超東京ローカルなことに注目している間に、過疎化一方の地方には人がいなくなり、竹島や尖閣が他国に狙われている現在、東京直結型の新幹線が果たしてきた、そしてこれからも果たす功罪は大きい。
何より腹立たしいのは、JG西日本の経営陣の無能さである。東京で物事を考えるとこうなる典型がこの現在の事態を招いた。
東京が日本を滅ぼす日も遠からじ。