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古代遺跡都市エフェス(エフェソス) -エーゲ海沿岸③- 98.08.20
今回の紹介はイズミールの南76kmのエフェス
イズミールの南76kmにエーゲ海最大の古代遺跡都市エフェス(ギリシャ語でエフェソス)がある。
紀元前11世紀にギリシャから移住してきたイオニア人が「アルテミス神殿」を中心に都市を建設。イオニア12都市として繁栄したが紀元前356年放火により神殿を消失。港湾都市として栄えたが土砂堆積やマラリアの発生等で衰退しかけ、ペルガモン王リシマコスがコレソス山とピオン山の間に新都市建設を行った。
紀元前2世紀には共和制ローマ支配となり、アジア属州の首府となった。アントニウスとクレオパトラも当地に滞在したことが記録されている。
古代七不思議の一つ「アルテミス神殿」の遺跡
つい最近、クレオパトラの妹アルシノエの墓と骨がこのエフェス古代遺跡の街の真ん中で見つかったようだ。クレオパトラと王位継承を争ったアルシノエは、エジプトからここアルテミス神殿に幽閉されていたようで、この発見はクレオパトラ解明にも大いに参考となるようだ。
セルチュクの街に近い現在のアルテミス神殿跡はローマ時代に再建されたもの。正面55m,奥115m,高さ19mの大理石の円柱127本を使用した巨大な神殿。「古代7不思議の一つ」とされる。
それでは、「エフェス都市遺跡群」の主要遺跡を見て行こう。
ドミティアヌス神殿の遺構(2階建て石柱)
まず、2階建ての石柱を持つ皇帝ドミティアヌスを祭る50×100mの神殿跡。皇帝は暗殺され家臣達によって神殿は取り壊され土台部分のみ残っている。
ヘラクレス門からケルスス図書館までのなだらかな石畳のメインストリートがクレテス通り。両側には様々な施設の遺跡が続いている。
その一つがトラヤヌスの泉。102~104年に建造され皇帝トラヤヌスに捧げられたもの。
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(左)石畳のメイストリート「クレテス通り」 (右)トラヤヌスの泉
2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスに捧げられたハドリアヌス神殿は装飾が美しく、手前アーチ中央は女神ティケ、奥の門にはメドゥーサ、その左右の小壁にはエフェスの起源伝説が描かれている。遺跡見学の入場券に取り上げられている。
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(左)遺跡チケット表面にハドリアヌス神殿が採用 (右)装飾美で他の群を抜く神殿
2000年前の公衆トイレは、れっきとした水洗トイレ。腰を下ろして休憩するには最適である。ポンペイにもあったが娼婦の館がここにもある。いずれの時代・場所を問わずこの手の商売と施設は必要なようだ。
(左)2000年前のれっきとした水洗トイレ (右)ポンペイでも見たが娼館への道標
クレステ通りの突き当りにある見事な2階建てのファサードが、ケルスス図書館。ローマ帝国のアジア州執政官ケルススの息子が、父の墓室の上に建造したもの。正面に「知恵」「運命」「学問」「美徳」を象徴する女性像が置かれている。構造は下部がコンポジット式(コリント+イオニア式)の柱頭、上部がコリント式柱頭の大理石円柱。1万2千巻の書物が所蔵されていたようだ。
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(左)圧倒的迫力のケルスス図書館の遺構 (右)細部に至る細やかな彫刻が2000年の時空を超えて・・・
ここからマーブル通りを大劇場に向かって歩くと、先ほどの娼婦の館の道標が路面にある。
大劇場はヘレニズム時代に建造、ローマ時代に拡張され、直径154m、高さ38m、収容人員24000人の半円形大劇場である。
24000人収容の大劇場
劇場の先は、アルカディアン通り。港と大劇場を結ぶ幅11m、長さ500mの大理石道路で、往時は両側にお店が並び、夜は街灯も灯されていたという。
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アルカディアン通り、(左)往時は港に直結した通りで港方向 (右)大劇場方向
ここでオリンポスの神々(ギリシャ12神)を紹介しよう。人間味臭い神々である。
オリンポスの12神(Wikipediaより)
ゼウス :ラテン語ジュピター。天空の支配者。浮気っぽい。ベルガモンの「ゼウス大祭壇」
ヘラ :ゼウスの姉で正妻。結婚の神様。
アテナ :ゼウスの頭から生まれた女神。知恵と正義の神様。
アポロン :ゼウスの子。光明、医療、芸術、予言の能力を持つ太陽神。
アルテミス :ラテン名ディアナ。アポロンと双生児。狩猟を司る月の神様。エフェ(ソ)スの「アルテミス神殿」
アフロディーテ :ラテン名ヴィーナス。愛と美の神様。エロスは彼女の息子。
ヘパイストス :ゼウスの子。鍛冶の神様。
アレス :ラテン名マルス。軍神。
ヘルメス :商業の神様。
ポセイドン :海と地震と馬の神様。
ディオニュソス :別名バッカス。ゼウスの子。葡萄酒の豊饒をあらわす神様。
デーメーテール :大地母神。
さあ!エフェス古代遺跡群見物の後は、聖母マリアの家に寄って、パムッカレの世界遺産に、楽しみだ!
古代遺跡都市エフェス(エフェソス) -エーゲ海沿岸③- 98.08.20
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イズミールの南76kmにエーゲ海最大の古代遺跡都市エフェス(ギリシャ語でエフェソス)がある。
紀元前11世紀にギリシャから移住してきたイオニア人が「アルテミス神殿」を中心に都市を建設。イオニア12都市として繁栄したが紀元前356年放火により神殿を消失。港湾都市として栄えたが土砂堆積やマラリアの発生等で衰退しかけ、ペルガモン王リシマコスがコレソス山とピオン山の間に新都市建設を行った。
紀元前2世紀には共和制ローマ支配となり、アジア属州の首府となった。アントニウスとクレオパトラも当地に滞在したことが記録されている。
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つい最近、クレオパトラの妹アルシノエの墓と骨がこのエフェス古代遺跡の街の真ん中で見つかったようだ。クレオパトラと王位継承を争ったアルシノエは、エジプトからここアルテミス神殿に幽閉されていたようで、この発見はクレオパトラ解明にも大いに参考となるようだ。
セルチュクの街に近い現在のアルテミス神殿跡はローマ時代に再建されたもの。正面55m,奥115m,高さ19mの大理石の円柱127本を使用した巨大な神殿。「古代7不思議の一つ」とされる。
それでは、「エフェス都市遺跡群」の主要遺跡を見て行こう。
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まず、2階建ての石柱を持つ皇帝ドミティアヌスを祭る50×100mの神殿跡。皇帝は暗殺され家臣達によって神殿は取り壊され土台部分のみ残っている。
ヘラクレス門からケルスス図書館までのなだらかな石畳のメインストリートがクレテス通り。両側には様々な施設の遺跡が続いている。
その一つがトラヤヌスの泉。102~104年に建造され皇帝トラヤヌスに捧げられたもの。
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(左)石畳のメイストリート「クレテス通り」 (右)トラヤヌスの泉
2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスに捧げられたハドリアヌス神殿は装飾が美しく、手前アーチ中央は女神ティケ、奥の門にはメドゥーサ、その左右の小壁にはエフェスの起源伝説が描かれている。遺跡見学の入場券に取り上げられている。
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(左)遺跡チケット表面にハドリアヌス神殿が採用 (右)装飾美で他の群を抜く神殿
2000年前の公衆トイレは、れっきとした水洗トイレ。腰を下ろして休憩するには最適である。ポンペイにもあったが娼婦の館がここにもある。いずれの時代・場所を問わずこの手の商売と施設は必要なようだ。
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(左)2000年前のれっきとした水洗トイレ (右)ポンペイでも見たが娼館への道標
クレステ通りの突き当りにある見事な2階建てのファサードが、ケルスス図書館。ローマ帝国のアジア州執政官ケルススの息子が、父の墓室の上に建造したもの。正面に「知恵」「運命」「学問」「美徳」を象徴する女性像が置かれている。構造は下部がコンポジット式(コリント+イオニア式)の柱頭、上部がコリント式柱頭の大理石円柱。1万2千巻の書物が所蔵されていたようだ。
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(左)圧倒的迫力のケルスス図書館の遺構 (右)細部に至る細やかな彫刻が2000年の時空を超えて・・・
ここからマーブル通りを大劇場に向かって歩くと、先ほどの娼婦の館の道標が路面にある。
大劇場はヘレニズム時代に建造、ローマ時代に拡張され、直径154m、高さ38m、収容人員24000人の半円形大劇場である。
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劇場の先は、アルカディアン通り。港と大劇場を結ぶ幅11m、長さ500mの大理石道路で、往時は両側にお店が並び、夜は街灯も灯されていたという。
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アルカディアン通り、(左)往時は港に直結した通りで港方向 (右)大劇場方向
ここでオリンポスの神々(ギリシャ12神)を紹介しよう。人間味臭い神々である。
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ゼウス :ラテン語ジュピター。天空の支配者。浮気っぽい。ベルガモンの「ゼウス大祭壇」
ヘラ :ゼウスの姉で正妻。結婚の神様。
アテナ :ゼウスの頭から生まれた女神。知恵と正義の神様。
アポロン :ゼウスの子。光明、医療、芸術、予言の能力を持つ太陽神。
アルテミス :ラテン名ディアナ。アポロンと双生児。狩猟を司る月の神様。エフェ(ソ)スの「アルテミス神殿」
アフロディーテ :ラテン名ヴィーナス。愛と美の神様。エロスは彼女の息子。
ヘパイストス :ゼウスの子。鍛冶の神様。
アレス :ラテン名マルス。軍神。
ヘルメス :商業の神様。
ポセイドン :海と地震と馬の神様。
ディオニュソス :別名バッカス。ゼウスの子。葡萄酒の豊饒をあらわす神様。
デーメーテール :大地母神。
さあ!エフェス古代遺跡群見物の後は、聖母マリアの家に寄って、パムッカレの世界遺産に、楽しみだ!