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旅行記、世相独言

八重山諸島の旅 その4 イリオモテヤマネコと水牛たち (西表島&由布島)

2014年12月25日 17時53分13秒 | 異文化体験_日本
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イリオモテヤマネコと水牛たち (西表島&由布島)  2014.11.20-11.23

   ← 西表島

 ネコ目(食肉目)ネコ科ベンガルヤマネコ属に分類され西表島にのみ生息する「イリオモテヤマネコ」は、現在「Critically endangered(絶滅危惧IA類)」に分類されている。
 体長50cm前後で夜行性。現在の推定生息数はおよそ100。島のおよそ200m以下の低地林に生息し、高地を生活圏としないため、毎年4,5匹が交通事故で死んでいるという。このため、西表野生生物保護センター(http://iwcc.a.la9.jp/)から目撃情報が発せられるとともに、生息域を走る道路には道路標識や道路面に凹凸をつけて音で知らせたり、最近ではイリオモテヤマネコのための専用トンネルを造って道路下横断出来るようにしたりして、個体数の維持に注力されている。

          
(左)車窓から見た道路の下を貫通するトンネルの出入り口          (右)大きな注意喚起の道路標識 

 また、不幸にして事故を起こした場合は、西表野生生物保護センターに連絡して適切な処置を行う仕組みになっているとのこと。、 
 昼食場所の「西表島ジャングルホテルバイヌマヤ」には、プロが撮影したイリオモテヤマネコの写真が展示されているので、いくつか写真を撮影させてもらった。

    
(左・中)「西表島ジャングルホテルバイヌマヤ」で展示されていたイリオモテヤマネコ                 (右)我々の乗ったバス車体にも


 西表島の東海岸沖合400mほどの所に水牛車で渡る「由布島」(地図参照)がある。

          
(左)西表島→由布島へ約400m 15分                 (右)小次郎君が引く、ゆっくりと三線ものどかに

 この間を水牛車が観光客を運んでいる。引き潮の時間帯は水深数十cm、満潮時にはそれでも水深1mと遠浅の海だ。というのも、由布島は西表島の与那良川からの流出砂で出来た島だそうな。
 水牛車は、引く水牛の老若男女によって運ぶ人間の定員が異なる。我々が乗った水牛車の水牛はまだ若い男の子で「小次郎君」、馬力、いや牛力がある。しかし、一輪車なので乗客の左右・前後のバランスはしっかり確保しないといけないようだ。我々の水牛車の御者は、まだ若い娘さんだが、水牛ごとに御者が選任されるほど、水牛は神経質は一面もあるという。

          
(左)引き潮時には車もゆっくりと渡ることが出来る            (右)平成18年4月生まれの小次郎君

 対岸の由布島までは、およそ15分程度でゆっくりと進む。途中、小次郎君の自然現象もあり、御者のお嬢さんの三線と歌もあり、のどかなものである。引き潮時には、何と車の渡っているが、しっかり洗車しないとすぐに錆がまわって大変だろう。一方、帰路の牛舎からこの浅瀬の海を早足で歩いて渡る人を見た。彼は満潮時でも歩いて渡るそうで、郵便配達職員だそうだ。

 面積わずか0.15㎢の由布島内には、水牛たちの水分補給の池、大五郎、花子を始祖とする水牛の碑、水牛家系図等のほか、植物園や蝶々園、さらにマンタとの遭遇確率が高い浜などがある。

          
(左)大五郎、花子を始祖とする「水牛の碑」                   (右)由布島の水牛たちの家系図

          
                (左・右)沖合でマンタとの遭遇率が高い由布島の浜(通称マンタの丘)

 帰路の水牛は、これまた「結君」という更に若い男の子であったが、西表→由布と由布→西表では該して前者が早く後者が遅いそうだ。なんとなれば、前者は食事が待っているからだという。丁度、西表に着いた時に浜で最長老の水牛と出会ったが、しっかり働く後期高齢者であった。

          
(左)由布島の水牛の池で休息中の水牛たち(子供の水牛もいる)  (右)現役最長老の水牛、ご苦労様。

 この後、再び船で「石垣島」経由「小浜島」へ。今宵の宿舎の「はいむるぶし」へ。






八重山諸島の旅 その3 マングローブ林の散歩(西表島)

2014年12月20日 00時36分28秒 | 異文化体験_日本
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マングローブ林の散歩(西表島)  2014.11.20-11.23

      
(左)沖縄県の島々                             (右)西表島

 ツアー2日目、石垣島の離島旅客ターミナルから西表島までは船でおよそ40分。石垣港には海上保安庁の巡視船と思しき船が接岸中で、ここから尖閣諸島までは目と鼻の先。

      
(左)石垣港の埠頭に停泊中の巡視船                 (右)西表島 大原港     

 西表島の大原港に入港すると、すぐに仲間川のマングローブクルーズが始まる。仲間川の河口は大原港に隣接しており、クルーズ船は大原港から出る。

            
(左)仲間川マングローブ林のクルーズ船                (右)河口は広く100mはある。ジャングルに分け入る様だ。

  日本に植生するマングローブ林は、およそ600ヘクタール(1ヘクタール=100×100mの広さ)。その25%、約160ヘクタールが仲間川流域に生育しているとのこと。
 流域一帯のマングローブ林は「仲間川天然保護区域」として国の天然記念物に指定されている。仲間川は全長約14kmの川で、その河口から上流側およそ5kmくらいまでに「マングローブ林」、「サキシマスオウノキ群落」、「サガリバナ群落」等が見られようだ。

      
(左)海に一番近いところにあるのがヤマブシギのようです     (右)一番多く見られるオヒルギ

      
(左)上流に行くに従い多様な植物に出会う             (右)アダンという常緑の小高木 葉はパナマ帽、果実は食には不適

      
(左)流域の山中腹に群生するヤエヤマヤシ             (右)マングローブの花(赤い色) 

 そもそもマングローブとは、海水と淡水 が入り交じる汽水域に生育する植物群の総称で、ここ仲間川のマングローブ林には、「オヒルギ」、「メヒルギ」、「ヤエヤマヒルギ」、「ヒルギダマシ」、「ヒルギモドキ」、「マヤブシギ」の6種類が分布している。さらに、流域の山の中腹には「ヤエヤマヤシ」の群落も見ることが出来る。

     
(左)サキシマスオウノキの案内板        (中)サキシマスオウの見事な板根       (右)樹高は約20m カメラに全体が収まらない

 このツアーの最大の見どころが船がUターンする場所に見られる。日本最大の「サキシマスオウノキ」である。船を着ける場所からわずか数十メートルほど整備された道を歩くと、巨大な板状の根(板根、高さ4m)を張り巡らすサキシマスオウノキが視界に入ってくる。一瞬、何これ?とその奇形に驚かされるが、樹齢400年の2本のサキシマスオウノキがくっついて自生しており、「夫婦スオウ」と呼ばれている。

    
(左)仲間川とは異なる河川のマングローブ林      (中)広大な放牧地                        (右)放牧地に見る黒毛和牛

 クルーズを終えるとランチタイム。由布島の近くの「西表島ジャングルホテルバイヌマヤ」に車を走らせる。車窓には、仲間川とは異なる川の同じようなマングローブ林や、牧草地が次々と展開していく。牧草地に放牧されているのはいずれも黒毛和牛。これを松坂に持って行けば松坂牛、宮崎に持って行けば宮崎牛ということに。

八重山諸島の旅 その2 川平湾で水中散歩

2014年12月13日 17時57分31秒 | 異文化体験_日本
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川平湾で水中散歩   2014.11.20-11.22

  ←八重山諸島の観光名所

 新石垣空港から島の反対側の川平湾に向かう。
間もなく刈入れの始まるサトウキビ畑が延々と続く様は、ここがタイ・バンコク郊外と言われても信ずるような景色である。

 川平湾はミシュランガイドの三つ星観光地に選ばれたところだそうで、石垣島周辺は13年連続国内ベストダイビングスポットに選ばれており、特に、川平石崎ポイントはマンタとの遭遇率が圧倒的に高いとか。

        
            (左・右)ミシュランガイド三つ星観光地の「川平(かびら)湾」

 ここで、我々はマンタはともかく900円を支払って海中散歩にグラスボートに乗り込んだ。
かつて、新婚旅行先のグァムでグラスボートに1回、ハワイ・オアフ島で体験ダイビングを1回した程度の経験ではあるが、あまりきれいな海中景色に遭遇した記憶がなかった。
しかし、ここ石垣島川平湾での海中散歩は、ガイドが個々にお薦めスポットを持っており、きれいな珊瑚と様々な海の仲間たちを観賞する海中散歩が楽しめる。

        
(左)いろんな種類の魚が見れる                    (右)イソギンチャクと共生するクマノミ(ニモの愛称)

      
(左)先端が青いサンゴ礁               (中)大きなウミガメが近づいてきました      (右)猛毒を持つマダラウミヘビ

        
(左)浜辺からそんなに離れていない環礁の中でスポット探し  (右)大きなシャコガイ(珊瑚を溶かしながら大きくなるようです)    

 海中散歩の後は、レストランで早速沖縄そばの昼食。蕎麦でないのに唯一そばという名前が許されている沖縄そばだが、小生は好きだが女房殿はあまり好きではない代物。
 初日は、早めのホテル入りで、フサキ・リゾートビレッジにチェックイン。10月まではプール等も営業しているようだが、11月の下旬はオフシーズン。琉球赤瓦独立コテージのホテルで、フサキビーチにはエンジェルピアが突き出して、夕刻にはサンセット、夜には満天の星の観賞スポットになっている。

        
(左)琉球赤瓦のコテージが並ぶ「フサキリゾートビレッジ」      (右)我々の宿泊した156棟

      
                 (左・中・右)昼、日没、そして夜のエンジェルピア (夜の星空写真はホテルのカードです)

八重山諸島の旅 その1 南の島へ空中散歩

2014年12月05日 17時39分18秒 | 異文化体験_日本
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南の島へ空中散歩    2014.11.20-11.22

            
(左)沖縄諸島                              (右)参考:八重山諸島空中写真(左右の大きな島が(左)西表島(右)石垣島))

 2014年2月の宮古島へのゴルフ旅行に続き、今回は更に南の八重山諸島に夫婦での観光旅行である。

 関西国際空港を午前9時丁度に飛び立ったANA1747便は、およそ2時間弱で沖縄本島の西の海上を南下し、久米島上空、続いて2月に隈なくドライブした宮古島上空、さらにまあるい形の多良間島の上空を飛んで、石垣島に着陸する。関空からの飛行時間は2時間45分。

                 
(左)関西国際空港 午前9時南から北に離陸                  (右)大阪湾で大きく左旋回 紀伊水道友ヶ島が見える

            
(左)離陸後2時間弱で、進行方向左手に「沖縄本島」が見える        (右)形に特徴のある「久米島」

            
(左)2月にゴルフ旅行を楽しんだ「宮古島」 島々を結ぶ海中橋が美しい     (右)丸い形の「多良間島」

            
(左)2時間45分のフライトで「石垣島」に到着                (右)「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」       

 「サイパン」や「グァム島」、更には「台湾」や大陸対岸の「厦門」等に匹敵する飛行時間だ、いうことを今回初めて知る。
また、ここから「尖閣諸島」は目と鼻の先で、宮古列島にある3000m級の滑走路が、尖閣問題との関係で注目されている。
昨年開港したという新石垣島空港の愛称は、「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」。市街地からは少し遠くなったがきれいな空港だ。
 さあ、これから南の島を満喫するぞ!!!