「ナノ材料、国が安全評価へ 吸引で健康被害の懸念」http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY201202060163.htmlと朝日新聞で報道されていた。
記事では、「 ナノ材料は一般的に、直径が100ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の物質をいう。工業製品や化粧品、食品、医薬品などに使われている。」とある。
「炭素原子が筒状につながったカーボンナノチューブは、半導体や燃料電池などに、二酸化チタンやシリカは日焼け止めやファンデーションなどに使われている。」ということだから、身の回りにナノ製品があふれていることになる。
動物実験で有害の結果が出ても、禁止されないのは、動物実験で使った量は、人間に置き換えると通常の使用状態では考えられない量ということが前提としてあるのだろう。
果たしてそれでいいのだろうか。例えば日焼け止めやファウンデーションや銀入りの抗菌スプレーが乾燥してナノ材料が空気中に出たり、タイヤが減ってカーボンブラックが空中に出た場合、どのようになるのだろうか。
ナノ材料は小さい故に非常に軽い。ウイルスや微細粉塵同様、空気中に滞留しやすく、床に落下した物も、飛散しやすいのではないか。
特に抗菌スプレーは、はじめから空気中に放出されるので、乾燥して飛散する可能性も強い。少なくともナノ材料は、スギ花粉や黄砂とは比較にならぬほど小さいのだ。
このようなナノ材料は、サイズが小さい故に、容易に細胞の隙間(40~60nm)から体内に浸透しやすいであろうし、ナノ材料を使用した製品は、そのような性質を利用していると考えられる。
逆に、このようなナノ材料の長所である、体に浸透しやすいことや、空気を通じて呼吸器官に取り込まれたり、食品を通して体内に取り込まれやすいことに、注意が必要になるかもしれない。
つまり、ナノ材料は年月を経るに従い、環境に残るナノ物質は累積使用量に比例しては増える可能性もある。その分環境にも拡散しているはずである。例えば、火山の噴煙が上空に巻き上げられ地球上空に滞留して寒冷化をもたらしたりしているし、原爆やチェルノブイリの放射性の塵が、気流に乗って広範囲に拡散し地球を回ったりもしている。
このようなことを考えると、ナノ材料が滞留して空気等の環境に年々増加し、特に都市部等で空気中のナノ材料の濃度が増加することがないか、ナノ材料の拡散状況も、継続して調べておく必要があるのかもしれない。もし空気中に増加すれば、大気汚染として考えねばならない事態になる、といった可能性はないのだろうか。
しかし幸いにも、今のところ、例えば日焼け止めの使用量が多いと思われるオーストラリアで、肺腫瘍が増えたというニュースも入っていないので、問題ないのであろう。このような心配が杞憂であることを望みたい。
参考
リビングサイエンスアーカイブス
皮膚と化粧品~ナノ粒子の安全性と表示問題http://www.csij.org/archives/2007/02/post_175.html
皮膚病の主な病因生物の種類と大きさ比較よりhttp://www.e-skin.net/2ky/byougennkinn.htm
ダニ 2.5mm
人間の細胞 50μm
ブドウ球菌 0.9μm
マイコプラズマ 0.4μm
ヘルペスウイルス 100nm
細胞間の間隔 40~60nm
ナノとは長さの単位では、次の関係にある。(重さではkg mmg μg)
ナノ 1nm=1mの10の9乗分の一=0.000 000 001mのことだ。
マイクロ(ミクロン) 1μm=1mの10の6乗分の一=0.000 001m(百万分の一)
ミリ 1mm=1mの10の3乗分の一=0.001m(千分の一)
センチ 1cm= 1mの10の2乗分の一=0.01m(百分の一)
キロ 1km=1mの10の3乗 =1000m
ナノやμはSI接頭辞である。http://ja.wikipedia.org/wiki/SI%E6%8E%A5%E9%A0%AD%E8%BE%9E
単位の換算表http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%98%E4%BD%8D%E3%81%AE%E6%8F%9B%E7%AE%97%E4%B8%80%E8%A6%A7
記事では、「 ナノ材料は一般的に、直径が100ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の物質をいう。工業製品や化粧品、食品、医薬品などに使われている。」とある。
「炭素原子が筒状につながったカーボンナノチューブは、半導体や燃料電池などに、二酸化チタンやシリカは日焼け止めやファンデーションなどに使われている。」ということだから、身の回りにナノ製品があふれていることになる。
動物実験で有害の結果が出ても、禁止されないのは、動物実験で使った量は、人間に置き換えると通常の使用状態では考えられない量ということが前提としてあるのだろう。
果たしてそれでいいのだろうか。例えば日焼け止めやファウンデーションや銀入りの抗菌スプレーが乾燥してナノ材料が空気中に出たり、タイヤが減ってカーボンブラックが空中に出た場合、どのようになるのだろうか。
ナノ材料は小さい故に非常に軽い。ウイルスや微細粉塵同様、空気中に滞留しやすく、床に落下した物も、飛散しやすいのではないか。
特に抗菌スプレーは、はじめから空気中に放出されるので、乾燥して飛散する可能性も強い。少なくともナノ材料は、スギ花粉や黄砂とは比較にならぬほど小さいのだ。
このようなナノ材料は、サイズが小さい故に、容易に細胞の隙間(40~60nm)から体内に浸透しやすいであろうし、ナノ材料を使用した製品は、そのような性質を利用していると考えられる。
逆に、このようなナノ材料の長所である、体に浸透しやすいことや、空気を通じて呼吸器官に取り込まれたり、食品を通して体内に取り込まれやすいことに、注意が必要になるかもしれない。
つまり、ナノ材料は年月を経るに従い、環境に残るナノ物質は累積使用量に比例しては増える可能性もある。その分環境にも拡散しているはずである。例えば、火山の噴煙が上空に巻き上げられ地球上空に滞留して寒冷化をもたらしたりしているし、原爆やチェルノブイリの放射性の塵が、気流に乗って広範囲に拡散し地球を回ったりもしている。
このようなことを考えると、ナノ材料が滞留して空気等の環境に年々増加し、特に都市部等で空気中のナノ材料の濃度が増加することがないか、ナノ材料の拡散状況も、継続して調べておく必要があるのかもしれない。もし空気中に増加すれば、大気汚染として考えねばならない事態になる、といった可能性はないのだろうか。
しかし幸いにも、今のところ、例えば日焼け止めの使用量が多いと思われるオーストラリアで、肺腫瘍が増えたというニュースも入っていないので、問題ないのであろう。このような心配が杞憂であることを望みたい。
参考
リビングサイエンスアーカイブス
皮膚と化粧品~ナノ粒子の安全性と表示問題http://www.csij.org/archives/2007/02/post_175.html
皮膚病の主な病因生物の種類と大きさ比較よりhttp://www.e-skin.net/2ky/byougennkinn.htm
ダニ 2.5mm
人間の細胞 50μm
ブドウ球菌 0.9μm
マイコプラズマ 0.4μm
ヘルペスウイルス 100nm
細胞間の間隔 40~60nm
ナノとは長さの単位では、次の関係にある。(重さではkg mmg μg)
ナノ 1nm=1mの10の9乗分の一=0.000 000 001mのことだ。
マイクロ(ミクロン) 1μm=1mの10の6乗分の一=0.000 001m(百万分の一)
ミリ 1mm=1mの10の3乗分の一=0.001m(千分の一)
センチ 1cm= 1mの10の2乗分の一=0.01m(百分の一)
キロ 1km=1mの10の3乗 =1000m
ナノやμはSI接頭辞である。http://ja.wikipedia.org/wiki/SI%E6%8E%A5%E9%A0%AD%E8%BE%9E
単位の換算表http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%98%E4%BD%8D%E3%81%AE%E6%8F%9B%E7%AE%97%E4%B8%80%E8%A6%A7