人は、お風呂に入るときに自分なりの「入り方」といいましょうか、こだわりのようなものがあると思います。
それと同じように、看護師には患者さんの「お風呂の入れ方」に、こだわりとまではいいませんが、「その人なりのやり方」というものがあるような気がしています。
特に、機械浴(患者さんを寝たままでお風呂に入れることができるもの)のときには…。
よくあるのは、「垢を落とすこと」。
どういうことかといいますと…。
長い間、お風呂に入ることができなかった方が湯舟に入ったとき…。体を普通にこするだけで、消しゴムで消した時のカスのように垢がよれてきます。
こすっても、こすっても、垢がでてきて、「ちょっとでもきれいにしたーい!」と思い、意識的に?無意識的に?こすり続けてしまうのです。
湯舟に浮かんだ灰汁のような垢は、ちょっとした達成感を感じさせます。
垢をこすることに必死になって、湯舟につかったまま、患者さんを疲れさせちゃ、いけません。
はい。これは、肝に銘じております。はい。
意識のある方なら、久々にお風呂で垢を落とせると、「すっきりした」「軽くなった」と表現されることが多いですね。
さて。
私は、患者さんの機械浴のお手伝いをしているときにこだわっているのは…。
それは、『へそゴマ』。
緩和ケア病棟の患者さんは、患者さんが入りたくない!とおっしゃる時と、病状が許さない人以外は、どないなやり方でも☆お風呂に入れて差し上げているので、湯舟に垢が浮かぶことはあんまりありません。
それでも、盲点?なのが、へそごま。
よーくみると、へそに垢がたまっているんですね。
湯舟につかっている間に、綿棒でへそをこにょこにょ…と♪
でたーーーっ。へそごまの塊~~~。
なんか、釣りで魚が釣れた時のような喜び…。
でもね。
へそごまって、ごっつー、臭いんですよね。みなさんもご存知の通り。
昔、私は外科で勤務していた期間が長かったので、手術の前にいろんなかたのへそごまを取ってきました。ご高齢の方は、おへそを掃除するという習慣がない方が多かった。
腹部の手術の場合には、特におへその掃除は絶対に必要。
おへその掃除をする習慣がない高齢の方のへそごまときたら、巨大っ!
へそのくぼみを占拠して、明らかにごまが飛び出ている方もいました。
とるにも時間がかかる。
そんなときのへそごま掃除の様は、サザエを食べる時をご想像ください。
ぽろりと取れた、サザエのようなへそごまちゃん。
おお。お主は、50~60年はここ(へそ)を占拠しておったのじゃな?…という感じ。
その分、に、に、臭いが…。
処置室いっぱいに広がるへそごまの臭い…。さすがにぶっ倒れそうになります。
臭いですがね。でも。
やっぱり、へそごま掃除は大好きな私。
今までに、患者さんからへそを洗ってほしいとお願いされたことはありませんが、お願いされなくても、私はおへその掃除をやり続けます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます