いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

被災地に思いを馳せる歌心

2011年05月16日 08時39分53秒 | 兎に角書きたいの!
 新聞に投稿された短歌・俳句から沁みる人々の心を登載してみる。

 @ 何もかも失ってさえも顔あげて耐えて被災者生きぬかんとす 松江市 三好里美氏
  「評」被災地以外の国民はテレビや新聞を通じて被災者の苦難の姿を知る。その姿に精いっぱいの応援を送りつつ、こちら側も励まされている。「顔あげて」が印象的。

 @ 「負けへんで」負けへんでと口癖に何があるやらわからぬこの世 岸和田市 奥田澄子氏
  「評」大地震の歌を何首も投稿してきた作者の一首。何はともあれ「負けへんで」と呟くことで自分を支えようとしているのだ。われわれは「負けへんで」と。

 @ 記紀万葉草紙源氏と古書数多豊かなる国先人に謝す 藤沢市 戸村 達氏
  「評」震災後を生きる日本人の生活態度に世界の人々が感嘆したという報道がなされた。その日本はまた豊かな文芸をもっているという感謝と誇りを歌う。

 @ 春かなし言葉が足りぬ見つからぬ 枚方市 船橋充子氏
  「評」3・11の大震災への一句であろう。「未曾有」という言葉が繰り返されるが、この惨状と被害を前に声を呑むのみ。「言葉」は語らぬことで力を持つかと…。

 @ 美味しいと一口食べては涙する被災者励ます熱い食べ物 井原市 山崎範雄氏
 @ 責任感強き被災者数多く被災地に見る未来明るし  東京・世田谷 松井和治氏
 @ 言いたき事山程あらむ東北の罹災の人ら言挙げはせず  東大阪市 東  進氏
 @ 不都合なことは語らず訓練を受けてゐるらしテレビの人は東京・練馬 吉竹 純氏
 @ 猟師町を襲う未曾有の大津波消えた実家に口つぐむ友  東京・太田 広川 勇

 地震だけなら…。被災地の人たちは何度もそう口にした。激しい揺れの後、家族を、家を、恋人を、友人を飲み込んだ大津波。がれきの山と化した街の中には、最愛の人たちの遺品だけが無残な形で残されていた。「東日本大震災1ヵ月の全記録『闘う日本』産経新聞社」の文中から引用。
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