5月6日に79歳で亡くなられた作家の団鬼六氏は、死の1ヵ月前の4月10日、最後に更新されたブログで東日本大震災について次のように触れられている。
「震災の映像がテレビで放映されるたびにこんなことがあっていいのかと目を覆いたくなるような心境である。老婆が泥だらけになった孫のランドセルを手にしながら、孫の姿を懸命に探していたり、震災で親をなくした子供たちが里子にだされるなどという報道を聞くと…」
「…体育館の端で、毛布に包まれながら、私は元気です、心配しないで、と家族を思いやる姿、家が流され、思い出諸共流されても、命が助かったんだから、自分たちよりももっと大変な人たちがいる、と数々の辛さをこらえ、自分よりも他人を気遣う心に日本人の謙虚さと美徳を感じずにはいられない。日本人は希望を失わない。決してへこたれない立派な国民だと思う。…」
「命しかない。けれど、命がある。これが希望である。この震災で多く尊い命を失ったがここにある命はそして経験は脈々と受け継がれ大河となるだろう。希望を絶やしてはいけない。…」
「東北にもこれから桜が咲くだろう。どんなに寒い冬でも必ず春が来るように、必ず桜は咲くように、どんなに辛い時でも、必ず日は昇る。津波や、放射能に侵された地にもやがて鳥が種を運び、花を咲かすだろう。
今東京は桜が満開である。桜は日本の心である。桜を愛でることは日本人を愛でることだと今年は一層強く感じるのである。」
「震災の映像がテレビで放映されるたびにこんなことがあっていいのかと目を覆いたくなるような心境である。老婆が泥だらけになった孫のランドセルを手にしながら、孫の姿を懸命に探していたり、震災で親をなくした子供たちが里子にだされるなどという報道を聞くと…」
「…体育館の端で、毛布に包まれながら、私は元気です、心配しないで、と家族を思いやる姿、家が流され、思い出諸共流されても、命が助かったんだから、自分たちよりももっと大変な人たちがいる、と数々の辛さをこらえ、自分よりも他人を気遣う心に日本人の謙虚さと美徳を感じずにはいられない。日本人は希望を失わない。決してへこたれない立派な国民だと思う。…」
「命しかない。けれど、命がある。これが希望である。この震災で多く尊い命を失ったがここにある命はそして経験は脈々と受け継がれ大河となるだろう。希望を絶やしてはいけない。…」
「東北にもこれから桜が咲くだろう。どんなに寒い冬でも必ず春が来るように、必ず桜は咲くように、どんなに辛い時でも、必ず日は昇る。津波や、放射能に侵された地にもやがて鳥が種を運び、花を咲かすだろう。
今東京は桜が満開である。桜は日本の心である。桜を愛でることは日本人を愛でることだと今年は一層強く感じるのである。」