毎度おなじみ「喜多八」でグラスビール3杯と焼き鳥をつまんだ後、KBCシネマで上映中の「ブルーに生まれついて」を観てきた。
あらすじはマリファナ中毒から立ち直ろうとする伝説のジャズプレイヤー、チェット・ベイカーが、
「栄光よ、ワンスアゲイン!」と、再起にもがく。
こういう話、みんな大好物でしょ?
史実を知ってる人ならニヤリとさせられるシーンも多々ありました。名曲「マイ・ファニー・バレンタイン」も唱うし。でも史実とは時系列が異なるそうな。
その辺りのことは↓にやや詳しく出てます。
http://borntobeblue.jp/sp/about/index.html
まず主演のイーサン・ホークがいい。映画「6才のボクが、大人になるまで。」の父親役も良かったしね。
とにかく序盤から終盤までメタドン治療しようとするチェットの無力感、グダグダ感が半端無く痛々しかった。ロケーションはとても美しく叙情的なんだけど物悲しさにあふれ・・・。見る人によっては退屈なシーンの連続と言うかも知れんですけどネ。でも見終わってからの余韻がず〜っと続く感じでした、良かった。
帝王マイルス・デイヴィスの冷酷な感じ、それとは対照的なディジー・ガレスピーの感じとかよく出てたなぁ。
以下ネタバレを含みます。印象に残ったシーンを箇条書きで。
・1954年5月バードランドでのマイルス、ディズ、チェットの再現。
・劇中劇でチェットにマリファナ注射を打つ恋人(女優)が、現実ではクスリを断たせようとする設定。
・美しくも寂しいロケーション。実家の周りには何もない。恋人の家族とは食卓を囲まず外で結婚の承諾を請う。波打ち際には人っ子ひとりいない。
・父親との会話。「女みたいな声で・・・」のくだり。
・ピザ屋のステージに立つのも痛いが、箱バンに「もっと練習してこい」「チェット・ベイカー?本当に?」もヒリヒリと痛い。
・スリーアミーゴスのようなメキシカン装束でマリアッチ・ブラス演奏。
・恋人の前で歌った、再起を予感させる「マイ・ファニー・バレンタイン」とそれに対して「アイヴ・ネヴァー・ビーン・イン・ラヴ・ビフォー」の恋人の表情の落差。
・ラストステージ直前、楽屋での究極の2択。その結果を演奏中に頬の汗を拭うというしぐさで表現。それを感じとりネックレスを外して去っていく恋人。最低だな言わんばかりに(ここは観た人によって解釈が違う)と拍手をおくるマイルスとディズ。このあたりはうまいな〜と思いました。
余談ですが、イーサン・ホークはトランペットの演奏したものの、音はケヴィン・ターコットによる吹き替えだとか。
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