テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

蝉の亡骸がアスファルトの上にあるのが目立つ、土にも帰れないんだなあ~今日のお店:台東区日本堤「大林酒場」、未来永劫残って欲しい酒場です。

2016年08月18日 | 世の中

この店、前はね、夏に来るとね窓開けっ放しなんよ、

扇風機はあるけどもエアコンは無し、

庭には緑が繁っていて、シャンシャンと鳴く五月蠅いくらいの蝉の声を聞きながら焼酎ハイボールなんか飲んだ日には、もう、堪りませんわ、

店内はめちゃ渋い、カウンターもテーブルも、もう何年経ってるんやろ、というエエ感じに末枯れてます、

でも、綺麗に掃除されていて清潔な店内、料理メニューも揃ってます、

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大将は無口で怖い感じやけど、まあそんなこともない、

けど、店内での携帯電話はご法度やから注意してな、

そうそう、蝉の鳴き声聞いて思い出したけどね、

そろそろ、セミの声も弱くなってきましたな、夏ももうちょっと、いうところですな、

今年の夏は蝉の亡骸をぎょうさん見ましたわ、

そう、そら、蝉は地上に出て来て1週間か10日かそこらで死んでしまう訳やしね、

え?ちゃうの?

最近の研究では、もうちょっと長生きするの?そうなんかいな、知らなんだわ、

蝉は短命と決まってるもんやと思てたわ、

ま、そう云うほうが分かりやすいからかな、

でね、この時期は蝉の亡骸も多いんですが、、、

その、亡骸がアスファルトの上に転がっているのが多いんですわ、

もともと短命の象徴みたいなとこがあるんやから、ものの哀れを誘うんですがね、

その亡骸がアスファルトの上に転がってると、余計になんか可哀想でね、

昔は土の上に転がって、そのまま土に帰って行ったと思うんやけど、

今はもう土にも帰れへんねや、思たらなんか可哀想でね、

公園の舗道とかで見つけた時、

近くに土がある時は、ちょいとずらして土の上に転がしてやるんですわ、

ね、こうしたら土に帰れるし、他の昆虫の食物にもなるしね、自然の連鎖ですわ、

アスファルトになって、人間は靴やズボンが汚れなくなって、車も自転車も気持ちよく走れて便利やけど、な、

蝉の亡骸は行き場所がなくなってるんやな、

ま、湿っぽい話はこれくらいにして、焼酎ハイボール、もう一杯飲む?

え?蝉の鳴き声が五月蠅くて、今の話、よう聴こえへんかった、ってか、

なんやそら、せっかくエエ話してたのに、、、

【今日のお店】

蝉の声で思い出したのがここ、東京日本堤(山谷)にある「大林酒場」、

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関西には残っていない酒場らしい酒場です、

外観も内観も素晴らしいのです、この雰囲気で飲む酒は最高に美味しいです、

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駅からは遠くて不便です、一番近いのは「南千住」駅ですが、ここからでも15分くらいはかかります、

ワタシはよく「浅草」から歩きました、25分くらいかな?

歩きたくない人は「浅草」からバスが良いでしょう、

ワタシも帰りはよくバスを使いました、

酔狂なことが好きな人はここから墨田方面へ歩くと「丸好酒場」とか「十一屋」、「岩金酒場」などにも歩いて行けます、45分かもうちょっとかかりますが、

あ、「大林酒場」のすぐ近くの「丸千葉」もエエ酒場ですよ、

※現在は店内の写真撮影も禁止のようです、
 前は撮っても、とくに何も言われなかったのですが、、、