さて、そろそろ牡蠣が食べれる季節になって来ましたな、
ちょっと肌寒くなってくると、やっぱりカキですわ、どて鍋にカキフライ、
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おっと、忘れたらあかんのが酢牡蛎、生ガキですわな、これは堪りません、
でも、、、
ここは残念がら生ガキがでえへんねや、
カキの専門店なんやけどね、茹でた「カキ酢」しか出ませんねや、
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理由、知らん、店の人に訊いてくれる?
でも、どて鍋もカキご飯も美味しい、カキフライもボリュームたっぷりやし、
ま、しっかりカキのフルコースが楽しめますわ、
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ところでね、前から不思議やったんですが、
アメリカとかヨーロッパって鮮魚の生食、ま、生食文化があんまりないですやん、
そやのに、なんでカキだけは生で食するのか?
これが不思議でしゃあないんですわ、
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他のもんならともかく、カキちゅうたら、下手したらアタるようなもんでしょ、
そやのに、なんでわざわざ生で食するのか?ホンマ、気になってますねん、
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でね、ちょっと物知りの友達に訊いてみたんですけどね、
これがまあ意外な理由というか、京都の魚事情みたいな話と一緒ですねん、いや、ほんまに、
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海外の生カキちゅうとね、なんかアメリカ東海岸の“オイスターバー”みたいなイメージが強かったんですけどね、
実は古くは古代ローマから生食してたみたいですわ、びっくりでしょ、
その後はフランス料理から発展してきたみたいですな、たしかにフレンチも牡蠣の生食あるしね、
え!?食べたことあるんですか?ってか、、、そんなもん、、、ないがな、、、
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ま、それは置いといて、
フレンチというと、そのルーツはイタリア、フィレンツエ辺りのメディチ家から輿入れした王女が料理人を連れてきたのがフレンチの始まり、
これは有名な話ですな、
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それまでの粗野なフランス料理に比べて、イタリアンは海産物を多く使った繊細な料理やったみたいです、
つまりは、やはりカキの生食はイタリア起源ということになります、
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で、なんでカキだけが生食になったかというとね、
パリには海がない、当たり前です、セーヌ川はあっても海はない、
で、地中海から魚介類を運んでくるわけですが、これが遠い、
当時は生きたまま運んでくるちゅうのは無理、
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そんななか、カキだけはその生命力の強さ故、生きたままパリに到着したみたいですわ、
凄いね、
なんで、生のカキは珍品、珍しい生モノ、生命力の象徴、これだけは生で食した方が値打ちがある、
ということでフランスでも生で食するようになった、んやそうです、
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偉い人、貴族の方々のすることはどこでも一緒ですな、
とまあ、こんな次第らしいですわ、
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でね、これ聞いて思い出したのが京都の魚事情ですわ、
いまでこそ、どこでも刺身が買えますが、昔の京都では刺身なんて家では食べませんでした、
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売ってはいたと思うけど、うちの母親はよう口にせんかった、
刺身を食べるのは料理屋か仕出しの時だけ、
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そら、流通が確立されてへんからやね、内陸の京都には生きた魚はない、
生きた魚は川魚、鰻とかね、琵琶湖の魚とか、
鯖は福井から着てましたけど、ちょっと〆てね、きずしか鯖寿司になる、
日持ちのエエ“ぐじ”(アマダイ)もよう食べましたけど、
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カキと一緒で、生命力の強さから京都で発展した魚料理って知ってる?
鱧ですわ、
鱧は大阪湾で獲ったやつをタライに水張って京都まで運んでも生きてたそうです、
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なんで、京都では鱧は貴重な魚、「鱧の湯引き」とか「鱧の焼き魚」は定番でした、
子供のおかずにも出て来るような料理でした、ま、湯引きは珍しい(魚屋で買う)、
普通は醤油で焼いてましたけどね、
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生命力が強いがために人間に食べられる羽目になった牡蠣と鱧、なんか因果な話ですな、
おっと、「牡蠣ご飯」が出てきたね、そろそろ〆ですな、
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【今日のお店】
阪神「尼崎」駅からすぐの牡蠣料理専門店「かき金」、
11月~3月の半年間のみ営業、これで一年を暮すという、昔の相撲取りみたいに豪気なお店です、
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「牡蛎酢」(残念ながら茹でてあります、おそらくは保健衛生上の問題か?)、
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カキフライ、
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牡蠣のどて鍋、
牡蠣ご飯、
と、フルコースで楽しめます、
牡蠣好きには堪りませんわ、昨年初めて行きました、
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11月3日から営業らしいです、今年もそろそろ予約を入れます、
そうそう、そこそこ混んでいるので予約して行くのがエエですな、
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