なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事23~緊急事態宣言が一部解除、さて、この先は?
◆緊急事態宣言が予想より早く一部解除されました
5月14日に北海道、東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、京都を除く39県で解除されました、
いきなり“解除”されるのですね、
ワタシのイメージでは緊急事態宣言は布告されたまま、自粛要請の内容などが徐々に緩和されて、感染拡大の状況を観ながら最終的に宣言の解除に至る、というソフトランディングのイメージでした、
それが、いきなり解除、でも、自粛は継続、新しい生活様式も継続、ということみたいです、
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解除されなかった8都道府県は引き続き、外出自粛、出社自粛、営業自粛要請が続きますが、大阪をはじめ各自治体独自の基準で自粛要請内容が緩和されていきます、
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◆大阪での自粛要請緩和内容
大阪モデルで示された条件が7日間連続でクリアされたので、緊急事態宣言は出たままですが、自粛要請などの内容が緩和されます、
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大阪で自粛要請が解除される予定の業種は(いずれも条件付き)劇場、映画館(客席の間引き等)、居酒屋(大皿回避、大声禁止、営業時間の拡大)、大学、学習塾、大型商業施設など、以下参照、
残念ながら、3密状態が起きやすく、クラスターの発生確度が高い、ライブハウス、接待を伴うクラブなどの飲食業、スポーツクラブ、ゲーセン、漫画喫茶、そしてイベントの開催への自粛要請が継続されます、
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◆予想よりも早い緊急事態宣言解除へのスピード
「なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事⑱」で書きましたが、ワタシは緊急事態宣言の全面解除は7月初め頃と予想していました、
今回の解除とは、ちょっと解除の意味合いが違いましたが、、、
それに、感染者減少の曲線はもっと緩やかな“高原状になる”と予測していました、
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このまま、人との接触8割減を続けて、感染者が漸減するなら、
GW明けから60日程度で新規感染者を一ケタまで落とすことが可能ではないかと予測します、
(中国並、韓国よりも長期間掛かる)
なので、一旦、緊急事態宣言が解除されるのは7月初めくらいかと予測します、
もちろん、それまでにいろんなことが段階的に許容解除されると思いますが、
経済、教育、そして日常生活との折り合いも付けなければなりません、
(抜粋引用ここまで)
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予測よりも事態は早く動きましたね、ま、良いことのような気はしますが、
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この1週間の感染者数を観ると、
(厚労省日報より:全国、当日正午までの発表数字)
5月 8日 + 95人
5月 9日 + 81 人
5月10日 +104人
5月11日 + 70人
5月12日 + 50人
5月13日 + 80人
5月14日 + 57人
最大時で1日@6~700人程度の新規感染者が出ていた訳ですから、ずいぶんと減ってきています、
この数字が1日当たり@一ケタになるまでには(高原状に緩やかに拡大し、緩やかに減っていくと考え)60日程度掛かるのではないかと予測したわけです、
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ただ、都道府県単位で現状を観ると、確かにほとんどの県は新規感染者1日当たり@一ケタ、もしくはゼロと云う日が続いているので、部分的な宣言解除の根拠になっていると思います、
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感染実態の指標=陽性率も下がっています、
(PCR検査数も少ないながらも増えています)
陽性率の推移(厚労省日報より算出、月~日曜までの平均)
4月1週 9.8%
4月2週 10.6%
4月3週 10.2%
4月4週 7.8%
5月1週 4.8%
5月2週 2.9%
検査数も週間で4万件以上あるので、明らかに感染者の減少を裏付けていると思います、
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◆国内のなぜ感染ピークは低いのか?
ざっくり観ると、なぜかアジアでは感染拡大のピークが低い、
日本国内でのピークもやはり低かった、やはりこれは不思議、書いておきたい、
(何度も書いていますが、、、スイマセン)
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日本の特殊事情(最新追加まとめ)
① 初期の“クラスター潰し”戦略が功を奏した(初期の押さえ込みに貢献)
② 日本の高い衛生習慣(手洗い・マスク着用などの習慣)
③ 日本の距離のある社会習慣(握手・ハグはほとんどしない+靴を脱いで家に上る)
④ BCG接種のラッキーパンチ(未だエビデンスなし)
⑤ 外出自粛3密回避・都市間移動制限などの効果(絶対的効果も、実情は心もとない)
⑥アジア人はコロナウイルス(SARS-Cov-2)に対するなんらかの免疫があるかもしれない
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① は感染拡大初期に限り効果があったかもしれない、
② ③は今後も必要な新しい生活様式のベース、
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ちょっとショックなのは④に関して、イスラエルからの報告、
『BCG接種のコロナウイルスへの有効性はない』との報告が上って来ています、、、ちょっと残念、
かたや、やはり相関関係は歴然、『BCG有無でコロナ死亡率「1800倍差」の衝撃 日本や台湾で死者少ない「非常に強い相関」』という記事もあります、まだまだ研究が必要、
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⑤に関しては、日本国民はホントに献身的に自粛に協力したと思います、予測より早い宣言解除は国民全体の努力の成果です、
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そして⑥、BCGと共に“アジアで感染ピークが低い理由”の有力候補です、
免疫学的にアジア人はコロナウイルスとの付き合いが長い?免疫があるのでは?という説、
これはまだ確証はないですが、否定もされていません、
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◆第2波、第3波は必ず来ます、ペスト、スペイン風邪の経験
正直、自粛疲れもある、経済の持続も考えないといけない、
ので、早めの自粛緩和は致し方ない、というのが今の潮流、
ワタシも一旦緩めることには反対しません、
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しかし、第2波、第3波は必ず来ます、残念ながら必ず来ます、
手綱を緩めては引く、ウイルスとの共存、新しい生活様式、
さまざまな言葉で表現されていますが、ワクチンが出来るまでは(抗体の性能に寄ると、ひょっとするとワクチンが出来ても)元の生活には戻れません、
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人類の歴史は感染症との闘いでもあります、
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ペストの流行は紀元前よりそれらしき記述が残されています、
最大の流行=14世紀の欧州大流行では2500万人以上が死亡、終息には約5年を要しています、
それ以降、20世紀まで世界各地でたびたび流行、
でも、治療薬はあります、抗生物質です、ご安心を、
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1918年に流行したインフルエンザウイルス(H1N1亜型)が起こしたスペイン風邪(発祥はスペインではなく実はアメリカ、スペイン可哀想)の場合、
1年半ほどの間に第1波~第3波までが押し寄せ、少なくとも1700万人以上が亡くなりました、
“新しいウイルスの最初の感染の場合、どうしても数度の流行を繰り返す”という概念は、このスペイン風邪の経験から来ていると思います、
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スペイン風邪のワクチンは開発されましたが、世界的な流行で集団免疫状態になり、このタイプは自然消滅したそうです、
変異して別のインフルエンザウイルスは今も毎年流行していますが、ワクチンや薬、医療進化、生活様式変容(発熱者感染者の出社禁止自宅待機など)でパニックにならない程度に押さえ込んでいます、
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◆緊急事態宣言解除後、自粛緩和の要点は?
さて、今日から全国でいろんな制約が緩められます、
でも、第2波、第3波は必ず来る、、、それへの備えも整えなければなりません、
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そこでざっと対応を想定すると、
・『基本動作』(手洗い消毒、マスク、人との接触回避)
これは継続、これは新しい生活様式として、ワクチンが出来るまで数年間続きます、
・『3密回避』
これが感染と直結しているので、残念ながら新地タイプのお店、ライブハウス、ジムなどはまだまだ自粛が必要です、
・『検査体制の拡充』
感染経路不明者は市中感染へ繋がり、再度の緊急事態宣言への道筋になります、
これを防ぐにはPCR、抗原、抗体の各検査を総動員して、早期に感染者を発見、2次感染3次感染を最小限に押さえ込む必要があります、
各検査の特長は以下の通り、
日本の検査体制はまだまだです、今後、素早い対応が必要です、
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・『当面の医療体制の確保』
第2波、第3波への備えです、病床・医療スタッフ・機材装備の確保を進めていかなければなりません、
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そして、今日の最後は、、、
(中期的に必要なのは)
・『疾病医療センターの設置』
感染症対策の司令塔、米国や中国のCDC(疾病予防管理センター)にあたる組織の設置を考える必要があると思います、
未知のウイルスは(おそらく)まだ他にもいます、いつかまた襲来します、
今回の新型コロナウイルスの流行を良き教訓として、次の未知のウイルスへの備えを抜本的に考えるべきです、
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政府と専門家の会合形式(馴れ合いとは云いませんが)、
縦割りの官僚組織、国と自治体の軋轢(国の動きが圧倒的に遅い)、
脆弱な保健所の検査体制(ホント、戦力不足の現場が一番可哀想)、
効率的に統括しきれない医療機関(こちらの現場も悲惨)、
この様な『温泉旅館増築方式』の体制では、次のウイルスが来た時に、またあたふたとしなければなりません、
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中期的な視野で、ぜひ次のウイルスに備えた組織を考えて欲しいです、
急いで作らなければならない法律はこちらだと思うのです、
(定年延長法案じゃない^^)
この法律こそ、素早く力強く法的整備を進めて欲しいです、
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