テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

日本アカデミー賞の主演男優賞・主演女優賞は廃止になるか?

2020年10月14日 | 世の中
箸休め、ではないですが、たまにはコロナ以外の記事も書きましょう、
(この記事は『アコースティックギター 生涯の1本』との併載記事です)
 
 
2020年9月、米国アカデミー賞が主演男優賞・主演女優賞を廃止して主演俳優賞を設置するというニュースが流れました、
 
ジェンダーニュートラル=伝統的な性差による役割分担や能力評価にとらわれない、という考え方の発露です、
 

写真は性別を分けない最優秀俳優賞を受賞したエマ ワトソン(2017年)

海外の映画業界も男性社会、女性はマイノリティだったようで、それに対するアンチテーゼでもあるようです、
 
そういうと大物映画プロデューサーのセクハラ問題とかもありました、
 


ベルリン国際映画祭も2020年8月に女優賞と俳優賞を統合し『最優秀主演賞』を設置することになりました、
 


これに先立って欧州では「#5050 by 2020」という運動があったそうです、
 
これは“映画業界で働く人の割合を男女50:50にしよう!”というもので、保守的だったカンヌ映画祭も2018年にこれに賛同しています、
 
こんな風に世界的に進む、

映画界のマイノリティ(人種・LGBTQ+・障害者)への理解とジェンダーニュートラル、
 


で、日本はどうだ?
 
先日、映画「ミッドナイト スワン」を鑑賞、
 
202010ミッドナイトスワン

トランスジェンダー(身体が男性、心が女性)の草なぎ剛さんと、育児放棄で独り病む中学生との交流を描いた映画、
 
とても良い出来上りで、個人的には今のところの邦画本年度No.1の評価です、
 


おそらく日本アカデミー賞にもノミネートされる可能性が高い、
 
その時に、草なぎさんの演技はどう評価されるのだろう、
 
主演男優賞か?
 
身体は男性、心は女性を演じた草なぎさんに主演男優賞とは、

如何にも皮肉、問題意識の低さが露わに、、、
 
ジェンダーニュートラルに後れを取った賞の授与ということになります、
 


世界的に見ても男女別の演技賞が無くなる流れは止まりません、

もちろん、日本映画(制作業)界でも女性はマイノリティでしょう、間違いなく男社会なような気がする、
(よく知りませんが)
 
ジェンダー問題で先端に立たなければならない“日本の表現者”の組織がどんな判断をするのか、
 
演技賞をどうするのか?
 


今のところ日本アカデミー賞からの情報発信は無いようです、
(見落としておいたらごめんなさい)
 
注目です、