今日で3回目、昨日、一昨日、日があいてしまいました。
ナショナル・トラスト National Trust によって修復、保存されている産業革命時代の綿織物工場、クォリー・バンク-ミルQuarry Bank Mill。

上の写真はメインのアトラクション、現在はテキスタイルと社会史関係の博物館に使われているミル(工場)の建物です。
改装中のため休館中です。(残念)
この日は庭園を見学しました。
ミルの内部が写っている、興味深い写真を見つけました。

館内の1フロア全体が産業革命時代の綿織物工場として、復元されているのです。実演用の機械はすべて水力で作動しています。
見学コースの地下には、すぐそばを流れる川の水を引き込んで巨大な水車と歯車が上階の機械に動力を伝えて作動させる仕組みがわかるようなディスプレイがあります。
で、上の写真です。
2013年、民放のテレビ局、チャンネル4が制作して、大評判になった連続テレビドラマ、「The Mill」
1830年代のクォリー・バンク・ミルが舞台です。工場内のシーンはすべて、クォリーバンク・ミルで撮影されました。
工場の労働者の3分の1を占めたという、8歳から14歳までの児童労働者の生活を中心にした、社会派歴史ドラマでした。
児童労働者はアプレンティス apprentice (見習工)として、無給で一日12時間労働を強いられたということです。
アパレンティスの寄宿舎は、アパレンティス・ハウスとして、時間決めで公開しています。

寄宿舎にあった菜園が再現されています。

見学希望者は菜園を散策しながら内部見学ツアー開始時間を待っています。
1800年代初頭の寮監督の扮装をした、ナショナルトラストのスタッフがガランガランとベルを鳴らして、入館を促していました。

10年前に私が入った時と同じ。
次回来たら また入ってみますね。今回は時間がありませんでした(残念)
何しろ、私たち 年間会員権を持っているんですから、入場無料です!
アパレンティス・ハウス内部のシーン写真まで見つけました!

工場の創始者、サミュエル・グレッグは人口が密集して煤煙で汚れたマンチェスターやストックポートの町なかを離れ、チェシャーの美しい田舎の町、スタイルに工場をうつしました。
大自然に囲まれた敷地内に自分と妻のハナ用の美しい邸宅をたてただけでなく、工場労働者のためにも周辺に清潔で快適な住宅を用意しました。
当時、工場を経営する資産家の間で流行っていたらしい、田園地帯に自分をリーダーとする労働者のユートピアを作り上げるロマンチックな運動の影響を受けていたようです。
彼なりに社会改革者ではあったらしいのです。
無給で酷使された児童労働者アプレンティスも、孤児院やワークハウス(貧民収容所;オリバー・ツウィストがいたような施設)から「救出」され、宿舎と食料と手に職をつける機会を与えられ堕落を免れた、まあラッキーなほうな子供たち、と当時は認識されていたらしいのです。
14歳になって見習い期間を終えると有給の職工として工場にとどまるか、修了書をもってよそに就職先を見つけることが許されたんだそうです。
いえ、やっぱり奴隷労働、たいへんな搾取です!
「年季奉公」などとも違って、本人も身内も誰もお金をもらっていませんし そこにとどまって無償労働奉仕を何年もしてやる義理も契約もないにもかかわらず無理やり連れてこられて、監禁同様、強制労働を強いられたんですから。
当時イギリスは世界に先駆け、奴隷解放で盛り上がっていた、自由と人権擁護の最先端国家だったはずなのです。
イギリスの国辱物の史実です。
で、ドラマですが、第2シリーズではミルの労働者や年長アプレンティスも巻き込んで社会改革運動の気運が高まって、労働者が権利を主張し始める…とワクワクするところで尻切れトンボに終わってしまったのでした。
イギリスの連続ドラマにはよくある、続編を期待させる終わり方です。
その後続編はつくられていません。
続きが気になる!
アプレンティス・ハウス横をまっすぐのびる道の両側は牛の放牧場です。

この日は牛がいませんでした。(残念)
労働者用の連続住宅が何軒か保存されています。

現在は個人が分譲して住んでいるようです。
ナショナルトラストが管理する景観保存地域なので、外観を勝手に替えたり、衛星放送用のアンテナを目立つ位置に取り付けたりすることは許されていないそうです。
とってもきれいなのですが、この時は、この連続住宅群まで行くことなく、手前で曲がってまたアプレンティスハウスまで戻ってきました。
教会にもよりませんでした。時間があまりなかったのです(残念)
管理職クラスの従業員が住んだ比較的大きめの住宅群。



観光客に道を聞かれるうちの夫。

かなり地元ですが、私たちも観光客です。
アパレンティス・ハウスの道に面した側は、寮監督夫妻のけっこうこぎれいな家なのです。

現在はナショナルトラストのオフィスになっています。
次回はぜひ、アパレンテイス・ハウスの内部と、最近オープンしたらしいミル経営者、グレッグ家の邸宅見学を果たします!
前回、「The Mill」を楽しみに見ていた夫の母を連れてミル見学をしに来たことがあります。
その日は撮影はありませんでしたが、一般公開と同時に次のシリーズの撮影が連日行われていた時期で、敷地内のコンクリートの道を石畳のように造りかえる硬いゴム製の「石畳ブロック」があちこちに積んでありました。
石畳効果

前回の記事のリンクです☟。
ナショナル・トラスト所有の自然保護区域の博物館、新しくオープンした付属の庭園,ワイルドな景観、がけ下の遊歩道
記事中に、最初の記事のリンクが貼ってあります。
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。
ナショナル・トラスト National Trust によって修復、保存されている産業革命時代の綿織物工場、クォリー・バンク-ミルQuarry Bank Mill。

上の写真はメインのアトラクション、現在はテキスタイルと社会史関係の博物館に使われているミル(工場)の建物です。
改装中のため休館中です。(残念)
この日は庭園を見学しました。
ミルの内部が写っている、興味深い写真を見つけました。

館内の1フロア全体が産業革命時代の綿織物工場として、復元されているのです。実演用の機械はすべて水力で作動しています。
見学コースの地下には、すぐそばを流れる川の水を引き込んで巨大な水車と歯車が上階の機械に動力を伝えて作動させる仕組みがわかるようなディスプレイがあります。
で、上の写真です。
2013年、民放のテレビ局、チャンネル4が制作して、大評判になった連続テレビドラマ、「The Mill」
1830年代のクォリー・バンク・ミルが舞台です。工場内のシーンはすべて、クォリーバンク・ミルで撮影されました。
工場の労働者の3分の1を占めたという、8歳から14歳までの児童労働者の生活を中心にした、社会派歴史ドラマでした。
児童労働者はアプレンティス apprentice (見習工)として、無給で一日12時間労働を強いられたということです。
アパレンティスの寄宿舎は、アパレンティス・ハウスとして、時間決めで公開しています。

寄宿舎にあった菜園が再現されています。

見学希望者は菜園を散策しながら内部見学ツアー開始時間を待っています。
1800年代初頭の寮監督の扮装をした、ナショナルトラストのスタッフがガランガランとベルを鳴らして、入館を促していました。

10年前に私が入った時と同じ。
次回来たら また入ってみますね。今回は時間がありませんでした(残念)
何しろ、私たち 年間会員権を持っているんですから、入場無料です!
アパレンティス・ハウス内部のシーン写真まで見つけました!

工場の創始者、サミュエル・グレッグは人口が密集して煤煙で汚れたマンチェスターやストックポートの町なかを離れ、チェシャーの美しい田舎の町、スタイルに工場をうつしました。
大自然に囲まれた敷地内に自分と妻のハナ用の美しい邸宅をたてただけでなく、工場労働者のためにも周辺に清潔で快適な住宅を用意しました。
当時、工場を経営する資産家の間で流行っていたらしい、田園地帯に自分をリーダーとする労働者のユートピアを作り上げるロマンチックな運動の影響を受けていたようです。
彼なりに社会改革者ではあったらしいのです。
無給で酷使された児童労働者アプレンティスも、孤児院やワークハウス(貧民収容所;オリバー・ツウィストがいたような施設)から「救出」され、宿舎と食料と手に職をつける機会を与えられ堕落を免れた、まあラッキーなほうな子供たち、と当時は認識されていたらしいのです。
14歳になって見習い期間を終えると有給の職工として工場にとどまるか、修了書をもってよそに就職先を見つけることが許されたんだそうです。
いえ、やっぱり奴隷労働、たいへんな搾取です!
「年季奉公」などとも違って、本人も身内も誰もお金をもらっていませんし そこにとどまって無償労働奉仕を何年もしてやる義理も契約もないにもかかわらず無理やり連れてこられて、監禁同様、強制労働を強いられたんですから。
当時イギリスは世界に先駆け、奴隷解放で盛り上がっていた、自由と人権擁護の最先端国家だったはずなのです。
イギリスの国辱物の史実です。
で、ドラマですが、第2シリーズではミルの労働者や年長アプレンティスも巻き込んで社会改革運動の気運が高まって、労働者が権利を主張し始める…とワクワクするところで尻切れトンボに終わってしまったのでした。
イギリスの連続ドラマにはよくある、続編を期待させる終わり方です。
その後続編はつくられていません。
続きが気になる!
アプレンティス・ハウス横をまっすぐのびる道の両側は牛の放牧場です。

この日は牛がいませんでした。(残念)
労働者用の連続住宅が何軒か保存されています。

現在は個人が分譲して住んでいるようです。
ナショナルトラストが管理する景観保存地域なので、外観を勝手に替えたり、衛星放送用のアンテナを目立つ位置に取り付けたりすることは許されていないそうです。
とってもきれいなのですが、この時は、この連続住宅群まで行くことなく、手前で曲がってまたアプレンティスハウスまで戻ってきました。
教会にもよりませんでした。時間があまりなかったのです(残念)
管理職クラスの従業員が住んだ比較的大きめの住宅群。



観光客に道を聞かれるうちの夫。

かなり地元ですが、私たちも観光客です。
アパレンティス・ハウスの道に面した側は、寮監督夫妻のけっこうこぎれいな家なのです。

現在はナショナルトラストのオフィスになっています。
次回はぜひ、アパレンテイス・ハウスの内部と、最近オープンしたらしいミル経営者、グレッグ家の邸宅見学を果たします!
前回、「The Mill」を楽しみに見ていた夫の母を連れてミル見学をしに来たことがあります。
その日は撮影はありませんでしたが、一般公開と同時に次のシリーズの撮影が連日行われていた時期で、敷地内のコンクリートの道を石畳のように造りかえる硬いゴム製の「石畳ブロック」があちこちに積んでありました。
石畳効果

前回の記事のリンクです☟。
ナショナル・トラスト所有の自然保護区域の博物館、新しくオープンした付属の庭園,ワイルドな景観、がけ下の遊歩道
記事中に、最初の記事のリンクが貼ってあります。
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僕らの世代だと「あゝ野麦峠」で有名ですよね。
日本の場合は、「おしん」もそうでしたが、「口減らし」のために親が子供を売るなんてことも良くあったようですね。
緒形拳主演の社会派映画「女衒」では、寒村の幼い娘を親から買い「街についたらキレイなおべべ着てうまいもの食べられるからな」と雪山を連れて行く姿があります。もちろんその子たちは遊郭に幽閉されて女郎として悲惨な人生をおくったんですよね。
そう思うと、やはり先進国イギリス。
年季明けがあって、有給になるか転職できるのは、やはりイギリスだなぁと思います。
でも病気になったり、衣装が自前だったり前借りして借金増えたりで予定通りに自由になる人は稀だったと言います。悲惨な話です。
でもイギリスの工場のアプレンティス制はもっと悪質ですよ!
無給です!そこにとどまって労働を提供する義理も何もないのに14歳になるまで監禁されて自由時間も敷地内を出ることが許されなかったんだそうですから!この頃の工場ってどこもそうだったらしいです。搾取です。
イギリスにも昔は年季奉公がありました。
大人が、借金返すために給料数年分前払いで契約した年数自由を失う、あるいは食い詰めた貧民のほとんどは渡航費を現地の雇い主に持ってもらうシステムでアメリカやカナダに移民して鉄道工事現場や農場で働いて返したということです。いずれも大人が自由意志で契約したことで人道上問題ないですよね。でもほとんどのケースが労働条件最悪で辞めたくてもやめられない悲惨な状況だったのは確かです。
教えてくださってありがとう。即刻なおします!