グレッグスのビーガン・ソーセージロールと同じころ、KFC(ケンタッキーフライドチキン)でもビーガン・バーガー vegan burgar を売り始めました。

ベジィ(正確には魚介類は食べるペスカトリアン)の夫が「食べてみてもよい」といったので、息子と二人でKFCまで買いに行きました。

ノン・ベジィ(肉を食べる人)の私と息子はクラシックなフライドチキンを3ピースずつ買って食べました。
KFC製品を初めて食べた夫によると「まあまあだ」そうです。
濃い味のソースが欲しかったとも....
やはり肉を使っていない「チキンもどき」は味が淡泊なようです。
材料は、おなじみクオーン Quorn 社製マイクロ・プロテイン micro protein 。KFCのウェッブサイトで調べました。
フライドチキンと同じ11の極秘スパイスでコーティングされているそうです。
卵を使わないビーガン協会認定のマヨネーズがかかっています。
ベジィが全人口に占める割合が非常に高いイギリスでは、たいていどこのレストランに行ってもメニューにベジィ・オプションがあります。
それこそ、パブはもちろん、ステーキハウスやマクドナルド、インド料理、中華料理屋や「和風」ラーメン店にも、です。
スパイスの効いたタレに漬けこんで焙ったチキンが評判のポルトガル料理チェーン、ナンドー Nando に、ベジィ(正確にはペスカトリアン...くどいですね)の夫と先週行きました。
「ベジタリアン・オプションのハールーミ・バーガーがおいしかった」と友人が言っていたので。

ハルーミ halloumi は粗く練ったカマボコのような食感の、キプロスのヤギの乳のチーズです。イギリスでは古くからなじみがあります。
ポートベロという、傘の大きなキノコといっしょに特製のタレに漬けこまれて焙ってありました。
なかなかのアイデアです。
夫は「鶏モドキを使っていないところが気に入った」と言っていました。
ちなみに、これは人気のチキンの4分の1。

ハルーミ・バーガーはチーズ(乳製品)製なのでビーガンには適応しません。
「焼き鳥屋」であるナンドーのウェッブサイトによるとべジ・バーガー veggie burger とピタブレッドのメインに、フムス houmous(ヒヨコマメのパテ)やサラダ、ポテト類などビーガン対応もカンペキだとうたっています。
「え、ベジタリアンがどうしてわざわざ、ステーキハウスやポルトガルの鶏料理やに行く!?」と思うでしょう?
行くんです!ベジィはベジィ・オプションがどこに行っても用意されていることを期待しているのです。
「イギリスの中流階級の女性の3分の1(諸説あり)がベジィ」と言われている現在、ある程度の人数で会食するグループのメンバーに1人もベジィがいない、とは考えにくいのです。
すべての人が食べられるメニューを用意しておくことが飲食店の成功のカギであるのは間違いありません。
そんなイギリスでも、今回のビーガンバーガー登場までなぜか KFC にはベジィが食べられるものがなかったのです!!
突然登場!しかもベジタリアン・コンセプトを飛び越えた、食べられる品目の制限が厳しくより一層実行が困難とされるビーガン・バージョンです!。
それほどまでに話題作りにもってこいのビーガン食品!
前回も書いたように、ブームなのです。
さて、昨日はベジィ・スパゲッティ・ボロネーズを作りました。


月に2回は作る、うちの定番です。
スーパー、セインズベリ―の自社商品の「べジミンス vegee mince(一般名)」を使いました。

商品名はええと、Meat Free Mince、大豆たんぱく製 だそうです。ビーガン食にも適応します。
冷凍庫には、ベジタリアン食品の草分け、クオーン社オリジナルのマイクロプロテイン製、クオーン・ミンス Quorn Mince (登録商標)の開封されていない袋もあります。

(あら、こちらはビーガン適応ではありません!!)
昨日のビーガン適応冷凍ソーセージといっしょに、ベジタリアン食品の高級ブランド、リンダ・マッカートニー Linda McCartney's のプルド・ポーク pulled pork も買いました。

リンダ・マッカートニーの冷凍食品のいくつかが半額でした。
プルド・ポークというのは棺桶のようなアルミの缶に入れて低温で長い時間をかけて調理された、引っ張るとホロホロほぐれるやわらかーいポークです。
まさか、プルド・ポークのベジタリアン食が発売されていたとは!
小麦粉と大豆でできているそうです。
袋の写真のような中華風のヌードルに使うつもりです。
べジ・ミンスなどのベジィ用の食材はもう30年以上も売られていて、夫がベジィの私の家でもずっと使っていました。
去年あたりから始まったビーガン・ブームの広がりはとどまるところを知りません。
ビーガン生活を実践している人だけではなく、興味を持って食べてみる人も非常に多いらしく、市場の可能性は限りがないということらしいのです。
ビーガン食材が次々と開発されていますし、レシピも雑誌やテレビやオンラインで次々に紹介されています。
実際、色鮮やかでおいしそう、食べてみたらおいしいし、実行するのも意外といたやすいかもしれない...と思われるこの頃です。
なにせ、あのKFCでビーガン・バーガーを売り出すほどなのですから!!
ほんらい肉や魚だけではなく、卵や乳製品まで断つ生活をずっと続けるのはかなりの覚悟がいるはずだったのです。
明らかに流れが変わってきています!
かわいい動物を殺すにしのびない、魂がある動物の肉体を自分の体に入れると汚れるなどという本来のビーガン理念のほか、健康に良いらしいという理由でビーガンになる人も増えてきています。
そして、今は環境問題...家畜を放牧するために森林が切り開かれたり、家畜が呼吸すると二酸化炭素が...家畜の飲み水が水不足を引き起こすとか..ビーガンが増えれば止められそうな環境破壊現象がいろいろあるようです。
.(確かにもっとなのですが、ビーガン実践なんてハードルの高いことを実行するよりもっと環境のためにするべきことがありそうだ、と思ってしまうほど説得力が低いです)
ビーガン生活を実行するのは「意識が高い」ステータス表現のようで、おしゃれなことに思われているようなのです。
日本食品の普及もビーガンブームに影響しているかもしれません。
今やイギリスでも一般的なミーソー、トーフー、ソイ・ソース(しょうゆ)、わかめ、海苔は理想的なビーガン食材ですから。
ちなみに...
魚介類は食べる「ペスカトリアン」の私の夫は、「自分はベジタリアンだ」と自己紹介しています。
イギリスの多くのペスカトリアンもそうしているようです。お食事に招待される、一緒に食事をしに行くなどの機会には必ず「でも魚は食べます」と言い足すのが普通です。
「あ、じゃあ あなたはペスカトリアンですね」と言われることもあるそうです。
じゃあ最初からペスカトリアンだと自己紹介したらどうだ、と思いませんか。どうやら食事の予定などがない場合わざわざ細かく言わないで「ベジタリアン」で済ませるのがスマートなようです。ペスカトリアンもベジタリアンの一派なのですから。
じゃあ、ビーガンもベジタリアンの一派だと言っていいのでは、と思うでしょう。(広義にはその通りなのです)
ビーガン(実行者)はベジタリアンと混同されるのを好まないようなので注意が必要です。
ベジタリアンの夫と結婚して3回に1回は付き合いでベジタリアン食を口にすることになるまで私も疑問に思っていたことがあります。
「ベジタリアンやビーガンの人は自分からすすんで困難な食生活を続ける誓いを立てたくせにソーセージ・ロールやKFCやプルド・ポークやその他もろもろの肉料理に未練があるのか...!!?」
夫の答は明確です。
バラエティ―が欲しい、のだそうです。
肉モドキを食べるのは肉が食べたいからではなく、食べられるものの種類を増やしたいからなのだそうです。
野菜と果物それに穀類、豆類だけの味気ない食事を連想しがちなビーガン生活ですが、KFCもオッケーなんですよ、今では!!
べジィとノン・べジィに分かれた夫婦そのものはそれほど珍しくないのですが、私たちのように夫がべジィで妻がノン・べジィというのはけっこう珍しいようです。
ベジタリアンの80%は女性だそうです。
妻やティーンエイジャーの娘がべジィにまず改宗し、夫や父親を説得して家族ぐるみべジィになるケースが多いと聞きました。
夫が結婚前からべジィなのに改宗しない妻(私)というケースが珍しいようなのです。
私は肉を食べる生活をやめるつもりはありませんが、夫のためにべジィ料理を作って付き合いで食べるのはちっとも苦になりませんが。
KFCの店内で....

...見かけた、創業者であり、マスコットでもあるカーネル・サンダースのシンボル黒いリボンタイを模した椅子を見かけました。

薄暗い店内の壁に映し出される音なしCM映像を、注文した品が出来上がるまで見ていました。
イギリスのKFCで調理されるニワトリはすべてイングランドと北アイルランドの契約農家で飼われているフリー・レンジ・チキン(放し飼いのニワトリ)だと明言していました。
フリーレンジの解釈は一般の消費者が考えるよりはあいまいで、実際は解放された戸外へのアクセスが多少ある「舎飼い」であることが多いのだそうです。
...が、しかし檻に閉じ込められたトリではないことがわかり、ほっとしています。
日本のケンタッキーフライドチキンの店頭に必ず立っているカーネル・サンダース像よりずっと老けた実写の創業者Mr サンダースが「きみもチームの一員にならないか」と就職希望者を募っていました。
