リスボン滞在中に夫が夕食に食べた、素朴なツナのステーキです。
(夫の着ているシャツの柄にも注目です)
昨日のストックポート日報の続きです。
ツナは、日本ではマグロのことらしいのですが、英語ではカツオやメバチも含む大きな分類上の呼び方なのだそうです。
北太平洋で捕獲され、ポルトガルでも大量に消費されているというこのツナも、ああああ....乱獲で数が激減、消費を控えなくてはならないらしい指定魚類だったみたいです!
特にヨーロッパで好んで食べられているブルーフィン・ツナ bluefin tuna (タイヘイヨウマグロ)が捕獲制限対象になっているそうです。
最近、イギリスのスーパーの魚売り場から姿を消したそうですが、私は全く気がつきませんでした。
代わりに(?あるいは以前からずっと二本立てだったのか定かではありませんが)ブルーフィンほど貴重ではない「亜種」のツナがけっこう高い値段で売られています。
お刺身で食べるわけではないので、私には味の違いが判りません。
とてもおいしかったという、夫が食べたこのツナがポルトガルでも昔から食べられている貴重なブルー・フィンだったのか、「亜種」だったのか、今となってはわかりません。
私が食べたのはリスボンで2度目の大好物の(イギリスでは食べられない)タコ!
おじやのような代表的なポルトガル料理の一つですが、名前はまた忘れました。
具はいろいろ、やはりタコを選びました。
以前、ポルトでも「タコ飯」を食べたのですが、味が薄くあまりおいしくなかったことを後で思い出しました。
今回のこの料理は、ライスに味が濃くしみていてとてもおいしかったです!
ああぁ、よかった!タコは規制が今のところ全くないようなのです。
大量捕獲には向いていないので、絶滅危惧にもなりにくいらしいです。
以上、この日の夕食はリスボン中心の、古い街並みがごちゃごちゃ残る地域にある、O Sopinhas というポルトガル料理のレストランで食べました。
実は、行き当たりばったりで午後2時過ぎの遅いおひるごはんを食べに入ったこの店がとても気に入ったのです!
散策や買い物をして、夜の8時過ぎに夕食を食べにこの店に戻ると、私たちのことを覚えていてくれたらしく、とても歓迎されました。
間口が狭く奥行きが深い、ウナギの寝床のような店内はニスを塗った板張りで1980年代風の内装です。
おひるには夫は薄く切った食パンが浸されたスープに卵が落としてある不思議なポルトガルの軽食メニュー、私はほぐしたカニや白身の魚の肉がやわらかく煮込まれたトマト風味のシーフードスープを注文しました。
、
二人ともあまりお腹が空いていなかったのでちょうどいい量で、しかもとてもおいしかくて値段もお手頃でした。
よその国の食文化を(しかも手ごろな値段で!)、楽しませてもらったのですから、地球環境や生物の生態系に関してくどくど言わない方がいいのかもしれませんね。
その前の日の夕食は、ベジタリアン(正式には、魚は食べるペスカトリアン)の夫がインターネットで見つけていってみたいといった、ビーガン・レストランで食べました。
予約をしたのですが、夕食時間の7時の開店前には、アメリカ人観光客が長蛇の列を作っていました。
メニューは英語のみ。テーブルには英語のアート雑誌が置いてありました。
開店と同時に席は、ボヘミアンな服装の(私が見る限り)すべて外国人観光客のみでほぼすべて埋まりました。
白い漆喰壁のおしゃれな内装で、ウェイターは白いティーシャツにジーンズの「新進シェフが気鋭の料理を提供するおしゃれなカフェ/レストラン」の世界的定番の演出で....いやな予感がしていたのです。
まあ、あまりベジタリアン食文化が根付いていないといわれているポルトガルで、ベジタリアンどころかビーガン(!)料理を食べてみるというのも一興かとけっこう興味津々だったのですが.....
(ビーガンは日本語では完全菜食主義といわれている、肉や魚どころか卵も乳製品も口にせず、革製品も使用しない極端な菜食主義のことです。
イギリスではかなり社会に浸透しています)
奥は、夫が食べたひき肉の代りに裏ごししたマッシュルームを詰めたラビオリ。
おいしかったそうですが、冷凍食品がイギリスのスーパーでは売られているメニューです
手前が、白身の魚をブドウの葉で包んだポルトガルの伝統料理のビーガン風アレンジ。
海苔で巻かれた水分を抜いた豆腐。
豆腐の使い方に興味を持って注文したのが間違いでした。
味が全くなく、海苔が生臭かったのです。
緑の葉は菜花だったのですが、茎が全く咬み切れません。
数口食べて残しました。
食べ始めた頃を見計らってウェイターが「いかがですか」と声をかけるのはイギリスのテーブルサービスレストランと同じ。
夫が「妻が好きではないと言っている」と告げたところ、若いウェイターが「Ah!」といったきり、何のフォローもなく引っ込みました。
イギリスでは不満な点を聞きだして「ほかに何か差し上げましょうか」と無料のオファーがあったり、シェフが出てくることもあり、ていねいに対処するものなのですが、どうせ戻ってこない観光客相手の気取った店の「うちの最高の味が口に合わない洗練されていない客も中にはいるだろう」といった傲慢さが垣間見える態度でした。
ビーガン料理とはこういうものなのだと納得して受け入れるべきなのかもしれませんが、なにせ、日本の食材各種を豊富につかって自信満々にマズい料理を作り上げたところにも引っかかったのです。
値段も高かったです。
おいしい食事が手ごろな値段で楽しく食べられるカフェやレストランを見わける手掛かりの決め手は何といっても地元の人が行くかどうか、に尽きますよね。
「内装がフルクサイ」のが地元の人が行きやすい店の目に見える特徴のような気がします。
おしゃれな内装じゃなくても、安くておいしくて居心地がいいことを知っている地元の常連客は気にしませんから。
リスボンに関して言えば、「つけっぱなしのテレビがある」というのも気さくなレストランの特徴かもしれません。