イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ネコのハゲあとと植物の生存欲にみる、季節の変わり目、自然の神秘

2024年09月30日 05時03分25秒 | うちのネコ、よそのネコ

息子ネコ、ティブの背中ハゲ問題は...

ほぼ、解決しました。晴天のー昨日撮った写真です。

はげていた部分に、まだ短いので段差がありますがみっしりと毛が生え戻っています。そして毛の短いはげていた部分には、濃いグレーの被毛に混ざって生え始めた白い短い毛がちらほら見えています。

寒い冬にそなえてなのか、フェルトのような短い毛が長めの毛の根元に生え始めているようです。

二重の防寒構造? ほかの部分の毛をかき分けても似たような現象が見られます。元ハゲ部分は毛が短いから目立つのです。

 

ここ数日、庭中に大量に飛来してくるシカモア sycamore (セイヨウカジカエデ)のタネをのせてみました。

しばらくこのまま、じっとしていました。

となりの家をはさんで左側には、1日に3回だけ貨物列車が行き来する線路があります。野生動物の生息地であり樹齢が100年を超える巨木もたくさん生い茂っている自然保護区域のようなエリアです。

この家に引っ越してきてから、20余年、ほぼ同じ大きさだったシカモアの木がこんなにたくさんタネを飛ばした秋は今年がはじめて...のような気がします。と言うか...前年まで庭で見たおぼえがありません。

ふしぎだなぁ。うちの庭の大木を今年伐採したことと何か関係があるのかもしれません。

夏のあいだ、ティブのお気に入りの昼寝スポットだった巨木の切り株がまだ生きていて、枝葉がにょきにょき成長し続けているその生命力には驚かされます。

曇り日の昨日撮った写真です☟空の青さが段違い...

うちの庭にシカモアの巨木が育ったりしたらこまるので、ていねいに拾って捨てています。バケツ1杯ぐらいは掃き集めたはずです。

1本の木から想像を絶する数のタネがまき散らされているわけなのですが、これがすべて発芽して成長したら国中すべてがシカモアだらけの太古の森みたいになって収拾がつかなくなるでしょう。もちろんタネを飛ばす樹木の数は数知らず...

発芽して気に育つ確率は、何十万分のーぐらいでしょうか?

「ヘタな鉄砲も数うちゃ当たる戦法」の数での勝負です。種の保存をかけて必死な植物の執念を見る気がします。

シカモアのタネが飛来するところはまだ目撃していませんが、つかんで投げるとタネを軸に羽の部分が旋回してキリキリと舞うように落ちてくる様子が圧巻です。

晴天の秋の日を楽しむ母子ネコです。

母ネコ、リヴィーの写真も載せておきます。

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かやぶきコテージ裏の静かな雑木林の小道、ちょっとした郷土史のー部

2024年09月28日 04時17分53秒 | 英国の、生活のひとコマ

紅葉がすすむ閑静な住宅街です。

駅、診療所、図書館そして商店街のあるバス通りと(ほぼ)平行に走る通りです。

.

バス通りに抜ける近道のひとつが、このベンジャ・フォールドと言う...

...3本に分かれた小道です。

 

左端は...

行き止まりに高級老人ホームがある、ー車線の車道です。(対向車をやり過ごすための退避スペースがあります)

モデルルームへの案内に熱心です。

 

右の道は選挙の投票所にも使われる「スカウト・ハット」で行き止まり。

そしてまんなかが、バス通りに出る古い古い小道です。紅葉はまだ、今ひとつ...(残念)

 住宅街と繁華なバス通りのあいだに、こんなに静かな雑木林があることが驚きです。全長は徒歩5分ちょっとぐらい。

小川がジョロジョロ流れています。

 

鳥のさえずりとともに、左側の線路を電車が通過するゴーッという音が聞こえました。

橋を渡って坂を上がれば...

17世紀のかやぶきコテージがかたまって残る開けた場所に出ます。

ボロボロのクロッカス・コテージと...

かやぶき屋根が見事に残るベンジャ・コテージです。

コテージについて書いた前回の記事のリンクです☟

ちょっとした郷土史を今に伝えるにぎやかな商店街のはずれのかやぶき密集地(無残)

ベンジャ・フォールドはおそらくこのかやぶき屋根のコテージ群以前からのフォールド(囲いこみ地)なのでしょう。

ベンジャ・コテージの前を通ってバス通りに出れば2020年代の現実社会です。

ベンジャ・コテージの右に樹齢数百年の樫の木がそびえる空き地があります。

 

老人ホームの敷地だそうですが、「ベンジャおばさん(前回の記事参照)」によれば、この場所には何も建ててはいけないという条例があるそうです。17世紀の集落の名残と囲い込み地に雑木林の小道が始まるこの場所の景観を昔ながらに維持するためでしょうか。

老人ホームの入居者が夏にピクニックでもするといいかもしれないスペースです...が、もったいないですね。

バス通りをはさんだななめ向かいに駅、すぐ向かいに図書館と診療所があり5分歩けばオシャレなカフェやレストランで人気の商店街があり、マンチェスター国際空港に直通のバイパスもすぐ近く...日本だったら高層マンションや多層駐車場が建設されるべきー等地です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちょっとした郷土史を今に伝えるにぎやかな商店街のはずれのかやぶき密集地(無残)

2024年09月25日 05時32分28秒 | 英国の、生活のひとコマ

商店街がある賑やかなバス通り沿いに、かやぶき屋根のコテージ  thatched cottage があります。

バス通りをはさんで向かいには駅、図書館、診療所があります。

 

3年前に記事にしました。☟

商店街の始まりにかたまって残るかやぶき屋根のかわいらしいコテージ、イギリスの原風景?

じつはもう3週間も前の話ですが...(3週間前に撮った写真と、火曜日に撮った写真が混在しています)

図書館から出た時に、このコテージの奥にある、同じくかやぶき屋根のー棟の長屋の屋根にターポーリン tarpauli(防水シート)がかかっているのが目につきました。

「何事だろう」と道を渡って行ってみました。

かやぶき屋根、いつの間にか取り下ろされているようですね。荒み方もすごいです。

ちょうど表通りに面した目立つコテージ、「ベンジャ・コテージ Benja Cottage」...

...に住む高齢女性(以下、ベンジャおばさん)が家の前の落ち葉を掃除していたので事情を聴きました。

ちなみに、この1棟の長屋には「クロッカス・コテージ Crocus Cottage 」という登録名があります。

 

「ベンジャ・コテージ」とともに、第二級保存指定建築 Grade II listed Building, National Heritage List For England です!建造は17世紀。書類等はなく考古学研究に基づく推定だそうですが。帰宅後、郷土建築史のウェッブサイトで調べました。

☟細長い箱のようなのは、「井戸」のポンプです。

ベンジャおばさんが「もう10年近くこの状態」と言っていたのはかん違いです。3年前のストックポート日報に完璧な状態のかやぶき屋根の写真を載せています。上のリンクをあけて写真を見てください!

ベンジャおばさんと親しくしていた「クロッカス・コテージ」の(現在ボロボロの右端部分の)持ち主は高齢で古い家の維持が難しくなったので10年ぐらい前に現在の持ち主の男性に家を売り、息子の家のそばに引っ越したそうです。10年前に引っ越したのは事実かもしれませんが、たったの3年前までは立派なかやぶき屋根は健在でした。

...3年前に私が写真を撮った後に、おそらく現在の持ち主が引っ剥がしてしまったのではないでしょうか。その後葺き替える予算が底をついたとか...?保存指定建築ですので、お手頃ななタイル瓦などを載せるわけにはいきません。

ベンジャおばさんと今は亡き旦那さんがベンジャ・コテージを買ったのは20年ほど前、歴史遺産の現状維持に心を砕いてきたそうです。

保存指定建築を好き勝手に補修、改装することはできません。...と言ってもベンジャ・コテージは、17世紀の建造物でありながら19世紀にかなりの部分が、17世紀のスタイルで(ほぼ)忠実に補修改装されているようです。(ウェッブサイト調べ)

5~60年ごとのかやぶき屋根の葺き替え時期はまだ先、10年ちょっと前にいたんできた藁を抜いて部分的に取り換える作業をしたそうです。

ギルド資格を持つ、通いで作業できる地元の職人にたのんだら仕上がりが気に入らず、イングランド中部を拠点に国中を旅してまわる評判の良いかやぶき職人ー家(お父さんと息子3人)に依頼しなおしたそうです。

数日、裏庭にテントを張って泊りがけの作業で、食事は依頼主が提供。満足のいく仕上がりで数年後にまた依頼する予定だとか。

カギ型のクロッカス・コテージの奥の部分は以前からスレート瓦葺きです。ボロボロ部分に住んでいた、ベンジャおばさんの知り合いとは別のご家族が住んでいるようです。不動産ウェッブサイトによるとー時売りに出ていたので、比較的最近に越してきたのではないでしょうか。

外から観察したところ、ボロボロ部分の並びのもう1軒分までそのご家族が住んでいるらしいことが察させられました。(上の写真の、電灯がついているドアが入口だと思います)

ベンジャおばさんも、ターポーリンに覆われた見苦しい隣家の歴史資産のようすに心を痛めていました。かやぶき屋根の葺き替えが待たれます。

ドアの数から察するに...3軒長屋の様相です。

となりの、戦没者慰霊塔も第二級保存指定建築だということをウェッブサイトで調べて知りました。

この「戦没者慰霊広場」から、ベンジャ・コテージの裏側がー望できます。

かなり長いこと、戦没者慰霊広場に面した板塀が倒れていて、修繕する気配もありません。

ベンジャ・コテージとクロッカス・コテージのあるバス通りから引っ込んだ小道には、ベンジャ・フォールド Benja Fold と言う古風な名前がついています。fold とは「囲い込まれた土地」と言う古語だそうです(今調べました)

ベンジャ・フォールドは、バス通りと平行に走る高級住宅街に通じています。小川の流れるうっそうとした雑木林を抜けるタイムスリップしたような小道です。クロッカス・コテージの脇を走っています。この話はまた今度。

 

 

 

 

 

 

 
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自家栽培のリンゴをつかった自家製のアップル・ソースの使い道

2024年09月23日 07時11分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

庭のリンゴの収穫と、アップル・ソース apple sauce 造りの話題の...続きです。

コメントで、アップルソースの使い道について聞いてくださった方がいたので改めてお答えします。

ジャムとしてトーストに塗って食べます。市販のジャムよりかなり糖分が控えめです。

プレーンヨーグルトに混ぜ込んでもおいしいです。

市販のペイストリー pastry(パイ皮)に包んで巻いたり、真ん中に載せて折ったりしてオーブンで焼けば手軽な焼き菓子にもなります。

なんと言っても、「付け合わせとしてポークに添える」のが最もー般的な使い方です。

毎週、日曜日恒例の、サンデー・ローストでアップル・ソースを使いたいがためにポークを買ってきてローストしました。

右側の、パン粉をバターでつないだお団子(スタッフィング stuffing )のとなりでとろんと液状になっているのがアップル・ソースです。

実は、ちょうど娘と私が2人で食べる量のポーク・ロイン pork loin(腰肉)のひとかたまりとパックに入ったグレイビー gravy(ソース)、それに出来合いのスタッフィング4個入りの、ソースに浸してローストするだけの「らくらくサンデー・ディナーセット」を使いました!

半額落ちしたのを手に入れました!

日曜日の午後、4時の閉店直前にスーパーマーケットに行くとおいしそうな高級食材が投げ売り価格で買えるのです!略奪後のようなガラガラの棚にスタッフが総出で入荷したばかりの大量の商品をつめているところに行き当たりました。(余計な情報でした)

アップル・ソースはソーセージやポーク・ソテーにも使います。ポーク料理との相性がバツグンなのです。

昔は秋になるとクリスマス前に屠殺する家庭用のブタにたっぷりの、地面に落ちて傷んだリンゴを食べさせたそうです。

リンゴはブタの大好物、秋にリンゴをたくさん食べさせると肉の風味がよくなると言われたらしいです。

 

アップルソース作りについて書いた記事です☟(記事中に庭のリンゴの収穫に関する記事のリンクが貼ってあります)

庭のリンゴでさっそく作った自家製のアップルソース、思いのほかの手間と出費!

 

 

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のどかな秋の風物詩、かかしの祭典に人体実験の参加作、白衣を着たうさちゃんの死の天使

2024年09月21日 05時14分50秒 | 英国の、生活のひとコマ

商店街で、8月の中ごろから「かかし祭り Scarecrow festival 2025」が開催され(...すでに終了し...)ました。

地元のロータリー・クラブが主催する、かかし造りの腕と言うかセンスを競い合う地元振興の慈善イベントです。参加費用は20ポンド、全額、慈善事業に寄付されます。

9月14日(土曜日)にストックポート市長(!)による審査の結果、5部門の優勝作品が発表されイベント終了。

 

審査結果の発表後、ほとんどの参加者は参加作品をかたづけています。が...

イベント終了後、5日もたつ木曜日になっても敷地内で存在感を主張し続ける、かなりクセのある参加作品(上の写真)が気になりました。

「バイオハザード(生体への危険)警告マーク」付きの「うさちゃんの実験室/人体実験のみ」札がつけられた檻(鳥かご)に収監されたバービー2体...手前のー体には「実験材料#8925」と書かれた札がつけられています。不穏です...!

ウサギの耳のついた帽子をかぶり白衣を着た、「バニー(うさちゃん)の科学者」の...かかしです。

The Humane Research Trust (人道的な研究財団)というチャリティ団体らしい、機関の活動内容が気になりました

帰宅してから調べてみると...(看板の下にも簡単な事業内容の説明があります)

住宅を拠点にしたこのオフィスが全国規模で活動している「動物の生体実験廃止」を目標に活動するチャリティ団体の総本部らしいです。

人間の病気や人間が使う製品の安全性などに関する研究、実験に動物を使う必然はない、①「細胞学」技術の応用で...(私には理解不能の科学用語満載の説明でした...)生体実験と同じ正確さで検証できる、②コンピューターのアルゴリズムで解明できる、③最後の段階には人間で臨床実験できる... 以上の3手段を生体実験の代替として提案、研究機関にアドバイスや手助けをしているようです。運営者は生物学者や医学者です。

私にはわかりませんが本当なのでしょう。応援したいです。

 

ヒューメイン・リサーチの道路をはさんで向かいの歯科診療所の...

手の込んだ歯科医師と患者の2体コンビのかかしです。(イベント開催中の、2週間前に撮りました。私の一番のお気に入り)

 

他にも、50体は見かけました。いちばん上の写真は私がボランティアでお手伝いをしているチャリティショップ、オックスファムの斜め向かいの弁護士事務所の参加作品です。「バニーの科学者」と同様に木曜日になってもまだ展示されていました。弁護士事務所の作品は絵本などに登場する牧歌的で伝統的なかかしをていねいに再現しています。イベント終了後も、秋らしいオフィスの飾りとして10月の終わりごろまで客寄せに展示し続けるつもりかもしれません。

 

英国では夏の終わりから秋にかけて「創作かかし造り」がなぜかものすごーく人気です。病院などにも地元の小学校の子供たちが作ったかかしが飾られていて見る人をギョッとさせることがあります。

うちの供たちが小さかったころ、立ち寄ったカントリー・パークのカフェで「参加者が少なくて盛り上がらないので飛び入りで参加してほしい」と声掛けされて了承、麦わらがいっぱいの倉庫に案内され家族で1体作ったことがあります。用意されていた材料(大量の古着やぼろ布)を使ったので大して創意工夫は発揮できませんでしたが...優勝しました!

賞品はオープンしたばかりの歴史遺産アトラクション、Staircase House の家族入場券でした。(Staircase House はストックポート日報で取り上げるにふさわしい、ストックポートの重要な観光資源なのですがまだ投稿が実現していません)

クリーニング屋のペンギンは「野生部門」の優勝作品です。制作した店員さんが顔見知りなので写真を撮りました。

かかしと言えば、藁を詰めた布(あるいは枕カバー)をテルテル坊主のようにしばった頭部をモップの柄に取り付けて、十文字に渡した横木に袖を通して着付けをするのが定番ですが...ペンギンとは意表をついていますね。

市の指定ゴミ箱に半身を隠した探検家のかかしは「オリジナル」部門の優勝作です。美容院の参加作品です。

これらの優勝作品はイベント終了後も火曜日あたりまで、優勝の証の黄色いロゼットを得意そうにつけて展示され続けていました。(木曜日に行った時は、どちらも片付けられていました)

人体実験実施者のバニーの科学者は、いつまで居座るつもりなのでしょうね。(がんばれ)

 

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庭のリンゴでさっそく作った自家製のアップルソース、思いのほかの手間と出費!

2024年09月19日 05時40分48秒 | 英国の食べ物、飲み物

3日連続の晴天です。

 

今日の話題は庭のリンゴ、続編です。アマゾンで注文したジャム・ジャー jam jar (ジャム用のビン)が届いたので、昨日、アップル・ソースを作りました。

前回の記事です☟

やっと生育環境が整ったわが家のリンゴの木、小雨の中のリンゴの収穫

 

昨日つかったのは20個ぐらい。2㎏ぐらいはあったはずです。

コーラー corer で芯をくりぬいて、ピーラーで皮をむいて、ほうちょうで四つ切りにして、濃い塩水に放り込んでいきます。

夫が芯のくりぬきを手伝ってくれました。

皮むきがくりぬきに追い付かず、穴が貫通したリンゴがたまっていきました。早く塩水につけないと穴の内側が茶色く変色してしまいます。見かねて夫もコーラー兼ピーラーで皮むきをはじめました。

夫がむいたリンゴは皮といっしょにゴツゴツと果肉も大きくそがれ、リンゴとは思えない形状になりました。使いきれないほどあるリンゴは煮つぶせば形はなくなるので気にしないことに...ニュースを見ながら黙々と作業しました。

塩水にレモン1個分のしぼり汁も入れてみました。レモン汁もリンゴの果肉が茶色くなるのを防ぐ効果があります。そのまま食べると酸っぱい料理用のリンゴなのですが、塩水とレモン汁にしばらく浸けると甘みが引き立って生でもおいしく食べられました!

 

途中で、四つ切りにしたリンゴをいったん塩水からだして、薄切りにしてまた戻しました...薄切りにした方が火の通りが早いととつぜん気がついたからです。

ミキシング・ボールがいっぱいになったら、塩水を切ってすこしずつお鍋に移していきました。

お鍋が三分の二ぐらい、塩水にどっぷりのミキシングボールがいっぱいになったところで作業中止。テーブルに3個残ったリンゴは次回使うことにして棚の上に戻しました...ジャム・ジャーが足りるかどうかわからなかったものですから。

ひたひたに浸る量の水と、ディナー・スプーン(大さじ)3杯のグラニュー糖をくわえ、30分も中火で煮続けるとスプーンでつぶせるほど柔らかくなってきました。

リンゴから出た水分で思ったより水っぽくなってしまいました。なめらかに仕上げるため、ブレンダーを突っ込んで攪拌し、弱火で水分が減るまでもう30分ほど煮つめました。途中で、ちょっとなめらかすぎると感じたので薄切りの塩水に浸したリンゴを加えてみました。...これが「第1の鍋」。

甘さ控えめで、おいしくできました。

ジャム・ジャーとふたを煮沸消毒中のお鍋ふたつとリンゴの鍋の、計三つとも弱火で加熱したまま...

アツアツのアップルソースをアツアツのジャム・ジャーに大きなレードルでそこら中にこぼしながら詰め込み、すかさずアツアツの金属ふたを閉めました。

殺菌は万全、このまま1年ぐらいはもつはずです。

以前、ビクトリア時代のおばあさんの知恵袋のような番組で見た、ジャム・ジャーの中にブランデーに浸した紙を落としブタのように押し込むとより保ちがよくなる...というライフハックを試してみたかったのですが、残念、うちにはブランデーなんかありません。

水気を切ったボールに残ったもう半分は水を少なめ、30分で仕上げました。この「第2の鍋」はブレンダーにはかけず、フォークで潰したゴロゴロバージョンです。

オレンジとナス紺色のチェックのふたが、半ダース買った新品のジャムジャーです。かわいかったので衝動買いですが...けっこう高かったです。

(ゴロゴロ・バージョンは右側の4つ)

赤いチェックは、フランスの老舗ジャム会社、ボンヌママンのジャム、黒いふたはケイパーのピックル、手前のSALSA DIP と書かれたトマトの絵まで入ったみっともないふたは言わずと知れたサルサ・ソースの空きビン流用です。

もっと前からビンをためておけば無駄使いせずにすんだんですよね...。チャツネやら粒マスタードやら、たくさん捨ててしまっています。

オレンジのチェックのふたの新品ジャムジャーがひとつ、キムチ(強烈なキムチ臭は塩水で洗って抜きました)とオリーブのビンが使われずに残りました。煮詰めたら思ったよりカサが減るものですね。次回からの量の目安にします。

全てのリンゴをアップルソースにして保存するには、あと10個は250ml入りのジャムジャーが必要でしょう。

手間と「初期投資」を考えれば、市販品を買った方がぜったいお得なのですが....

夫がアップルパイが食べたいと言うので、来週、薄く切ったリンゴの形を崩さずに甘く煮ることにします。(ジャムジャーは不要!)半日つぶした自宅の庭のリンゴ料理...実はすごく楽しかったです!

まだ、庭のリンゴの木には15個ぐらい枝についたままのリンゴが残っています。洗濯ものを干す時に私が頭を枝にぶつけ、2つコロコロっと落としました。

 

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わが家にケンカを売りに来る、バットマンの仮面をつけたビクビク・ネコ、よそでは泰然

2024年09月18日 05時31分19秒 | うちのネコ、よそのネコ

わが家のある短い通りに入る角の家の前庭に...

うちのリヴィのケンカ相手のバットマン・キャットがいました!念願の写真撮影です。

ケンカと言っても「フー」とか「ハー」とかの、口論です。

うちのドライブ(駐車スペース)に、あまり外出しないリヴィーが出ているのを見つけてどこかからケンカを売りに来るくせに、口論(フー、ハー)を聞きつけて私がドアを開けると、いちもくさんに走って逃げるよわむしバットマンです。

 

よその家の敷地だとそこの家の飼い主に対してやたらにビクビクしているくせに、他の場所だと悠然としています。もしかして、私が宿敵、リヴィーの飼い主だと気がついていない...?

この家の飼いネコでないのはたしかです。この家に20年近く住んでいたドイツ人ー家は1年ほど前に引っ越していなくなりましたがバットマンがうちの敷地に出没し始めて3年は経ちますから。

角の家なので広い通りに出るために庭を斜めに横切って近道に利用するネコは多そうです。広い通りに面した家のどれかで飼われているはずです。

逃げずに落ち着いているところをあらためてよく見ると、バットマンのマスクが鼻のあたりでみっともなく滲んでいますね。

本名、不明。性別、不明。

 

 

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やっと生育環境が整ったわが家のリンゴの木、小雨の中のリンゴの収穫

2024年09月16日 06時14分54秒 | 英国の野菜、果物

昨日は1日中、雨降りでした。

霧雨だったり、雨粒が見えるほどのザーザーぶりが時たまあったり...風も吹いていて夏も完全に終わりです。

話かわって...

庭の18年もののリンゴの木です。

夫の母(故人)からの結婚祝いの苗木がここまで育ちました。ライムライト limelight というオシャレな名前の園芸用の品種です。

そのまま食べる「デザート・アップル」ではなく、加熱してお料理の付け合わせや、ジャム、パイの材料として使う「クッキング・アップル」です。生で食べると酸っぱさとかすかなエグミがあります。

この庭に植樹されてからずっと、庭の奥のドッグ・ウィローという風情のない大木と共存を余儀なくされ...「日かげ者」の、あまり恵まれた生育環境ではありませんでした。木の生育が樹齢に比して遅いのはそのためでしょう。それでも近年それなりの収穫があります。

2020年夏に奥の大木を半分近く伐採、翌年の夏に初めてたっぷりの陽を浴びたものの、大木が1年ほどで伸び戻っちゃったのです!1度深く剪定をした木は反動的に成長を早め、以前にも増して濃く茂るらしいことを失念していました。大失敗です。

7月のはじめに撮った、大木伐採前の裏庭です。けなげに小さな実をたくさんつけた日かげもののリンゴの木(手前)がかわいそうに見えるでしょう?

そして今年の7月の終わりに、大木を思い切って根元から1m20㎝ぐらいの高さにバッサリと伐採しました。

たくさんなっていた育ちかけのリンゴの半数以上が伐採作業で地面にたたき落とされました。

 

あぁ、残念。

そのうちのいくつかを作業のジャマにならないように気を付けて拾い集めました。落ちたものの半分ぐらいでしょうか...?多くは踏みつぶされ、また大量に落ちてきた大木の葉や木くずといっしょに屋外用の掃除機で吹き集められて伐採業者にコンポスト材として持っていかれました。

ゴルフボール大の赤ちゃんリンゴの芯をとったり皮をむいたりする手間はごめんです。上の写真を撮ったあと、コンポスト材として処分しました。

そして2カ月近くのあいだ、木に残った兄弟リンゴたちは短い夏の陽をいっぱいに浴び、なんとか2倍弱の大きさにまで成長しました。もう1週間ぐらい残しておけばもうちょっと大きくなるかしら...

...と期待したものの、雨や風で地面に落ちてしまえば瞬く間にいたみます。昨日の朝は10個以上の落下を確認、すべて地面に面した側はナメクジに食べつくされていました。

枝についたまま虫食いや鳥が食い散らかして無残な形になったもちらほら見受けます。食欲の秋ですから、次々と食い意地の張ったトリたちの餌食になりそうです。

大雨が降ったり大風が吹けばまた半分ぐらい地面に落ちて夜半にナメクジの饗宴に供されそうです。

今が絶好の収穫時と微妙な判断をして、小雨の降る中、手の届く位置にあるリンゴをすべて伐り下ろしました。

トリにつつかれえぐれたのも混じっています。

ついでに奥のシェッド shed (物置小屋)に行く際に肩や背中をゴツンゴツンと実ったリンゴがどつく低い位置の枝をていねいに剪定しました。これから寒くなる時期に枝を伐ったのは賢明ではなかったかもしれません。切られたダメージから回復するには日光を浴びて成長しなければならないらしいので。

手の届かない2mぐらいの高さに残したリンゴです。

...寒さが本格的になるまで残しておき、成長具合を観察することにします。トリがすでにつつきまわした数個はトリのためにおいておきます

ちょっとした収穫です。

重かったので、片膝をコショウしている私は2回に分けて家に運び込みました。

日本で市販されているリンゴよりずっと小さいでしょう?

英国でー般市場に出回っているリンゴ(デザート・アップル)はこれよりほんの少し大き目です。

日本のどっしりしたものよりも甘さはひかえめですが、おいしくてとっても安いですよ。今年のCox (イングランドの代表的品種)の平均小売価格は1㎏が2ポンドから4ポンド(369円から738円)だそうです。(調べました)

たぶん、いちばん大きそうだったのがこれ。

残念、落ちて数日...半分腐っちゃっています。捨てました。

多少の痛みや虫食いには目をつぶって、ほどほどに状態の良いものを選んでアップルソースを作ることにします。

アマゾンで、プロの「ファームハウス・プロダクツ farmhouse products(手作り食品)」を販売している人が利用するようなジャムのビンを6個買いました。ジャムやオリーブの空き瓶を数個、最近すててしまったことを後悔しています。

去年のリンゴの収穫時には日本に滞在していました。留守番の夫がひとりでアップルソースを作り、保存はめんどくさかったため2回大きなパイを焼いて食べきったそうです。(写真をたくさん送りつけてきました)アップルサイダー(シードル)造りには失敗したようです。

 

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消費者の心をつかむため環境に良いことに切り替えていく、スーパーマーケットの新しい戦略

2024年09月13日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

1ヶ月以上前に撮った写真です。

ちょっと高級志向のスーパーマーケット、セインズベリー Sainsbury's で買ったサザンフライド・チキン Southern Fried Chiken の「半出来合い」製品です。スパイス入りの砂粒のように細かいパン粉のコロモがついていて、オーブンで焼くか油で揚げればシャリっと仕上がる鶏の胸肉です。

ケンタッキー・フライドチキンに代表される合衆国南部の郷土料理で、日本だと「唐揚げ」に匹敵するほどの人気で、コンビニエンスストアやサンドイッチ屋などでも売られています。

....いえ、今回のテーマは食べ物紹介ではありません。

茶色い厚紙の容器(紙の食品トレイ)に注目です!

プラスチックごみが世界的な社会問題になってずいぶん経ちますよね。紙の食品トレイが今までなかったのが不思議なくらいです。

 

別の日に庶民的なスーパーマーケット、アスダ Asda の店頭で撮ったサザン・フライド・チキンです。

あ、これは「胸肉 chiken breast 」ではなく「ミニ・フィレット mini fillet (細長いフィレ肉)」でした。

アスダのはおなじみのプラスチックのトレイ tray に入っています。

...ここ5~6年でしょう、多くのスーパーマーケットのプラスチックのトレイが、がっしりした硬い素材からカシャカシャした手触りの薄い素材に替わってきているようです。それでもやっぱり、先進国ではリサイクルが思うようにいかないと言われているプラスチックの容器入り。

別のスーパーマーケット、ドイツ資本の国際チェーン、リドル Liddle で買ったぺちゃんこモモ。

硬いプラスチック容器に入れられて売られていました。ちなみに、深いものはフランス語のカゴ(パニエェ)からパニエット paniet と呼ばれます。

セインズベリーはたぶん「意識高い系」の人がメインターゲットの客層なのでしょう。リサイクルがたやすく、簡単に分解する紙製の容器に少しずつ切り替えていくようです。

火曜日に久しぶりに行った大型店舗セインズベリーでは、もう半分ぐらいの生鮮食品が紙のトレイに入って売られていました。ジャガイモ、タマネギなどのゴロゴロ野菜は以前と変わらず「ビニール袋(英語でplastic bag といいます、後述)」入り。

1カ月前にチキンを買った時は、肉サカナほぼすべてと、野菜果物の10%ぐらいが紙皿入りだったような印象でした。

ー度にビシッと100%紙容器にきりかえられないのは、生産者のもとにまだプラスチック容器が残っているから...かな?エコロジー路線に切り替えたため、まだ残っているプラスチック容器を大量に廃棄したりしたらそれこそ環境に気遣う消費者の大反発を買いそうです。

庶民的な客層の比較的お手頃な価格のスーパーマーケットは対応が遅そうです。

ここストックポートを含む英国の多くの自治体ではスーパーマーケットの食品トレイはリサイクル対象外です。プラスチックの牛乳ボトルやドリンク、ケチャップなどの調味料入りのボトル類などが対象の、市が3~4週毎に回収する「プラスチック・リサイクル」ゴミ箱に入れられません。ー般ごみとして焼却されるようです。

「プラスチック・リサイクル」として回収されたボトル類はボトルの材料として再利用できれば理想なのでしょうが、なかなか難しいようです。コストがかかっちゃうようですから。そのかわり、プラスチックボトルを材料に作ったポリエステル衣料やランニングシューズ、ー体成型の椅子などが環境に気遣う人たちの人気を集めているようです。SNSのリールなどで制作過程の動画をよく見かけます。

 

...10年ほど前に、工業製品に再利用する名目で多数の先進国からひきとった大量のプラスチックボトルを中国が海に廃棄していて大問題になりました。

プラスチックのリサイクルってやはり採算に合わないので引き取り手数料を受け取ったものの、ゴミを押し付けられた中国はやっぱりいらなくなったのでしょう。

採算が取れるようなリサイクル・システムを整備するより、プラスチックごみを徹底的に減らす方が手っ取り早いそうです。調べてみたら、紙トレイに切り替えたのはセインズベリーだけではありませんでした。

大型店舗のセインズベリーに...

「やわらかいプラスチック flexible plastic」... 要するに日本で言う「ビニール」をリサイクルするための回収箱が設置されていました。ありとあらゆる、使い捨ての「ビニール」袋やシートや容器や包み紙を回収しているようです。梱包用のプッチンプッチン(バブル・ラップ bubble wrap)まで!

びっくり!...できるんだ。

ずっとー般ごみでしかなかった大量の「ビニール」類の廃棄をやめて、土壌や海洋に紛れ込まず焼却する際の有害ガスも削減されたら...すごい進歩です!

スーパーマーケットが販売している自社ブランドの、多くは店内で焼き上げているパンを包むシャリシャリした薄いフィルムや、レタスやブロッコリーを包むクリング・フィルム cling film (=サランラップ)みたいな「やわらかいプラスチック」はリサイクルできないようです。

薄いフィルムは土壌に還元できるし、サランラップみたいなのは焼却するしかないようですから。

ゴミを減らす工夫や、リサイクルに関してまだまだ書きたいことがあるのですが、長くなるのでまたいずれ...

 

ぺちゃんこモモを土嚢のように積んでみました。

皮のまままん中のへこんだところを親指と人差し指でつまんでパクっとかぶりつき、くるっと回しながら3,4口で食べられる小さなモモです。

 

 

 

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病院に付き添い、問題山積みの英国の医療制度を再評価

2024年09月11日 07時28分10秒 | 英国の、生活のひとコマ

娘がレントゲン(X-ray)を撮るためにストックポート唯ーの病院、ステッピングヒル・ホスピタルに行きました。(近所です)

「レントゲン科」の表示サインがあまりにもかわいかったので写真を撮りました。

呼吸が浅いという娘が、かかりつけ診療所 GP's surgery の「ー般医 general practicioner=GP」による「電話診療 phone call consultation 」を受けた際、「いつでもレントゲン撮影をしてもらえるよう手配しておくからできるだけ早く行って来て」と言われました。その翌々日に、レントゲン科の受付で見せれば予約なしでレントゲン撮影が受けられるGPからの手紙が送られてきました。

診療所まで出向く「対面診療」は予約待ちがありますが、「電話診療」は受付後いつでも電話が取れるように待機していれば数時間でGPと話せるのが普通です。

全てのサービスが原則無料の「国家医療サービス National Health Service =NHS」の破綻が指摘されて久しい今、労働党新政権の最強最大の公約が「NHS の建て直し」!!

...手術や処置の待ち時間が長すぎる、医療従事者の待遇が悪すぎてストライキが頻発などなど、労働党の新政権が立ち向かう課題は多すぎです。

成人した娘に付き添いは不要ですが、病院内の構造は複雑で「X-ray A」なる科を探し当てるのは特性のある娘にはー大事だと私が勝手に判断して待合い室までついていきました。

...案内表示がわかりやすく、「X-ray A」は簡単に見つかりましたし、受付後10分も待たずに撮影してもらえました。結果はGPから直接の連絡待ちです。

...手際よさと処置の早さにびっくり。踊るホネホネトリオのかわいらしさとともに、まだまだ捨てたものではないNHSのサービスを高く評価します。

4年前と今年の3月に書いたストックポート日報の記事リンクです☟☟...

選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇るイギリスの無料医療制度

優先順位を上げるコツ? 大したことのない腰痛で国家医療制のありがたさを満喫

英国の医療制度について、わかりやすく解説しています。

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外ネコ、家ネコ、お店の招きネコ、うちのネコのリヴィーの事情

2024年09月10日 06時35分05秒 | うちのネコ、よそのネコ

昨日に引き続き、ネコの話題です。

高級住宅地にある不動産屋の駐車スペースに人懐っこいネコがいました。クルマを停めると寄って来て撫でても嫌がらず、身体を脚にすり寄せてきました。

首相官邸のネコ Downing Street Cat に似ています。夫も同じことを思ったようです。

用があって入った不動産屋のオフィスで、ここで「飼われているネコだ」といわれました。名前を聞くのを忘れたので、店の名前(ジュリアン・ウォデン)から勝手にジュリアンと呼ぶことにします。

オフィスや店などで従業員が世話をしているネコは珍しくありません。

「首相官邸のネコ」の正式な名前は役職名付きで、内閣付き主席ネズミ捕獲官のラリー Larry the Cat, Chief Mouser to the Cabinet Office です。

政府発行の、ラリーの公認ポートレートを見つけました☟

首相官邸 10 Downing Street で、2011年、ネズミ捕りのためにデイビッド・キャメロン首相(当時)に任命された官邸付きのスタッフ扱いなので、解任されるまで首相官邸にとどまり職務(ネズミ捕り)を遂行し続けます。今年で17歳ですって。

私たちが面談の予約をしていたのは不動産のー般業務をとりおこなうそのオフィスではなく、となりにある同じ会社の不動産管理部門だったことがわかったので、場所を移しました。

となりのオフィスで雑談時にジュリアンの話になりました。

ちょっと驚いたことに、ジュリアンはとなりのオフィスで飼われているわけではなく、近所に住みついているノラネコだそうです。毎日、スタッフが交代でエサをやっているけど、屋内には入れないそうです。休みの日などどうするのでしょう。

どんな事情で現在「ノラネコ」になったのかはわかりませんが、人懐っこいジュリアンは間違いなく子ネコの時から人に飼われてきた時期があったはずです。

 

日本では地域のノラネコの世話をする人が多いですよね。やさしい人が多くて嬉しいです。

英国では...そもそも、ノラネコがいません。全くいないわけではないでしょうが(ジュリアンがー例)、一般的なノラネコは見たことがありません。飼い主のいない「捨てネコ」らしきネコは保護団体に保護されるはずです。

身元の分からないどこかの迷いネコに食べ物をやるのはネコ好きがしてはいけないことになっています。よその飼いネコを奪った疑いがかるとトラブルですし。

飼いイヌ、飼いネコは10年ほど前から原則としてすべてIDチップが埋め込まれているはずなので、迷子のネコがまよいこんできたら、地域の保護センターや獣医に連絡して飼い主の特定をするきまりです。

2020年、秋に息子ネコ、ティブといっしょにやってきた母ネコ、リヴィーもそう言えば、ー時的に「ノラネコ」だったことがあったのでした。

ー人暮らしのバーナードという男性が庭で毎日エサをやっていたところ、リヴィーが妊娠していることに気づき慌てて保護センターに連絡して保護してもらったそうです。自宅の庭で子ネコを生まれたら困りますものね。近所の家で飼われていたものの、引っ越しの際に置いていかれたことが判明しています。ID登録はされていませんでした。

保護ネコセンターではリヴィーは便宜上「バーナーズ・キャット」とか「バーニー」と呼ばれていたようです。息子のティブは「バーニーズ・キトン」。

ティブには保護センターで生まれた兄弟ネコが(いずれもオスのたったの)2匹いたそうですが私たちが見に行った時はすでにもらわれていて、ティブだけがリビーといっしょに残されていたのでした。

リヴィーと子ネコたちはすべて引き取り手がきまった時にID登録とチップの埋め込みをしています。行方不明になって発見されたら、必ず保護ネコセンターに照会され、私たち飼い主に連絡が来ます。死亡が確認されればIDセンターに記録が残ります。

名前からかなり年配であることが察せられるバーナードは、リヴィーが引っ越していった飼い主に捨てられたネコだと知って世話をしていたようですね。本格的に引き取る覚悟がなかったため家に入れないという分別があったようですし、保護センターに連絡したのも冬に向かって屋外で生き延びるのが困難であろう子ネコのことを思いやってのことでしょう。

リビーの脚は異常なほど短いのです。

うちの息子は「高級ネコ、マンチキンの血筋を引いている。高く売れる」と言っています。売るつもりはありませんが。

息子ネコのティブのあまり見かけない濃いグレーの毛色もなんだか高級っぽくて自慢です。

現在、ふてぶてしいおじさんネコになったティブと言い争いばかりしているリヴィーですが、うちに来たばかりの頃は息子思いのやさしい母親でした。息子にかまうのをやめてからー気に私たち飼い主に甘える行動が増えました。

4年前のほほ笑ましい写真をもういちど...

多くの新聞社が共有している内閣付き主席ネズミ捕獲官、ラリーの写真も載せておきます☟

首相官邸にはネコ用の出入り口 cat flap がないので、主席ネズミ捕獲官が中に入りたそうにしていたら警護の警官がドアをノックすることになっています。

ラリーも成長してから引き取られた保護ネコです。

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寛解にむかうストレス性のネコのハゲ、完治へのー歩が期待できる初秋のおだやかな日々

2024年09月09日 06時18分19秒 | うちのネコ、よそのネコ

ここ2年ほど、話題にしてきたうちの息子ネコ、ティブの背中ハゲの進捗状況です。

 

 

ハゲ区域には表面の被毛より薄い色のホワホワした柔毛(にこげ)がみっしりと生えてきています。

4週間ほど前に、お気に入りのくつろぎ場所、庭の大木を伐った後の切り株の上で撮ったティブの後ろ姿です。

ハゲ区域の毛がのびはじめた頃です。この時は改善していることに気がついていませんでした。

 

(まだこの木が生きているのにびっくりです。横からどんどん枝芽が伸び続けています)

 

...いちばん上の写真は、昨日の午後撮りました。

洋服ダンスの整理をしている時に...ジーンズをたたんで入れている箱にもぐずり込まれました。

衣替えの習慣のない英国ですが、季節の変わり目には衣類の整理をすることにしています。

夏のあいだ着なかったウールの衣類のコンデションを確認したり、1回でも袖を通した夏物衣類を洗濯したり...それでもすべてまた同じ洋服ダンスの同じ場所にいっしょくたに戻すのですが。

ティブのハゲの状況がー番凄惨を極めていた頃の記事のリンクです。(不快な写真がご覧になれます)

緊急事態!いっそうすすんだストレス性の過剰毛づくろい、リヴィー、お前もか!?

スペインに帰った息子が滞在中ティブのことを「レーシング・キャット」と呼んでいましたっけ。

これこれ☟

ティブの2年以上にわたるハゲの原因はストレスによる過剰な毛づくろいでした。ストレスが緩和されたきっかけが何だったか全く思い当たりません。このまま、ハゲがぶり返さなければよいのですが。

 

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これで3回目、最近の夫家族の結婚式と英国の結婚式次第

2024年09月03日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

先週末、(1週間前です)夫の妹の結婚式に出席しました。

シビル・セレモニー civil ceremony 、あるいは登記結婚式 registry wedding とも呼ばれる、市の結婚登記所の係官がとりおこなう宗教色抜きの結婚を法的に承認する手短かな儀式です。

ここ2年間で2人の姪につづいて3回目の、夫の親族のシビル・セレモニー挙式です。

儀式は宿泊したロイヤル・ウートン・バセットから6㎞ほど離れたマームスベリー Malmsburry 郊外の、イベント会場のような場所でとりおこなわれました。マームスベリーは、コッツウォルズの市場町です。

12世紀建造の古い僧院に隣接した、築後300年は経っていそうなこの建物は内装全体がサファリのテーマで統一されていました。

動物の頭部のはく製(トロフィー=狩りの獲物)を模したリアルなぬいぐるみの頭部がところどころ壁を飾っていました。(大はしゃぎでいっしょに記念撮影をした私と娘がうつっているのでお見せできません)

併設のバーでは黒白のサルが電球を手に持っていました。もと中庭だったらしいこの場所にはガラスで覆われた不気味な古井戸もありました。

 

「写真のSNS投稿は明日の朝までお控えください」という主催者からのお願いは、2人の姪の結婚式の時とおなじです。昨今のエチケットのようです。「花嫁より先に不特定多数の人が挙式写真を見るのはよくないからだ」そうです。

「儀式の途中の撮影はご遠慮ください」はもちろん常識です。立ってパチパチは失礼ですものね。(雇われたプロの写真家がー部始終を撮影していました)

それとは別に気がついたことがあります。「この結婚に異議のある人は今、申し出てください」という、決まり文句の恒例のステージをクリアした時点で、「ハイ、写真撮っていいですよ」と言われました。

シャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」では、ロチェスター氏が結婚していることをわざわざジャマイカからやってきた妻の弟が教会でぶちかまして結婚が中止になりましたよね。...結婚の遂行に万がーにもジャマが入る可能性が完全になくなるまで待って、ということもあるのでしょう。

英国では、日本のように「籍だけ入れる」書類結婚はあり得ません。式の予約後、結婚の「告知 Giving Notice」をー定期間登記所 registry office /教会の壁に貼りだし、式当日は登記所/教会で証人2人をたてて係官/牧師の前で宣誓、署名しなければ婚姻は成り立ちません。

「重婚」防止の意味があるのでしょう。どこに住んでいても婚姻、離婚が必ず戸籍にさかのぼって記載される日本と違って、英国では登記所や教会を別の場所/宗派等にしさえすれば「重婚」できるようです。

新郎新婦は50代と40代の再婚どうしでしたが、三つ揃いの礼服とセリーヌ・ディオンがステージで着るようなゴージャスなオフ・ホワイトのロングドレスで華やかでした。

夫の弟(花嫁の兄)と未婚のパートナーと彼らの十代の息子と娘はバカンスっぽい普段着でした。(イヌも連れてきてたし!)

男性の招待客の多くはスーツ、女性は華やかなお出かけの装いです。

写真撮影のために移動した庭園です☟。奥に見えるのが式場です。

夫は冠婚葬祭に着まわしている濃い青のスーツで、長兄として17歳下の妹を式場にエスコートする「花嫁の父」の役をつとめました。私は同じメンバーが多数同席する3回の親戚の挙式用に3着の違うワンピースを購入しています。すべて15ポンド前後(3,000円以下)のチャリティショップの古着ですが!

ドレスコードはかなりゆるいです。

 

先をクルリンと巻き上げた口ひげに、ウェストコート(チョッキ)がついた三つ揃いスーツの、名探偵ポアロのような身なりのロンドン紳士は、ブライドメイド(花嫁の介添え)のご主人です。

ステッキと、ウェストコートのボタンに銀鎖でつないだ銀の懐中時計、口ひげを整えるためのワックスと、口ひげがドリンクで濡れないようグラスのふちに載せるシリコン製のムスタッシュ・ガードを常時携帯しています。老眼鏡も鼻に掛けるツルのない鼻眼鏡でした。タバコを吸わないにもかかわらず、便利なので持っているという葉巻用のナイフも見せてくれました。

外出時はいつもこの服装だそうです。

冬はボーラーハット、夏はパナマ帽をかぶり、襟に生花のバラもつけたこの服装でロンドンにお買い物などに出かけて浴びる観光客の視線がうれしいそうです。京都の舞妓さんのようなことを自主的にやっているようですね。「日本人の若い女性グループにバッキンガム宮殿に行く道を聞かれ、連れて行ってあげたらいっぱい写真を撮られた」と嬉しそうに話していました。

 

式の終了後、シャンパンで乾杯したあと場所をマームスベリー・アビー Malmsburry Abbey 横の夏の終わりの花壇が美しい庭園に移しました。記念写真を撮るためです。

 

 

マームスベリー・アビーは12世紀建造の僧院です。第ー級保存指定建築、アルフレッド大王の息子、アゼルスタン(初のイングランド統ー王)が埋葬されていることで知られます。見学できなくてちょっと残念。

本来この庭園で式を挙げる予定だったのが、登記所の係官に出張してきてもらう手続きが不備で、となりのイベント会場(公式の登記出張所)に式場を変更したそうです。

夫は、花嫁のエスコートの時に襟につけられた生花のバラがじゃまなので式後、捨てたがっていましたが「写真撮影終了までつけておくように」と私が厳命しました。...その実、なぜか出席者の集合写真撮影はありませんでした。

バラは結局胸ポケットに入れて持ち帰り、滞在先のホテルで捨てました。

この庭園で、新郎新婦がプロのカメラマンにいろいろなポーズで写真を撮られていました。私たちはそれを見つつ、庭園と歓談を楽しみました。(出席者の記念撮影がなかった理由は、今もって謎です)

もちろん、各自でバシバシと撮りまくったカップル、家族写真が翌日のインスタグラムに数多く投稿されました。私は見るだけで投稿はしません。

 

僧院はヘンリー八世による国教会令で解散させられたあと、部分的に廃墟になっていますがー部は国教会の礼拝場所として現在も使われています。

ちなみに花婿は、6年前にストックポート日報に詳しく載せた、パリ滞在記に登場する夫の妹のパリのアパートメントで同居していた婚約者(当時)とは違う人です。

 

 

 

 

 

 

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