イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

今やストックポートは国際都市!英国で自由を楽しむ難民移民が故国をしのぶ移民経営の食品店

2024年11月26日 05時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

厳しい寒さの数日の後おだやかな週末を過ごせました。昨日、月曜日はまた少し気温が下がりました。

ストックポート、タウンセンターのにぎやかなショッピングエリアから少し離れた通りでみかけた南国の果実...

マンゴーと、濃いピンクの果肉が少しはぜてのぞく硬い殻の木の実 ... アーモンドかな、と店の人に聞いたらイラン産のピスタチオだそうです。地面から拾った時のギンナンのように果肉がついているのを見たのは初めてです!(ギンナンみたいに臭くありません)

中央アジアや中近東の果実ザクロに...

 

初めて目にした実物のクインス quince。

ポルトガル語由来の日本語で「マルメロ」だそうです。原産地はイラン。

スッカスカして生でたべてもまずいそうです。ジャムや果実酒用とのこと。白い果肉を煮つめると半透明の赤いゼリー状に固まり、煮崩すとジャムになるという記述を見つけました!試さなきゃ!

 

近年、英国でよく見かける、イラン系移民が経営するイランの主に食料品を販売するイレーニアン・ショップ Iranian shop の外に箱ごと並べてありました。

たびたびテナントが入れ替わるこの店舗に落ち着いてもう2~3年は経つでしょうか、入ってみたのは初めてです。

それにしても、屋号「Alan's Superstore」のアランって誰でしょうか。経営者が本当にアラン(英国人の年配男性名)なのかどうか気になるところです。

入ってすぐ右側に野菜と果物が陳列されていました。

イタリア産のブドウ、産地不明のミカン、南アフリカ産のネクタリン、キュウリ...漢字で「胡瓜」って書きますよね。「胡」はペルシャ(イランの古名)を意味するはずです...、スペイン産のプラム、ブラジル産のマンゴー、スペイン産のカキ、産地不明のレモン、イタリア産のダイコン(英語でムーリーといいます)ラディッシュ、ネギ、ハーブ各種...圧倒的にあったかい地域の産物が優勢です!

英語でパーシモン・フルート persimmon fruit というカキの箱のスペイン語のラベルに「製品名:KAKI」と書かれています。

英国でも「カキ」と言われることもあるそうですが、ほぼ例外なく通じません。

入口わきの床に箱ごとおかれていた、ターニップ turnip 。甘いカブなのですが...

見ての通りヨーロッパ、西アジアのー般的なカブは可愛らしい二色使いです。上部が深紅や抹茶色のターニップも見たことがあります。日に当たる部分に色がつくようです。

右と左の箱のなかみは違う種類です。産地も違います。左側はたしかイタリア産でした。英国のスーパーマーケットに冬になると並ぶターニップはもっと大きく、こぶし大ですがこの店にあったものの多くはゴルフボールよりちょっと大きいぐらいで小ぶりでした。

野菜果物には製品名と値段の札がー切出ていないのがドキドキひやひやものでした。

 

奥に入って「乾物」の棚も見てまわりました。

紅茶の棚がものすごーく充実していました。

中身の詳細は不明ですが、「2台の卓上扇風機ブランド」と「競売人ブランド」の紅茶、そのものズバリのイラストが秀逸です。

 

写真を撮らなかったので販売ウェッブサイトから勝手に写真を借りた...

日本でも人気があるという英国の紅茶、アーマド・ティー Ahmad Tea に力が入っています。ブラックの紅茶をよく飲むことで知られているイランで1番人気のブランドです。

アーマド・ティー愛飲者のイラン人、アゼルバイジャン人を個人的に何人も知っています。他のイラニアン・ショップでも売られています。英国人社会では浸透していないブランドなのですが、創業者がイラン系の兄弟だそうですね。

実は、英国紅茶のそれも茶葉にこだわる夫が大ファンで、何年もオンラインで購入しています。

今度、この店に連れていくしかありません。

 

ネスカフェ・ゴールド・ブレンドのパクりの...

「マムード・コーヒー Mahmood Coffee」。フォントも写真も...カクカクした瓶までそっくり!くびれたウエストだけが独創的です。

 

クルミ大に縮小された「乾燥ライム」。

左側は乾燥レモン。何に使うのでしょうか。お菓子作り?果実酒...ではなさそうですよね。イスラム教の戒律が厳しいイランでは飲酒はご法度ですから。

会計カウンター横の冷蔵ケースには甘そうなお菓子がずらりと並んでいました。

お酒を飲めない中近東の人は紅茶とお菓子が大好きな甘党が多いと聞いたことがあります。

 

2ポンドのザクロ1個とバーベリー barberry という、ききなれない名の美しいルビー色の細い小さな木の実(乾燥)の小さな袋入りを買いました。

 

会計カウンターにいた店員はハンサムなイラン系の若者でした。(まさか彼がアラン?)私の前に会計をしていた、ヨーロッパのマダム風の装いのイラン系の年配の女性とファシー(イランの言語)で会話をしていました。

地元のイラン系の常連客が主な客層のようです。商品の箱のほとんどに英語の記述なしです。

ブレクシット完了後、出稼ぎのポーランド人の数がぐっと減りました。そこら中にあったポーリッシュ・ショップ Polish shop も数が減っています。そのかわり不法移民として入国し、難民として認定されて居住権、就労兼を得たイラン人、中近東の人が増えているように思います。

「Alan's Superstore」のある、国際色豊かな短い通りです。黒い庇の出ているのが(左側)「アランの」イレーニアン・ショップです。

 

私がボランティアをしているチャリティショップ、オックスファムに英語がほとんど話せないイラン人難民の若い女性が英語の勉強をかねて手伝いに来ていました。夏中、週に2回、私と一緒に店番をしましたが現在は英語学校に通っているため会うことはありません。休みにまた手伝いに来るそうなのでイランの食材の使い方など聞いてみます。

その人は私が会った多くのイラン系女性と同じで開放的な服装をし、お酒を飲み、男性といっしょのジムにも行っていました。母国でのイスラム教の戒律がよっぽどイヤだったんでしょうね。英国での自由を満喫しているようです。

彼女のスマートフォンに搭載した翻訳アプリケーションを使って、「お父さんがアフリカ人男性たちとヨーロッパ数か国を徒歩で経由して、ボートで渡英、5年かかって難民認定され彼女とお母さん、姉、弟が呼び寄せられた」という話をしてくれました。

イランでの学校時代、お友達と公園で人目をしのんでベールを脱いで撮り合ったハラハラビデオも見せてもらいました。「そんなところを風紀警察かなんかに見つかったらひどい目に合うんじゃないの」と聞いてみました。だからこそ楽しいスリルなんですね。英国に来られてよかったね、としみじみと思いました。英語が話せるようになったら美容師養成校に行くそうです。

 

スーパーマーケットで売られているものよりー回り大きいザクロです。

硬い皮をよく切れる包丁でザクっと切って...

ほじくり出して食べたルビー色のツブツブの美味しかったこと!奥までぎっしり詰まっています!

酸っぱさは皆無で、強烈な甘さの奥にかすかな苦みがありました。手もまな板も真っ赤に染まりました。また行って買って食べるつもりです!

バーベリーも甘酸っぱくて美味しいです。ヨーグルトやシリアルに入れて食べています。

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景気の悪い通りの店じまいしたゲームショップの跡地に開いた新コンセプト、「ゲームカフェ」とは?

2024年11月16日 19時19分02秒 | 英国の、生活のひとコマ

2週間前の土曜日にストックポートのタウンセンター...

有数の不景気な「シャッター街」、 Princeses Street に用事があって行きました。

以前、コンピューター・ゲームショップだった店舗に、「ゲーム・カフェ」なる興味深いビジネスが店開きしていました。

週末だけあってそこそこ繁盛していました。許可を得て取った写真です。

昨年、そのゲーム店が閉店投げ売りセールをしていたのを通りがかりにみつけ娘と入ってみた時に、ゲームソフトの売り場が劇的に縮小、ゲームキャラクターのライセンス商品と、普通のおもちゃにおもな売り場スペースが割かれていたことに驚きました。子供たちが小さかったころはよく行った店の10年ぶりぐらいの来店でした。

スマートフォンにダウンロードしたゲームやインターネットゲームが主流の今、ゲームソフトはあまり売れなそうです。買う人もオンラインを利用するのでしょう。

その同じ場所でむしろ時代に逆行した「卓上ゲーム tabletop game」で遊べるカフェが店開きしたのはとても興味深いです。

私がボランティアをしているチャリティショップ、オックスファムでは毎年この時期になると中古の卓上ゲームが年配の人によく売れます。

クリスマスに孫が来るのでしょうか。ふだんはコンピューターゲームに夢中の孫たちもおじいちゃんおばあちゃん孝行で家族ゲームを楽しんでくれるのかもしれません。

私と同年代のお客さんが「今、卓上ゲームが若い人たちの間で再流行している」と教えてくれました。なるほど、ゲームカフェがオープンするぐらいですから、確実に需要が伸びているのでしょう。

その人の子供は、うちの子供たちと同様、子供時代に卓上ゲームを楽しんだ世代ではなさそうです。

28歳のうちの息子が卓上ゲームで喜んで遊んだのはせいぜい9歳ぐらいまで、以後、ゲームボーイに夢中に。当時は男の子だった6歳下の娘にゲームボーイを買い与えたのはもっと早かったはずです。息子はかなり長い間ゲームボーイを楽しみ、大人になってからXボックスを買いましたが、娘世代はクラブ・ペンギンやマインクラフトなどインターネット・ゲームにすぐ移行しました。

私の家では木の箱に入ったコレクター・エディションのモノポリーを買ってから、1~2年にいちど成人した子供たちと家族でプレイします。私はいつも最初に破産します。

平日にそのゲームバー、the Dice Box に戻ってみました。実は家族で卓上ゲームをやりたくて、SNSサイトに入ってくる広告動画をけっこう熱心に見ています。ゲームの種類のリサーチです。

ガラガラ。

「今度家族を連れてきたい」と言って見学、熱心な店員が説明してくれました。(私がいた20分足らずの間お客の数はゼロ)

カフェなので、お値段が高めのドリンクや軽食を注文しなくてはなりません。そしてプレイ料金が1時間大人1人、2ポンド(高い!子供は無料)

在庫のゲームの種類は現在700種!

お客は最新のゲームをいろいろ楽しみたいであろうことを予想して、スタッフはほとんどの人気ゲームの遊び方に精通しているそうです。遊び方を読んで理解するのに最初の1時間を費やしてしまうことがないようにセットアップなど手伝って説明してくれるとか!

「店長のおススメ」みたいな棚で見つけたカードゲームです。箱の憎々しいゴキブリのイラストがたまりません。

「ゴキブリポーカー、ゴキブリのたわごと」。相手のウソを見抜くゲームだそうです。一瞬、コーヒーを買って2ポンド払って1時間座って店員にゴキブリポーカーを教えてもらおうか...と思ったほど私の興味を引きました!(実行しませんでした)

「広場」とか「百の鳥居」とかカードを並べてつなげる日本情緒もののゲームも興味を引きました。遊んでみたいとは思えませんが、錦鯉、蛇の目がさとうちわを持った舞妓さんに黄門様、肥たご担ぎのお百姓のイラストに注目です。

モノポリーなど伝統的なゲーム盤を貼り付けた壁がおしゃれですが...昔ながらのCludo、 Battle Ship、WHO’S WHOなどはおいていないそうです。

モノポリーはありましたが、時間がかかりすぎるためおススメしないそうです。たしかにモノポリーやクルードー(犯人あて推理ゲーム)など古典ゲームが好きで定期的に遊ぶ人は自宅にゲーム盤があるでしょうし。

次々と発売されるという新しいコンセプトのいろいろなゲームで遊んでみたい人が行く場所みたいです。

私はカウンター(たま)を並べて点数を稼ぐようなルールが簡単で奥が深い「モダン・チェス」カテゴリーのゲームを買いたいのです。実物を買う前に見てみたかったのですが、そういうのはありませんでした、

平日でもクリスマスショッピングでそこそこにぎわい始めたストックポートのショッピングエリアに驚異的なガラガラぶりなくせに週末は予約必須とのこと。

話のネタに行ってみる人も多そう。うーん、ピザ13ポンド(2,534円)は軽食カフェに払うには高すぎます...!常連客がつくのかな...?

平行に走るとなりの通りには...

2018年に「連合王国でいちばんみっともない建築物」に与えられる栄えあるカーバンクル・カップ(おでき杯)を受賞した総合レジャー施設、the Red Rock があります。

記事のリンクです☟

輝く栄冠!建築大賞を獲得した連合王国で一番見苦しい建築物がストックポートにあり!!!

 

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まだ11月、クリスマスの準備が整うタウンセンターでクリスマスの喜びを享受できない子供に思いを寄せる

2024年11月16日 07時14分33秒 | 英国の、生活のひとコマ

ストックポート、タウンセンターです。

あらら、生木のクリスマスツリーは12月になるまでおあずけだ...みたいなことを先週書いたのですが、もう特大のが据え付けられています。こんなに大きく成長した生きた木をたった2ヶ月飾るために伐採して枯れさせるなんてもったいないです。1月6日まで2か月も保つのか疑問です...保つんでしょうね。

国道A6沿いのマージー・スクエア Mersey Square です。ショッピングセンター、マージーウェイ Merseyway の入り口から撮りました。

マージーウェイ、内部です。

マージーウェイの通路には毎年おなじみになったギビング・ツリー the Giving Tree がたてられました。

クリスマスの朝にプレゼントをもらえない事情のある子供たちがいます。子供たちにプレゼントをあげすぎていることを自覚しているひじょうに多くの親たちはドキッとする事実です。

子供たちは祖父母はじめ多くの親戚たちからもたくさんのプレゼントをもらいますし。

毎年出没するこの白いクリスマスツリーには恵まれない子供たちの欲しいものが書かれた「短冊」が下がっています。

10歳の男の子が「スポーツ関連のおもちゃ」を(手前)、8歳の女の子が「光るスクーターとヘルメット」を(左奥)希望しています...☟

この時期、すでにクリスマスプレゼントを買い始めるのに奔走する人々がちらほら見受けられます。

身のまわりのあらゆる人にあげまくる(しかも必ずしも喜ばれるとは限らない...むしろ、えーなにこれ、いらない...のほうが多そうな)クリスマスプレゼントの大量買いに疑問を持つ人は多いはずです。

特に子供へのプレゼントの習慣を見なおそうという提唱の一番よく知られたものは「クリスマスプレゼント5つのルール 5 Gift Rules for Christmas」です。

①欲しいもの ②必要なもの ③身に着けるもの ④本 ⑤楽しい思い出... をそれぞれひとつずつ。

...実質、「おもちゃ」は①の「欲しいもの」たったひとつだけになっちゃいますよね。実行している家庭は本当にあるのかな。

好きな短冊を木からとって、その子供の欲しがっているものをラッピングして、短冊といっしょにこの備え付けの業務用のゴミ箱に入れておけばその子供に届くそうです。今のところ、カラッポ。

(このゴミ箱は以前、小さくなった子供の学校用制服を寄付するためにおかれていました)

恵まれない子供たちがクリスマスの朝に開けるプレゼントが見知らぬ人の善意で贈られたこのひとつだけだったとしたら...一般の家庭の子供が受け取る50個のクリスマス・プレゼントのひとつひとつより、はるかに重みのある喜びをもたらすのでしょうね。

ほんとうに考えさせられるこの時期です。

 

となりの威圧的なクマのベンチにはゴテゴテと電飾が張り巡らせてあるのに、電気がついていないのが気になって...

もしやと思って、座ってみました。そしたら途端に...

キラキラと走るように動く、「チェイサー」タイプの眩い光が灯り、耳元で「うひゃひゃひゃひゃ、うひゃ、うひゃ、うじゅー(よだれを含んだ笑い声)」という複数の幼児の笑い声(たぶんAI)が聞こえてきました。...薄気味わるすぎです。

なるほど、省エネタイプだったか。私が立ち上がったら笑い声もチェイサーライトもピタッと止まりました。

2週間以上前に、これが設置されたばかりの時、いやがる夫と並んで座ってセルフィーを撮って、息子と娘に送ったのですがその時は無灯でいたって静かでした。

ショッピングセンターを見下ろす丘の上にあるセント・ピーターズ・スクエア Saint Peter's Square にもクリスマスツリーがたてられていました。

たくさんの吹きだまった落ち葉をまとめて袋に詰めたのはいいものの、おきっぱなし。

後ろに見えている、ストックポート選出の19世紀の代議士、リチャード・コブデン(穀物法の廃止に尽力した地元の名士です)の像の足元には腐りかかったハロウィーンのカボチャの残骸が積まれていました。イタズラ行為の犠牲者、コブデン像の受難もあいかわらずです。

 

 

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はじめて見たフランス版第一次大戦終結記念行事!英国では二日連続...重々しさがケタ違い

2024年11月12日 06時56分28秒 | 英国の、生活のひとコマ

昨日、11月11日は第一次世界大戦のアーミスティス・デイ Armistis Day停戦協定締結記念日)でした。参戦した欧米各国が厳粛な戦没兵士追悼行事をとりおこなったはずです。

写真は、昨日の午後3時48分、郊外のスーパーマーケットの駐車場で右(西の空)から左(東の空)へぐるっとまわって撮った夕暮れ風景です。紫がかったオレンジ色の雲がまたおなじみのサハラ砂漠の砂塵雲 Saharan dust clouds かな、と思って調べたのですがMET Office (気象庁)の発表は見つかりませんでした。

英国のリメンブランス・サンデー Remanbrance Sunday(あるいはレッド・ポピーデイ Red Poppy Day )は、毎年11月11日にいちばん近い日曜日があてられます。

今年はリメンブランス・サンデーの翌日(月曜日)がアーミスティス・デイで、第一次大戦終結に関する厳粛な行事が2日続きだったわけです。

今年は1,944年のチャーチル首相以来80年ぶりに、第一次大戦の同盟国、フランス共和国の追悼儀式に英国の首相が招待されました。

BBCニュースチャンネルでクルマからおりた英国の首相、サー・キア・スターマーがフランスの大統領、エマニュエル・マクロンに暖かく迎えられるシーンではじまる生中継を1時間ぐらい見てしまいました。

私は政治的なことはさておき、弱冠39歳でフランスの大統領に就任、それよりなにより24歳年上の高校時代の演劇部の顧問の先生と結婚した(!)マクロンに下世話な興味を持っていました。

今回の英国首相の式典招待はマクロン個人がサー・キア個人を招待した友情交換みたいなイベントだったようです。

2人は徒歩でおもむいたパリ市内の第二次大戦時の英国首相、チャーチル像と第一次大戦終結協定に調印した当時のフランス首相クレマンソー像に花輪をささげたあと、式典会場の凱旋門にパレード用車両で向かいました。

マクロンのスムースでスマートなエスコートぶりにたまげました。

「はい、次はこちら」「さあ、クルマに乗りましょう」といったかんじにサー・キアの肩や背中に手を添えて誘導するジェスチャーがとても細やかでステキでした!英国の男性政治家にそんなことをする人はいないはずです。もうちょっと堅苦しく振舞うのが普通です。

凱旋門 Arc de Triomphe (なぜか英国では凱旋門のことをアークデトリオーンフとフランス語で言います。英語の観光ガイドにもそう書かれています)の儀式は短くさっぱりしていました。

マクロンとサー・キアが仲良くソーセージ状にまとめた重そうな赤白青の花枕(?)を凱旋門下の無名戦士の墓標に捧げて、フランス時間の11時にぴったりに黙とう、「未来永劫消えない火」に2人で新たに火種を入れて(棒状のトーチを突っ込んでいました)軍服を着た年配の男性合唱団の英仏両国家の斉唱(三部合唱、輪唱つき)を聞きおしまい!シンプルでしたがじゅうぶんに厳粛でした。

凱旋門を囲む円形広場には丸く囲むように野外コンサートみたいな仮設の席が設けられ、関係者が思い思いの服装でリラックスして座っていました。

軍人はもちろん軍礼装でしたが、式典の出席者も男性は普通のダークスーツ、女性はきれいな色のスーツ、儀式が終わった後、凱旋門広場に居並ぶ出席者ひとりひとりにマクロンとサー・キアが朗らかに声をかけて談笑していたのにもびっくり!でした。英語がペラペラのマクロンは通訳までこなし、まるで自分のお友達どうしを紹介しあっているようなカジュアルさでした。

パリからの生中継の後、時差のため1時間遅れで始まったロンドン・ホワイトホールのセニタフ(戦没者慰霊塔)広場での重々しいアーミスティス・デイ儀式の生中継に切り替わりました。はずみで、毎年おなじみのこっちも見てしまいました。

前日のリメンブランス・デイに引き続いて軍礼装の軍人と黒衣で正装した民間人がおおぜい出席、関係者や行進してくる各連隊の代表がポピーの花輪をセニタフに捧げるのに延々1時間以上かかりました。軍隊の楽団による重々しいBGMの生演奏付きです。

儀式の途中、全員無言。高齢の退役軍人が車いすに座って出席していた以外、全員直立不動でした。パリから1時間遅れの11時の黙とう時には英国各地で黙とうする人々の画像に切り替わります。

王室メンバーや政府要人と関係者(退役軍人や戦没軍人の遺族など)が歓談する席が式後に設けてあるそうですが(テレビ放映はされません)人でいっぱいの広場では「笑ったら負け」みたいな雰囲気に支配され誰ひとり厳粛な表情を崩しません。

フランスの国事儀式と大違い...

私が半分退屈しながらそれを見ていると遅く起きてきた夫が「またそれ見てるのか、昨日おんなじの見ただろう?」とイヤそうな顔で言ってきました。愛国心とか軍事パレードみたいなことが大嫌いな夫は社会主義者です。

もう、夫は英国人なのに!混乱しています。「あのね、昨日のはリメンブランス・サンデーで、これは世界共通のアーミスティス・デイ、違うの!」と教えてあげました。どっちにしても興味はなさそうでした。

日本では第ー次大戦に関する関心は皆無ですよね、参戦したはずですのに。あまり犠牲を出していないんでしたっけ。

日本人にとって歴史的に重要な第二次世界大戦の終結記念日には英国人は毎年戦勝祝いで浮かれます。ストリート・パーティとか終戦時の服装の仮装でダンスパーティとか。

5月8日のドイツ軍が降伏したVE Day (Victry in Europe Day 欧州での勝利の日)が英国人にとっての終戦記念日です。

本当の終戦はまだ3ヶ月先の日本が無条件降伏した8月15日なんですけどね、V-J Day (Victry over Japan Day 日本に勝った日)というお祝い行事も毎年あるのですが浮かれ気分にはなりにくいです。日本が降伏して解放された日本軍の捕虜収容所の連合国軍捕虜たちはただただ虐待され酷い目にあっただけで、勇敢なエピソードなどもなさそうですから。

 

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クリスマス前の浮かれ切った雰囲気に水を差す、戦没兵士を悼む厳粛な日

2024年11月11日 06時51分28秒 | 英国の、生活のひとコマ

昨日、11月10日はリメンブランス・サンデー Remembrance Sundayでした。

毎年、第一次世界大戦が終結した11月11日(1918年)に一番近い日曜日、レッド・ポピー・デイ Red Poppy Day とも言われます。午前中に英国全土とコモンウェルス、旧植民地の第一次、第二次大戦その他の紛争の戦没者を追悼する厳粛な式典があります。

軍関係者、王室メンバー、政府の要人、退役軍人などなどのものすごい数の人々が軍礼装や黒服でロンドン・セニタフ(戦没者慰霊塔)に集まって、赤いポピーの花輪をささげ、11時の黙とう、礼拝、長い長いパレードがあります。一部始終がテレビ放送されます。

これが終わると、「さあっ、クリスマスだ」と国中が公然と浮かれ立ちます。いえまだ1カ月半以上先なのですが...

 

ほんの10年ほど前までは、この日が終わるまではクリスマス気分で浮かれ立つのは不謹慎...みたいな雰囲気が確実にあったのですが...

今はもう、10月31日のハロウィーンが終わり次第「クリスマス商戦(日本的表現!)」のスイッチが入ってしまいます。

先週のストックポート、タウンセンターのショッピング・センター、マージー・ウェイ Merseyway のクリスマス飾りです。

浮かれ切った、クリスマスツリーと記念写真用のサンタクロースの帽子をかぶったクマさんベンチ、天井から下がるプレゼント(いずれも日暮れをすぎれば電飾できらめくはずです)の脇では...

リメンブランス・サンデーにむけて、レッド・ポピー募金のキャンペーンが展開されています。勲章をいっぱいつけた退役軍人が素朴な紙製やピンバッジの赤いポピーを販売して戦没軍人の遺族や、傷痍軍人を支援する基金を募っています。

毎年この時期になるとストックポート日報で記事にしている戦没者追悼行事に関して、私はあまり興味はありません。ただ、季節感を重んじる日本人の私にとって英国の季節の節目として意味があります。

ショーウィンドウのハロウィーンの飾りつけを見て深まる秋を、ボンファイヤ・ナイト(11月5日)の花火の音で夜の長い冬がもうそこまで来ていることを、10月の半ばごろから始まるレッド・ポピーのキャンペーンはリメンブランス・デイが近いことを、リメンブランス・デイが終われば、もう冬だ、クリスマス!!(うんざり)...を実感できます。

マージーウェイの入り口です。

...生木のクリスマスツリーは12月の最初の週末前にそえ付けられることが多いですね。伐ってきた木は早すぎると1月6日のエピファニー(クリスマス飾りをかたづける日)まで保たないのでしょう。

 

いちばん最初の写真は、マージーウェイ名物の、やはり記念撮影用の季節に合わせて飾り付けられるスイング・ベンチ(ブランコ)です。すわってセルフィーを撮るのがはばかられる重々しさです。

シルエットのモチーフは、有名な絵画からとった戦友の墓に黙とうをささげる第一次大戦の従軍兵士です。戦没兵士への追悼のシンボルになっているイメージです。(重い...)

スイング・ベンチの後ろの書店のショーウィンドウに本棚のイラストがプリントされた白い覆いがかかっていますね。追悼の思いに敬意を表して右隣のウィンドウのような浮かれたクリスマス・ディスプレイを隠しているのでしょう。

 

先月、家族でマンチェスターに行った時に撮った写真です。

松葉づえの将校に導かれ列になって堤防の上を歩く、ドイツ軍のマスタード・ガス(世界初の化学兵器)で失明した英軍兵士のブロンズ群像です。これも有名な絵画からの題材です。

2,019年の第一次大戦終結100周年を記念してマンチェスター・ピカディリー駅正面に設置された永久展示です。春夏秋冬1年中、マンチェスターを訪れる人々の気分をドンと重くしてくれる重厚なメッセージ...。「反戦」ではありません。何だろう?「犠牲の尊さをかみしめる」ようなことでしょうか。ここになくてもいいような気がするのですが...

この時期、赤いポピーの花輪でも首からかけられているのではないでしょうか。

 

 

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秋深し、世界の動向を左右する合衆国の大統領選選挙戦と早すぎ!のん気な英国のクリスマス商戦

2024年11月07日 06時41分10秒 | 英国の、生活のひとコマ

10月31日のハロウィーン終了後、商業施設がクリスマスの飾りつけをはじめます。11月からもうクリスマス気分...!早すぎです。(うんざり)

以下写真は、私がボランティアでお手伝いをするチャリティショップ、オックスファムのはしゃぎすぎのクリスマス飾りとクリスマスプレゼント用の商品(寄付品)です。レトロなストリーマー(吹き流し飾り)は寄付品です。

 

11月5日(火曜日)夜が長い英国の晩秋の訪れを自覚させるボンファイヤ・ナイトでした。日本語で「かがり火の夜」と訳されているはずです。

写真は、真っ暗な夕方5時過ぎ...高級住宅街の歩道はジョギングの人でいっぱいです。

ボンファイヤ・ナイトは、日没後に地域の公有地に焚かれた巨大なたき火の周りに人々がわらわらと集まって飲み食いしたり盛大な打ち上げ花火が上がるのを見物する英国の...いわば奇習です。ほぼ毎年使いまわしている過去の記事のリンクです☟ボンファイヤ・ナイトの詳しい説明があります。

英国史に残る陰惨な大事件、火薬陰謀事件を記念して始まった秋の気分盛り上げイベント

11月5日はアメリカ合衆国の大統領選挙の投票日でしたね。

あろうことか共和党のトランプの勝利(絶望)...と言っても私はそれほど驚きませんでした。

以下はあくまで私の私見です。意見が違う方はごめんなさいね。私はトランプが大っ嫌いです。ボリス・ジョンソンよりもリシ・スナクよりもずっとずっと嫌いです。

昨日は、ニュースチャンネルで「ハリスの敗因分析」みたいな解説を終日放送していました。

私なりに主に政見とは少しはなれて感じたことを、書きだしてみます。

私の周りの人はすべて、少なくとも私の知る限り、民主党のハリス候補(現副大統領)を支持していました。

そして、大統領選ネタの会話ではかならず「ハリスの勝利」予想になるのでした!

え、ちょっと待って。もうずっと「今回の選挙は史上稀に見る接戦でどっちが当選してもおかしくない」と報道されていたじゃないの?

日本でも注目だったはずのこの選挙、同じだと思いますが英国でも公共性の高い「スカイ」やBBCのニュースチャンネルでは公平でムラのない報道を徹底していました。

それなのに、私の周りの知的な人々(例;夫、ボランティア先のオックスファムのマネージャー、夫の弟等)は報道番組を見るたびに「ハリスで決まりだね」みたいな印象を築いてきたようです。ハリスに有利な報道だけを熱心に認知してきたようです。

テレビのインタビューに何を言っているのかよくわからない南西部訛り(?)で答えるトランプ支持者たちは概して言えば「あまり知的ではない」人たちに見えます。そういう人たちが何を言っても気にしない...みたいな偏見に満ちた感情が、ハリス支持者の英国人にはおそらくあったのでしょう。

私の印象では、トランプ支持者のほうがハリス支持者よりよーっぽど熱心に見えました。トランプ支持者ではない人はトランプが大っ嫌い。「トランプでさえなければオッケー」と言う程度の熱意でハリスを支持する民主党支持者がけっこういたのではないかと思えます。

私はもちろん、同年代で非白人女性の、てきぱきと演説する姿がかっこいいハリス支持ですが...はっきり言ってトランプのねちっこいカリスマ性はハリスにはありません。

自分が女性で非白人なものですから、ハリスが女性と非白人の有権者に絶大な支持を得ていると勘違いしていたのもナサケナイ感じです。他に決め手になる魅力はなかったのかな?

アメリカの非白人(特にヒスパニック系)は一般に男女ともに女性の元首を好まないそうですね。アメリカってもっと進んだ国だったと思っていませんでしたか。違うみたいですね。

トランプの得票の決め手は移民対策と経済政策、貧乏人の優遇税制だったみたいですが、「よし、がんばれ!」と思えるようなハリスの公約は思い出せません。パレスチナ戦争の停止?

 

懸念の「妊娠中絶法」に関して、「私たち女性は自分の身体に関する決定権を持っています。私たちは自分の決定に責任を持ちます」みたいなスピーチをしてフェミニストの闘士みたいな女性たちの喝さいを浴びていました。

私も全面的に賛成ですが「あれでは胎児の人権を主張する人とか、アメリカにはたくさんいるというキリスト教原理主義者とかが怒ってしまうでしょうに、言い方が悪い」と思いました。

「妊娠中絶に反対する人たちの価値観を尊重します。だけど中絶を選んだ人たちを法律で制裁するのはおかしいです。アメリカは民主主義国家ですから」...みたいな言い方をすればよかったのにと今、思います。

選挙戦のはじめ頃に討論会でへまをして、高齢を理由に立候補を降りるように言われて「絶対に降りない」と言い張り、最終的に共和党の同僚に引きずり降ろされたバイデン大統領にドン引きしました。このドタバタ騒ぎで「補欠」みたいに登場したハリスの印象はかなり長いこと薄かったですよね。

オックスファムでは、オリジナルのクリスマスカードを8月の半ばに入荷、陳列をはじめました(雪景色のイラスト、早すぎ。本当にウンザリ!)

選挙運動の最終週に、英国の労働党議員、職員が100人ぐらい渡米して、激戦区でハリス支持の選挙運動ボランティアに参加すると表明、大騒ぎになりました。ー国の政権政党が国会開催中によその国の政治に干渉するために議員を送る(休暇を与える)なんて、国際ルール違反もいいところです。

もちろんトランプ候補は怒っていますし英国の労働党政府に対して悪い感情を持ったとしても非難はできません。うちの夫も党員として籍をおく、労働党もバカですね(残念)

10月の最初の週にクリスマス販売促進のバナー(御幣ツナギ)を飾り付けるよう本部からの指示がありました。お客さんのいるところで床で作業するなんて英国では日常茶飯事です。

 

ハロウィーンの翌日に1個10ペンス(9円)に暴落したランタン用のカボチャです。前日までは2ポンド(400円)でした。

ハロウィーン前に1個買い、中をくりぬき叫び顔のランタンを作って灯をともしました。「トリック or トリート」の門付けに来てくれた全部で20人ぐらいの仮装の子供たちにお菓子をふるまいました。

くりぬいた中身でお鍋いっぱいの甘いクリームスープを作りました。2日連続で夕食に出して夫に「もういらない」と言われました。

こんなに余ったカボチャ、どうするのでしょう?10ペンスでも売れないのでは...?

 

 

 

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確信がもてたキノコの正体、成長しきったその後の姿

2024年10月25日 05時25分49秒 | 英国の、生活のひとコマ

多種多様なキノコがニョキニョキ生える、道路の車道と歩道を分ける分離帯のようなグリーンエリア!

妖精が躍る、神秘的な森の中でひそやかに育つものだと勝手に思い込んでいたベニテングタケ fly agaric らしきキノコについてたったの2日前(火曜日)に投稿した記事のリンクです。☟(投稿した写真は月曜日に撮りました)

住宅街の歩道わきで発見、これがまさかの水玉模様の赤いカサ持つ幻想的な毒キノコ!

(あまり期待されているとも思えない...)続報です!翌日(火曜日)、再訪してみたら...

右側は無残に粉砕、左側は...ー晩でしっかりとエの部分がのび、ベニテングタケらしくなっていました!

(上にリンクを貼った、前回記事の写真と見比べてください)

赤ちゃんタケのまるで「鹿の子絞り」のようだった密で中央が盛り上がっていて白い斑点も、「キノコ識別カード」の美しいイラストのように、いいあんばいに散らばりました。

ああ、感激!本当にベニテングタケだったようです。

そして、昨日(木曜日)に通りかかったら...

赤ちゃんタケの斑点がまばらになっていました。

斑点は指ではじいたり強い雨にあたったりすると、傷跡も残さず簡単に落ちるそうです。熟すとオレンジ色から濃い赤に色が変わるトマトとは全く反対に、鮮やかな赤からまばらに朱色へと変化する過程のようです。

で、火曜日の生き残り成熟キノコはというと...

突風にあおられた雨傘のようにカサが裏返っています。成熟最終段階ですね。

上から見ると、薄気味悪く色あせたカサにまだ斑点がたくさん残っているのがわかります。

そのままになっている打ち砕かれたお隣さんのカサを...

 

落ち葉ではさんで(指でじかに触れるのはちょっとためらわれたので)表に返してみました。

意外にも、しなびたりせずにまだ生きてる左側のベニテングタケより鮮やかに色を残しています。

そっくり返った色褪せテングタケが胞子をまき散らして子孫が増えるといいのですが。

赤ちゃんタケの成長が楽しみです。

成長の早さと脆さには驚きました。

同じ場所に生えていた不気味なキノコ...

 最初はイヌのウンコかと思いましたが、間違いなくキノコです。もしかして、どエライ値段で取引されるというトリュフかなにかかもしれませんが、うっかり手出しをしない方が身のためですね。

 

 

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吹きだまった落ち葉と紙吹雪、結婚式のシーズンでもある秋

2024年10月23日 04時34分52秒 | 英国の、生活のひとコマ

町の中の紅葉がきれいです。

ストックポート・タウンセンターのセント・ピーターズ・スクエア St.Peter's Square の、色とりどりの吹きだまった落ち葉です。

落ち葉の吹き寄せ、風情があります。

 

しばらくたつと、町中で雨に濡れた落ち葉が地面に貼りついてヌルヌルになり、すべって転んで大けがをするお年寄りが出て問題になります。「歩きスマホ」の若者もすべって転ぶでしょう。

 

ところ変わって、ストックポート市庁舎 Stockport Town Hall の、国道A6に面する白亜の正面ファサードです。

徒歩で前を歩いて来て気がつきました。

ウェディング・コンフェッティ wedding confetti の吹き寄せ!

ウェディング・コンフェッティとは、伝統的にはベル、ハート、蹄鉄の形の金平糖の色の細かい薄紙で、結婚式を終えて教会を出てきた新郎新婦に向かって投げるおめでたい「紙吹雪」のことです。

そう言えばここ2年の間に私が出席した3回の挙式(夫の姪2人と妹)では紙吹雪の代わりに各自手渡された封筒いっぱいのバラとラベンダーのドライフラワーのウェディング・コンフェッティを、フォトグラファーの合図で新婚カップルに投げつけましたっけ。

1階に結婚登記所 Registry Office がある、市庁舎前のフォトスポットにもたくさんの花びらが吹きだまっています。近頃のはやりのようですね、ぜいたくです。手がいい匂いになるのはけっこうですが、パラっと落ちてしまいあまり「絵」にならないと思いました。

横にまわって、結婚登記所の入り口です。☟

薄紙の紙吹雪はひらひらと空中を舞って結婚写真の小道具として効果抜群なはずなのに...実は、それ以前にも私は4回、英国人の結婚式に参列していますが、紙も花びらもウェディング・コンフェッティを投げた記憶がありません。ドラマなんかでは紙のコンフェッティをよく見ますが。

ストックポートを通過する国道A6は古代の侵略者、ローマ帝国が建設した長い古い道路です。

...この道のずっと先のロンドンと、背後のマンチェスターを抜けてイングランド北限の町、カーライルまで続いています。

吹きだまりの上層には、白、黄色、オレンジ、えんじ色の丸い薄紙コンフェッティが目立ちます。色にも流行があるんですね。

ぜんっぜん知らないカップルの結婚写真をウェディング・フォトグラファーのスタジオのウエッブサイトから勝手に借りました☟絵にかいたような典型的な英国の結婚式イメージです。

底にたまった乾燥ラベンダーのツボミをつまみ上げて匂いを嗅いでみました。ラベンダーの香りはすっかり飛んで湿っぽい匂いがしました。

私と夫もここで20年近く前に登記所結婚式を挙げたのですが、式服ではなくよそいきの服装で列席者は2人の子供と証人2人の4人だけ。記念写真もコンフェッティもなしでした。

くぼみにたまったバラの花びらが寂しげでした。

 

 

 

 

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住宅街の歩道わきで発見、これがまさかの水玉模様の赤いカサ持つ幻想的な毒キノコ!

2024年10月22日 05時43分45秒 | 英国の、生活のひとコマ

昨日の午後、ストックポート・タウンセンターに買い物に行って、久しぶりにバスで帰りました(行きは、運動のために45分歩きました)

帰り道に例の「キノコ群生スポット」をとおりかかったら...

「うおおおお」と声を出さずに咆哮しました。

ー生にいちどでいいから、見てみたいと渇望していた「ベニテングタケ fly agaric」(に見える)白いボツボツのある赤いカサのキノコが生えていました。行きも歩いて通ったはずですが気がつきませんでした。

前回の多種キノコ目撃スポットと同じ場所です。

「誰かがキノコの菌の詰め合わせでもこの場所にばらまいているのでしょうか」といいかげんなことを書きましたがあんがい当たっていたかもしれません。(まさかね)

夢中で写真を撮りました。

全くあてにならない、美しい「キノコ識別カード」の出番です。

カードのイラストのカサの赤はもっと鮮やかです。説明を読むと濃いオレンジから黄色までカサの色にはバリエーションがあるようです。エが短いのは...イヌが掘りくりかえさないかぎり、伸びるかもしれません...

 赤ちゃんタケもいくつか顔を出しています。

ボツボツ(白の水玉)が密すぎて「鹿の子絞り」みたいですね。

カサが開いて大きくなれば間隔があくのかもしれません。

成長を続ければカサは平らに、成熟すれば反り返ってヒダヒダが見えるようになるらしいのですが...

ほんとうに憧れの「ベニテングタケ」なのかどうか、自信がなくなってきました...

白いエがにゅっと伸びていないとサマになりません。

wikipedia から勝手に引用した、童話の挿絵のように見栄えがするベニテングタケの成長3ステージの写真です☟

英国の自然観察ガイドウェッブサイトから勝手に借りた、最終段階の写真です☟

背が低いまま開ききって反り返っちゃう個体もあるんですね。

毒キノコとして知られていますが、毒性は低いそうです。英名の fly agaric は日本を含む多くの国で煮汁をハエトリに使ったからだと書かれています。鉢に入れて置いておくと喜んで飲みに来たハエがコロコロ死ぬそうです。

食べると発症するという幻覚作用も大したことはないようです。各国文化ではシャーマンが幻覚作用を儀式の際に利用してきた歴史がある...なんて記述がありますが、体質や体調によるみたいです。

今日もこの道を通ってバスに乗って出かけますが、まだ残っていることを願います。

以前にはなかった地味なキノコも群生していました。

2週間ぐらい前のキノコ記事のリンクです☟

食べてもだいじょうぶそうな、おいしそうな見かけの野生のキノコ、住宅街のただなか

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秋の美しい紅葉の住宅街、昔ながらの個人商店が並ぶ通りの汚辱の壁!

2024年10月21日 04時47分11秒 | 英国の、生活のひとコマ

天気のいい週末の午後、「昔ながらの」荒物屋 hardwear shop に買い物に行きました。

「アマゾンで買えば?」と言っていた夫もついてきました。インターネットで商品名を検索すると、クルマで数分の場所にある個人商店に在庫があることがわかり、足を運びました。地元のビジネスをサポートしなくては!

「商店街」とはいいがたい、高級住宅地を抜ける、バス通りにぶつかる角に由緒のあるパブがあり、真ん中あたりには古い教会があるその名もチャーチ・ストリートという通りにいくつか店やテイカウェイ・レストランがポツポツ並びます。

クルマはわきの通りに停めました。

高級住宅街は駐車しやすいです。庭の広い邸宅は長い生け垣が続きますので門の前をふさぐことも角を曲がってくるクルマの視界を遮ることもなく駐車できます。

20年前にいちど買い物をしたことのある、家族経営の荒物屋は調理用品や家事に使うこまごましたものの品ぞろえが充実していて、夫も夢中になりました。経営者の息子らしい若者が熱心に商品説明をしてくれました。

...今日の話題は「地元の荒物屋紹介」ではありません。(荒物屋の写真を撮るのを忘れました)

同じ通りの「ニュース・エージェント news agent 」に、缶詰を買いに立ち寄りました。

ウシが販売促進するコーヒーの看板です☟

ニュース・エージェントは本来、新聞雑誌、タバコ、宝くじを売る店ですが近年は日用雑貨と食品にも力を入れ、早朝から夜の9時,10時まで営業してコンビニエンス・ストアとしても機能しています。

夫が見つけた入り口近くの...

汚辱の壁 Wall of Shame!!

CCTV(防犯カメラ)に残る万引き犯人の画像をプリントアウトして店の入り口近くに、人目を惹く黄色い台紙を使ってドドーンと掲示しています。

知っている人が見たら丸わかり、すぐに特定できるでしょう。

5年ぐらい前に、ストックポート・タウンセンター近くの安売り店の「汚辱の壁」について記事にしました。

その後、値下げ度が半端ではなく店内が散らかり放題のその安売り屋(その名もプライスレス P£ICE £ESS)は経営破綻して店じまい、すぐにフランチャイズのこぎれいな大手コンビニエンスストア・チェーンがテナントに入り、インパクトの強い「汚辱の壁」は姿を消しました。万引き犯の写真が行くたびに増えていくのを見るのが楽しみでしたのに。

どこの店でも万引きには手を焼いていると見えます。ただ、私が実際に見た「汚辱の壁」は今のところ、この2軒だけです。

こんな高級住宅街で、いかにも万引き常習者に見える万引き常習者による万引き犯罪が多発しているのが驚きです。

以前の記事を載せた時、ストックポート日報を読んでくれている個人的な知り合いが、「経営者の判断で顔写真をさらすなんて日本では考えられない」と言っていましたっけ。

英国では軽犯罪抑止策として、公の機関による「Name & Shame (氏名を公表、恥を知れ)」方式の懲罰がー定の効果をあげているようです。

それをみて、本当に怒っている中小ビジネスの経営者が自衛手段に出たのでしょう。万引きごときでは映像を提出したところで警察の動きは鈍そうですし。

ところで日本では、「バイトテロ」なるバイト先で不衛生なおふざけをして撮った写真をSNSに投稿した学生アルバイト従業員の実名がSNSレベルですが、拡散されているではありませんか!?

「バイトテロ」って万引きとは違い、犯罪ではなく無自覚の迷惑/非常識行為ですよね。

ふとどきなバイト学生は多額の賠償金を課せられたり退学させられたりじゅうぶんな制裁を受けています。そしてー部始終が拡散されて効果バツグンな抑止策になったのはよいことと言えますが...実名公表は若い人たちの過ちには厳しすぎると感じました。

とにかく、日本のほうがよっぽど厳しいです。と言うか!バカなバイト学生のおふざけが「炎上」して、店が廃業に追い込まれるなんて日本以外ではありえないです!

荒物屋で買ったものは、これ☟

英語で washingline prop と言うのですが...日本語でなんと言うのか知りません。洗濯ものを干し終わったあと物干し綱を高く持ち上げておく棒のことです。のびちぢみします。

15年ほど使った古いものは錆びて二つに折れたので2週間先に回収のある金属リサイクル箱に入れました。

 

 

 

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眺めのいい屋上駐車スペース、上空を見て足元を見る

2024年10月19日 06時32分55秒 | 英国の、生活のひとコマ

ほぼ毎週、ストックポートタウンセンターにあるスーパーマーケット、アスダ Asda に買い物に行きます。

アスダの大きな店舗は3階の高さにあります。私たちはいつも立体駐車場の、3階にあたる屋上階にクルマをとめます。

眺めがバツグン。同じ高さにある丘の上のセント・メアリーズ・チャーチと坂の途中に並ぶオールド・タウンの古い建物が見えます。丘のふもとから広がる林の紅葉も見事です。

すぐ真上をマンチェスター国際空港に(この方向だとたぶん...)着陸する飛行機が数分ごとに飛行します。

トリの群れが次々と形を変えながら飛行機を追うように上空を横切っていきました。高度はだいぶ違いますね。天候や風の強さによるのでしょうか、機体に書かれた航空会社のロゴが読めるほど低く飛ぶこともあります。

晴天の真冬日には鮮やかな飛行機雲が青空を切り裂くように走ります。

 

駐車してクルマから下りて足もとをみたら...

おどろきの、ばんそうこうが塗りこめられた、駐車スペースを示す白ライン!

アンモナイトなど太古の生物の化石が封じ込められた石壁のような趣がありませんか?(ありません)

 

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健闘している町の商店街、こだわりのお肉屋さんと町の振興の秘訣

2024年10月18日 05時30分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

5週ごとの火曜日に、私と娘は日本式の「ハンバーグ」を食べます。ここ数年、5週間ローテーションで曜日ごとにきめてある夕食メニューのシステムに従っています。献立に悩まなくて楽ちんです。

ハンバーグの日には高級住宅地にある商店街のお肉屋さんで牛ひき肉を買います。

ショーウィンドウには肉のディスプレイがー切ありません。

地元産の放し飼いタマゴ、調理ソース、フライドチキンの持ち帰り箱(合衆国の旗デザイン)など抽象的なアピールです。

店内の冷蔵ケースは、加熱するだけで食べられる半出来合いの肉料理、ソーセージやポーク・パイなど伝統的なお肉屋さんの自家製品のディスプレイに使われています。

 

ディスプレイされている肉はステーキ用やロースト用などなどごくわずか。必要なものは注文して背後の大きな冷蔵庫から出してもらうようです。

 

ひき肉500gを注文すると、冷蔵庫から大きなステーキ肉の塊を出して、ぶ厚いまな板の上で切ってその場でミンサー(肉挽き機)で挽いてくれます。ぶっといスパゲッティのような赤いひき肉がにゅるにゅる出てくるのを見るのは楽しいです。

コンピューター仕様の秤が値段を算出、きっかり500g計れたことはなくていつも多めで、500g分よりほんのちょっと余分に払うことに。200gぐらい多めに挽かれたひき肉は陶器の器にいれ、冷蔵ディスプレイケースに移されます。少量必要な人に1回で売り切るでしょう。

 

私のように500gも買う人には必ず挽きたてを売ってくれます。挽いてあるものから売りたいでしょうに、混ぜることはありません。

内側につるつるコーティングした茶色の紙袋も環境を配慮していて好感がもてます。

(ベジタリアンの夫にはキノコ由来のマイクロプロテインのハンバーグをオーブンで焼きます)

500gあれば、タマネギ、パン粉などを入れて練った日本のレシピのハンバーグ・パテなら7枚も作れます。娘が2枚、私が1枚夕食に食べ、あとは焼かずに冷凍して、メニューのきまっていない水曜日にでも解凍調理して食べます。

オンラインショップの台頭で、商店や商店街そのものの衰退がはじまって久しいです。しかもそのずーっと以前から生鮮食品はスーパーマーケットで買うのが当たり前になっていますので、どこの地域でも町のお肉屋さんが減っています。

たくさんの種類のすでに様々な量にパックされた肉を店員とのやりとりなしに選んでカゴに入れていくスーパーマーケットの方が手っ取り早いのは確かです。

でもこの店は「アーティザン(昔ながらの職人気質の)・ブッチャー」と銘打っているだけあって高級化・差別化したマーケティングで繁盛しているようです。用途に合わせた部位をその場できりわけ、ひき肉なら挽きたてを量り売り...といった。

お値段は高め。

牛ひき肉515gが5ポンド64ペンス(1,101円)。...たまにならいいか、と思える出費です。スーパーマーケットだと、安いものは500gが3ポンド前後で買えます。

昔ながらのこの商店街には八百屋さんまであります。

とは言え、オンラインショップやスーパーマーケットと競合して、今どき驚くほど繁盛しているこの商店街の顔ぶれは「昔ながらの」とはいいがたい業種が圧倒的に多いです。

 たとえば...美容院。

と理容院。

ビューティー・スパー(エステ)、メガネ屋、おしゃれなレストラン、カフェ、ワイン・バー...

そしてフラッと立ち寄るのが楽しいチャリティー・ショップ(寄付されたセカンドハンド品を売って慈善事業の基金にする店)。

私がボランティアをしている、チャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam です☟

....等、オンラインでは提供できないサービスの業種がそれぞれおどろくほど多数、店を構えています。テーラー(注文仕立服屋)まで1軒ありますし。

ちょっとした贅沢にお金を惜しまない人たちが住む裕福なエリアであることも重要でしょうね。

商店街の中心にあるショッピング・プリシンクト(小型ショッピングセンター)では今風のビジネスが目立ちます。

例えば、最近人気の、陶器の彩色絵付けができるポタリー・カフェ pottery café

日本各地の観光地にあった「楽焼」みたいな施設ですが、貸し切りで絵付けパーティもできるおしゃれなカフェです。

犬のトリマー

子供のための美容院

カスタマイズド(オーダーメイド)の高級自転車屋もあります。

いずれも商店街に足を運ぶ目的になる注目のビジネスです。(気合いの入ったハロウィーン飾りを中心に写真を撮りました)

商店街が廃れるのって、本当に寂しいです。

がんばってほしいので、5週ごとにちょっと高めのひき肉を買い続けます!

 

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ウシもいればタマゴに花の苗も売るおなじみの、住宅街の中にある牧羊農家

2024年10月15日 06時29分05秒 | 英国の、生活のひとコマ

うちからクルマで約10分、新興住宅街の中の農地にのんびり草を食むウシとヒツジを見かけました。

何度もストックポート日報に載せているこの放牧地では、冬に雨が降り続くと広大な水たまりが出現する、フラディング flooding という美しい自然現象がみられます。

flooding には河川の氾濫を意味する「洪水」と言う意味もありますが、ここでは単に「冠水」と言う意味です。

水が農地から出ることもなく(農地の持ち主はイヤでしょうけど)農作物が育っているわけでもないですし実害は少ないのではないでしょうか。

天気の良い日には水面が空の青さを映しキラキラ光ってとてもきれいです。

上の写真の手前には、おそらく農地の持ち主であろう農家の入り口があり...

ここ数年は、いつ通っても無人販売スタンドが店開きしています。

放し飼いタマゴ free range eggs 半ダースが1ポンド70ペンス( 330円 )。スーパーマーケットではLサイズの6個が1ポンド60ペンスから90ペンスぐらいなので、相場でしょう。紙製のタマゴ箱はスーパーマーケットの流用品です。常連客は買ったタマゴを使い切ったら空のパックをまた持ってきて置いていってくれるのかもしれません。

広い庭でニワトリを飼っているのでしょう。自宅で食べきれない分を道行く人たちに販売しているようです。クルマもとめて方向転換できる十分なスペースが家の前にあります。

パンジーの苗8本が1ポンド50ペンスはお得です。

木箱の中に、小銭がたくさん入ったきれいな紅茶の缶が無造作に置かれていました。タマゴやパンジーの苗を買った人がお金を入れておつりを取れるようになっています。

無人販売所の料金箱のことを英語で「オネスティ・ボックス honesty box 」と言います。人々の善意と正直さ(honesty )を信じる良い言葉ですね。

販売スタンドのうしろの、農地とは区切られた緑地では以前はペットのロバが、その後はアルパカ(!)とヤギが飼われていて道行く人が勝手にニンジンやオートミールなどを手から食べさせていました!

ずいぶん前に載せたフラディングの記事を見つけました☟☟

クリスマスが終わった晴天の日暮れ、冬の現象・・・放牧地に現れた池

この場所で、ー時期飼っていたアルパカについての10年も前の古い記事も見つけました☟☟。

ストックポートのアルパカ!

 

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先祖が住んだ熱帯の森を知らずにストックポートで生涯を終える南国のトリ、壁画の殿堂入り

2024年10月11日 21時18分16秒 | 英国の、生活のひとコマ

ストックポートのショッピングセンター、マージーウェイ Merseyway の外壁の...

最近、完成したモザイク画のミューラル(壁画)です。

そばによってみるとビックリ、すべてビンのプラスチックのフタを使った廃材利用です。

ー般からプラスチックのフタの寄付を募っていたアーテイストが、このそばの空き店舗のショーウィンドーいっぱいに、集まったフタを色ごとに透明な箱に詰めディスプレイしていましたっけ。てっきり、溶かして立体造形にでも再成するんだと思っていました。

フタそのままのモザイク画とはエコロジーを意識した斬新なアイデアです。

モチーフはストックポートの野生動物(動物のリアルな描写と比較してマンガっぽいキノコの装飾性が疑問ですが!)。

アカギツネ、アナグマ、サギ、ハリネズミ、カエル、カワセミ、ハト、アカゲラ、ケストレル(タカ)、レッド・アドミラル(チョウ)、マンチェスターのシンボルのハチ...すべて私もストックポートで見かけたことがあるイングランド固有の野生動物です。それと...

この、絶対にイングランド固有の野生動物ではない南国のトリ!

私の家でも私が子供の頃に飼っていた「ダルマインコ」に見える、だるまさんのヒゲの模様を持つこのエキゾチックな野鳥が1990年代ごろからロンドンを中心にしたイングランド南部に定住して数を急速に増やしているらしいことは聞いていました。ニュース映像などでもたびたび見ています。その野鳥の英語名までは憶えていませんでした。

「ここストックポートにもいるの?」

ダルマインコの英名が red-breasted parakeet だとウィッキピィーディアで突き止め、検索してみたのですが、ストックポートとの関連性は全く見つかりませんでした。

次に「Stockport」 と 「parakeet (インコ)」で検索してみたらたくさんの項目にヒットしました。

このトリは、ハツミミ!ワカケホンセイインコ ring-necked parakeet (以下;ワカケ)で、ダルマインコではありませんでした。だるまさんのヒゲが、ダルマインコより細く、輪になって首の後ろでうっすらとつながっているので「ワカケ」なんですね。

今回の話題は前回に続いて、英国の美しい外来種のトリ...です。

野鳥観察サイトから勝手に借りた写真です☟

頭部がグレーで、お腹がピンクのダルマインコと違って、ワカケは(ほぼ)エメラルドグリーン1色です。

ストックポートを含むマンチェスター南部は、少なくとも2万羽の生息が確認されている大棲息地だそうです。知りませんでした!見たことがありません。見たいです!公園や民家の庭、線路沿いなどで多数目撃されています。

イングランドで野生化した理由は諸説あるようです。

1951年公開の英米合作映画、「アフリカの女王 the African Queen 」の、ロンドンの撮影スタジオから大量に放された撮影用のワカケ。伝説のギタリスト、ジミー・ヘンドリックスが1960年代に、Wham! のジョージ・マイケルが1980年代にそれぞれロンドンで放したつがいのワカケ...が繁殖したという「都市伝説」めいた説が知られているそうです。

「ビンの蓋モザイクアート」の隣の、ジミー・ヘンドリックスの肖像ミューラルです☟以前のストックポート日報からの転載です。

1987年の英国南部の突風で破壊された、元貴族の邸宅だったロンドン西部の Syon Park の巨大な鳥舎から大量に逃げた、という説がいちばん信ぴょう性が高いそうです。

1930年代と50年代には世界的なオウムのブームがありました。言葉をよく憶え、手乗りにもなる知能の高いワカケは1980年頃まで人気のペットだったそうです。逃げたり世話がしきれなくなって放されたりした個体もかなりいそうです。

適応力があるようですね。

「インドやスリランカなど熱帯地方のインコが寒いイングランドで生存できるのか」と疑問に思った人もいるでしょう。北海道より緯度が高いイングランドはめちゃくちゃ寒いと思っている日本人は多いようですが、その実、冬の寒さは東京より穏やかです。

「ワカケ」は、日本でも広範囲にわたって野生化しているようですね。

で、このミューラルですが...

環境問題を考えて時間がたてば分解されるプラスチックも開発されてきていますし、けっこう色も褪せるはずです。耐久性はだいじょうぶなのかなぁ。もちろんフタのモザイク作家はプロでしょうし、ちゃんと知ったうえでの制作でしょうけど。

 

 

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公園の池で見かけた派手な夫と地味な妻のオシドリ夫婦、生態の現実にいささかガッカリ

2024年10月08日 08時03分37秒 | 英国の、生活のひとコマ

近所の広大な公園、ブラモル・パーク Bramhall Park に行きました。

コンピューターシステムの不具合で無効になった処方箋の再手続きに診療所に行った夫に、散歩がてら付き合いで出てきました。ついでに回り道して、パークまで足を延ばすことにしました。

坂下のパーク正門わきの林道から入って...

小川の水が流れ込む人口の池に出ました。

今日の話題は、ブラモル・パーク名物(だった)オシドリ Mandarin duck です。

10年以上前には地元の新聞に写真が載り、きわだつ美しさがちょっとした評判になりました。行くたびに誰かが写真を撮っていましたっけ。

その時は2羽ぐらいしか見なかったはずです。...数年後にはかなり数が増えていて、注目を浴びることもなくなりました。

現在は、見かける時もあれば見かけない時もあり、ー時より数は減ったかもしれません。

東欧系のー家が気前よく食べ物をやっていました。

水鳥たちのガツガツぶりは見ものでした。

ふたつある池と小川から全員集合。よっぽどお腹が空いていたのでしょう。天気がいいのに平日のためか、あまり人はいませんでした。

子供たちが小さかったころ、天気の良い週末にパンの耳を持って行っても、1日中エサをもらい続けてお腹いっぱいだった水鳥たちは見向きもしませんでしたよ。「パンくず?いらん」と言われました。

こうしてみると、やっぱり目立つオシドリ...けっこうたくさんいるようです。

「え、あれとあれ、もしかしてペア?」と夫が指さしました。おなじみの華やかなオシドリのとなりに、細身でジミ~な色彩の、それでも目つきがよく似た水鳥がいます。

忘れていました。オシドリって、雄雌の見た目が全く違うんですよね。カラフルなオスにばかり気を取られてそばにいるモノトーンのメスの存在にはあまり目が行きませんでした。見た目の落差が極端です。

「奥さんジミだね、失礼だけど」と言う夫に、「オシドリ夫婦」の由縁である「オシドリはー生涯、1羽の相手と添い遂げる、パートナーが死ねばもう1羽も食べるのをやめて死ぬ」という日本ではおなじみの美しい話を教えました。

ウィッキピィーディアの日本語版には「(その話はウソ)冬ごとに毎年パートナーを替えることが判明している」と書かれています!えーっ、ガッカリ。

英語版には、「中国、韓国、日本では、伝統的に生涯パートナーを替えない習性をもつと言われているオシドリが夫婦愛や貞操のシンボルとして認識されている」という内容の説明がありましたが、生涯パートナーを替えないというのがほんとうなのかどうなのか、が書かれていません!

英国の野生生物観察ウェッブサイトによると、「毎年、替える」そうです!しかも、交配がすんだら多くのオスは全く子育てに関与しないでどこかに行っちゃうそうです。えーっ、知りたくなかった。托卵するメスもいるそうです。家族愛のイメージも崩壊...

パートナーがー生涯きまっているのなら、あんなにハデハデな羽毛でおしゃれしてメスの気を引く必要もないですよね。

私が撮った写真は遠すぎて画質が悪いので、英国の野生動物観察ウェッブサイトから勝手に借りたプロの写真を載せます☟(キレイ!)

もともとの棲息地である極東からペット、観賞用として輸入されたオシドリは、逃げ出したり放されたりして英国とドイツで定住、野生化して急激に数を増やしているそうです。(もちろん、このまま増え続けた場合の生態系への影響も心配されています)

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