イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

善男善女の浄財を子供たちの支援に使う地域の取り組みと小銭の始末

2025年01月19日 09時29分38秒 | 日本

船橋駅周辺の公共アートについて記事にした前回につづいて、駅構内の「公共アート」もご紹介します。

ローカルな話題で恐縮ですが、後半、何とか英国の話題につなげることに成功しました!

「さざんかさっちゃん」像。

写実的な半身像と、かわいらしいマンガキャラクター像の変わった組み合わせが謎めいたブロンズ像です。

JR船橋駅と建物を共有する東武鉄道の敷地内にあります。

管理するのは、設置にもかかわった東武デパートだそうです。

さっちゃん像は長年、待ち合わせスポットとして親しまれています。

さざんかさっちゃんって誰?昔から気になっていました。調べました!

渋谷のハチ公のようにこの場所に関係のある実在の人物ではなく、進学困難なおもにひとり親家庭の子供の進学を支援する地域独自の募金活動のマスコットとして作り出された架空の女の子、みたいです。(現在、さざんか募金活動基金は教育支援に限らず、公益性の高い複数のチャリティ活動に使われているようです)

像が募金箱になっています。

設置は1980年。

2010年に設置30周年記念式典が行われ、9歳の時に「さっちゃんのモデルになった」女性もかけつけた、という新聞記事を見つけました。今年は45周年目ですね。

えっ!って言うか、さっちゃんって船橋市の市章(市花)であるサザンカをつけた野球帽の子(小さいほう)じゃないの?!

モデルになったのはどう考えても写実的な半身像(大きいほう)ですよね?

「さざんかさっちゃん」で検索すると上記の新聞記事ふくめ、混乱する記述いくつかにヒットします。いわく前に座っているのはさっちゃんではなく弟の「福太郎君」とだとか(それは誤情報です。この子はスカートをはいています)

さっちゃんは間違いなく野球帽の子です。じゃあ、9歳の少女がモデルをつとめた後ろの写実的な半身像は誰?

大きさの比率や伏し目がちの落ち着いた表情から、写実的な半身像はさっちゃんのお母さんだとずっと思っていました!

育英金募金運動なんだから「あしながおばさん」ってこともありうる…。とにかく、さっちゃんを温かく見守る大人の女性だと思っていたのですが、モデルが9歳!ふたりとも女の子だったんですね!じゃあ、なぜ2人…?

写実的な少女像を後ろに配したのは、漫画キャラクターだけだとアートとして軽んじられるんじゃないかという懸念でもあったのでしょうか?

 

2020年3月の時点で、さっちゃん像の募金箱には通算 724万円の募金が集まったという記事を見つけました。その額は40年間で、多いのか少ないのか? 

そう言えば、お金を入れている人を見かけたことが1度もありません。

財布の中でジャラジャラ重い小銭を通りがかりに入れていってもいいな、と思っても立ち止まってバッグから財布を出してお金を入れるのはちょっと手間だし、人目を惹きます。

募金箱って、小銭の受け渡しをする会計カウンターなんかにあったほうが入れやすいのですが…日本には、募金箱がある会計カウンターがあまりありませんよね。

英国では、思いつく限りすべての会計カウンターに、地域や全国規模の慈善活動の基金を募るプラスチックの筒状かアクリル板の箱型の募金箱が置かれています。

日本よりずっと早く2,010年頃には「キャッシュレス化」が普及していたた英国では現在、募金箱設置による基金集めに苦戦しているはずですが。

それでも、大半の買い物客は、現金払いでお釣りを受け取ったら少額の小銭は募金箱に入れていくのを習慣にしています。

 

今回の来日で気づいたことがあります。私を含め、現金払いの人たちは小銭を使い切ることに熱心ですよね。(日本で銀行口座を持たない私は日本滞在中はいつも現金払いです)

支払金額が1,543円であれば、2,043円払って5百円玉1枚のお釣りをもらうのはごく普通です。

英国では、15ポンド43ペンスの支払い金額に、20ポンド札に財布から掻き出した小銭43ペンスを添えて支払う人はほとんどいません。20ポンド紙幣のみをぺらっと手から手へ渡すのが普通です。

上記の例では、ほとんどの人が受け取った 4ポンド57ペンス(ジャラジャラ)の釣銭のうち4ポンドは財布に入れ 57ペンス(か、少なくとも7ペンス)を募金箱に入れていきます。

途上国支援のチャリティ団体、オックスファムでボランティアをはじめて以来、6年間の会計カウンター経験談です。釣銭がすぐになくなって厄介です。

日本でも、募金箱をすべての会計カウンターに設置すれば財布でかさばる小銭を減らす努力をする人が減るのではないでしょうか。お店は小銭不足に悩むかもしれませんが。

ガザ攻撃が始まった最初の10日間で「ガザ支援」と書かれたオックスファムの募金箱に浄財700ポンド(13万3千343円)以上も集まったのには驚きました。

支払い時の釣銭のみならず、5ポンド紙幣、10ポンド紙幣もぎゅうぎゅう詰まっていました!(昨日の停戦ニュースは、とりあえず喜ばしいです!)

 

船橋市内のいたるところでサザンカの花が今、満開です。

 

 

 

コメント (1)
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