土曜日の夕食です。
日報初登場、
チャイニーズ・テイカウェイ Chinese take-away。
イギリスではおなじみの、中華料理の持ち帰り専門店。
グレート・ウォール Great wall(万里の長城)というお店を試してみました。
イギリス全国どこの町にも無数にある、香港系からの移民が家族で経営する広東料理店。
ご主人が英語で注文を聞き、漢字で書き取って、広東語で厨房に申し送っていました。
奥さんと、もう一人の男性とティーンエイジャーの娘らしい女の子が調理していました。
上の息子のおススメの店です。
彼の前の職場のそば、庶民的なエリアにあって比較的安価とのこと。
カウンターの後ろはすぐ厨房。
待つ客数人が座れる椅子やソファーがおけるだけの、最小のスペースで飲食ビジネスが成り立ちます。
経営者家族は上の階に住んでいることが多いようです。
店内スナップ。
中国語のおめでたい標語、ニセひすいの彫り物、竜やツルのモチーフ、山水や南画ふうの安プリントの絵、「カネのなる木」の鉢植え、日本の手の動く電動招き猫は、どこのチャイニーズテイカウェイにもあります。
息子2人を連れてきました。
20分ばかりの、注文した料理ができるまでの長い待ち時間のあいだ、ゲームに興じる2人。
下の息子は、なんと、兄にかりた10年前のレトロなゲームボーイのポケモン・ゲームに夢中です。
私たちが待ってる間に、次々とお客があらかじめ電話で注文しておいた料理を待たずに取りにやってきます。
次回からは家で注文して、できたころにとりにいけるよう、メニューをもらってきました。
他の店のメニューはいくつか持っていますが、なかなかお気に入りの持ち帰り店にめぐり合えないんです。
ウェッブ・サイトでの注文も受けているようです。
ちなみに、少し写っているシャッターの閉まっているつぶれたサンドウィッチ屋をはさんで隣の隣も中国人経営の広東料理のテイカウェイ。
レッド・メイプル(赤い楓)。
昼間はフィッシュ・アンド・チップスもやっているようです。
魚の立体看板に注目。
このあたりは、持ち帰り飲食店激戦区のようです。
車で10分、持ち帰って、テーブルで豪快にビニール袋をやぶり、箱をあけて中身をお皿に移す。
私がいつも、どの店でも注文するお決まりは、「クリスピー・チャウメン」。
長崎のちゃんぽんのような、堅い焼きそばみたいなパリパリ麺。
中国人にはおなじみだそうですが、イギリス人は絶対注文しないんだそうです。
もちろんメニューにもありません。
たのめば、特別につくってくれます。
もちろん、かけるソースとべつべつの容器に入れてもらうことも要求します。
いっしょに入れると、家に帰って容器を開けた時はべちょべちょ、ハンパにふやけてしまいます。
ソースはゆるめのえびソース。
夫は必ず、エッグ・フイヨン(ってどういう意味なんだろう?漢字を聞けばよかった。炒り卵のようなものです)というサイド・ディッシュと、チップス(イギリスでは短冊切りにしたフライドポテト)。
上の息子はスペアリブ、春巻き、鶏のから揚げと、お気に入りのスターター(前菜)をいくつも注文しました。
レストランだったら、スターターと、サイド・ディッシュだけでおなかを満たす夫や息子の注文の仕方はちょっと、へん・・・。
だけど、持ち帰りだから、気にしない。好きなものを買って食べます。
テーブルを散らかして食べます。
下の息子は、はじめて、私のおきにいり「固い焼きそば」という日本語の表現に惹かれて、クリスピー・チャウメンをためしてみました。ソースはチャーシュー。
麺が硬くて味が滲みてなくておいしくない、と言っていました。
滲みてないところが、日本人の私のこのみなんですけどね・・・
麺は残して、炒めご飯にチャーシュー・ソースを浸して食べていました。
イギリスで最も一般的な中華料理の食べ方は、白いご飯か、炒めご飯を注文して、メインの肉や野菜の炒めもののはいったソースにべちょべちょ浸して食べます。
日本料理を家庭でご馳走しても、必ず、魚の煮物などのおかずをぐちゃぐちゃと崩してからごはん茶碗をぱっとひっくり返して、ごはんを混ぜてたべたがるんです。
ご飯茶碗は食べるための食器じゃなくて、テーブルに出すだけのためのものだと思っている人もたくさんいます。
日本のご飯は、中国のご飯と違って、粘り気があるのでなかなか汁にのびないんですよね。
フォークで潰すようにしておかずと混ぜます。
もともと、日本の文化や生活に興味があったわけではない夫も、私のつくった日本料理をこうやって食べたがりました。
私が、日本人はそんなことをやらない。と強く抗議したのですが、かなり長い間、ききいれませんでした。
「自分のうちでは食事ぐらい好きなようにさせてくれ」ってことなんですよね。
10年以上前のことです。
うちに来た親しいイギリス人のお客さんに、「ご飯混ぜ」は日本ではやらないからうちでもやらないでね、と前もって言った私に、夫はあとで「失礼だ。イギリスでは好きなように食べてもらうのがマナーだ」とおこりました。
その時のお客さんは、「日本人が作った日本料理は日本人がやるように食べたい」と思っている人達だったので、がんばってお茶碗からご飯をたべてくれました。
日本料理のときには食卓におしょうゆをおいて、じぶんの好きなようにあらゆる料理にジャブジャブかけられるようにしてほしい、と要求したのも、うちの夫のイギリス人らしい食事に対する態度です。
ていねいにダシをとったり、京風の薄味をこころがけたり、隠し味に生姜おろしをきかせたり・・・といった一手間は私の夫や、多くのイギリス人には煩わしいだけのようです。
味噌汁にもおしょうゆを入れる人もいるぐらいです。とにかく「日本料理にはしょうゆ!」
自分で食卓で好きなだけかけさせてもらわないと、楽しめない人が多いんです。
うちの子供がご飯まぜと食卓でのおしょうゆじゃぶじゃぶをやり始めたのを機に、夫の態度が軟化しました。
私が何度も注意しているのに子供たち、聞かないんです。何しろ父親が目の前でやってるんですから。
日本の家庭料理を日本で食べるように子供に食べさせたい、という私の気持ちを尊重してくれる気になったようです。
少なくとも、私がいる時は控えるようになりました。
西洋人は「三角食べ」をやらない、と以前から聞いていたのは本当でした。
日本人がやるように、味の無いごはんを口に入れて、別に盛ったおかずを一口ずつ口の中で混ぜて味わう、という発想はまったくないんです。教えてもできません。
うちの子供たちも、おしょうゆや味噌汁をごはんにかけて、というより、味噌汁やおしょうゆにごはんをいれて!食べたがります。
ごはんびちょびちょ浸し、見ててキモチワルイけど中華料理の時は黙認です。
みんなやってるから・・・
中国のライスは粘り気がなく、ゆるめのソースにずるずるとよく混ざります。
見かけは一昔前の犬のエサそっくり・・・
私たちも、チャイニーズ・レストランに行った時はライスとメインを注文します。
夫と子供たちは、家でやると私が嫌がるのでがまんしている「ご飯びちょびちょ食べ」を、ここぞとばかりに楽しみます。
私は一人、日本風にメインの肉や野菜をつつきながらお茶碗を手にもってご飯を食べます。
ところで、どんなに言っても、うちの夫も子供たちも絶対にご飯茶碗を手に持って食べません。
お茶碗からご飯を出すのを私がいやがるので、食卓に置いたお茶碗に口を近づけて犬のようにして食べます。
そうそう、イギリスでは、日本でおなじみの中華の数々、肉まん、チンジャオロースー、マーボー豆腐、ザーサイ、ラーメン、餃子、具だくさんのチャーハン、杏仁豆腐、などが食べられません・・・。
香港からの移民が経営する広東料理一辺倒のイギリスと違って、日本の中華は北京、上海料理が主流だからだと聞いたことがあるのですが、どうなんでしょうか。
もしかしたら、本場中国の中華料理は、私たちが日本で食べなれているもの、イギリス人が本場だと思っているものとかなりちがうのかもしれません。
留学中に、台湾人の女の子に聞いたら、彼女もイギリス人のチャイニーズレストランでのご飯びちょびちょ食べに驚いたそうです。
テイカウェイ、4人まえが19ポンド99ペンス。2725円。
チャイニーズレストランで食べると、スターターとメイン、ご飯と高い税のつくドリンクもいれると70ポンドぐらいかかっちゃいます。
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