勝手に夏休み休刊していた
ストックポート日報、復刊です。
写真は二階の窓を居場所と定めた息子ネコ、ティブと、一階の食卓わきに陣取る母ネコ、リヴィーを中心にお送りします。
夏休みと言っても、パンデミックです、どこにも行きませんでしたが。
イングランドでは7月19日から、ほとんどの行動規制が撤廃されています。
昨日1日の新規感染者数は31,808人...依然として多いですねぇ。
(検査総数は82万5,501件です)
それでも決行した行動規制の撤廃からもう3週間、多くの人々にとって気分的にはほぼ完全にパンデミックは終わっています。
昨日で、2回のワクチン接種を完了した全英国の18歳以上の対象者の割合いは88.8%に達しました。(キリがいいので特筆します)
私の知っている人はすべて接種を完了していますし、19歳の下の息子の友人もほぼ全員1回目を終えています。
先週から、接種対象年齢を16歳にまで下げ、国全体の抗体がグングン上がってきています。
ワクチンが効いているためにたとえ感染者数は激増していても、重症化する人がとても少ないからこそ規制撤廃に踏み切ったのです。
1年以上のあいだ屋内で着用が義務化されていたマスクが「任意着用」になりました。
任意というか、「奨励 recommended 」ですね。
多くの店や公共の建物内では利用者にマスクの着用を「奨励」しています。
「マスク着用が入店の条件」とし、従わない人の利用を断ることもできる独自のルールを掲げる店もあります。
ただ予想通り、法的強制力がない今マスクを着用しない人が実際に入店を断られることはないようです。
昨日、「安全対策がバッチリ」がうたい文句のスーパーマーケット、セインズベリーに買い物に行きました。
マスク着用必須の独自のルールを設けているはずのセインズベリーでも客の半分以上がマスクなしでした。
店員の何人かもマスクなしだったのでもうルールは限りなく形骸化していました。
それにつけても、棚のスカスカ具合は特筆ものでした。
特に小麦粉、パスタ、トイレットペーパーなど、去年の春のパンデミック開始時期に買いだめパニックを引き起こし品薄になった製品の補充が遅れていました。
感染者と接触したたいへんな数の人が追跡アプリケーションで特定されて、10日間の自主隔離しているために物流が滞っているらしいのです。
医療、交通、物流従事者は特例で陽性判定の場合以外自主隔離を免除され始めているそうなのですが、それでは隔離の意味がないような...?
いっそのこと陰性者の隔離なんてやめたらどうか...とも思うのですが、まだまだワクチン接種が終わっていない人たちもいるために感染者数をむやみに増やすわけにはいかないんですね。
屋外でマスクをする人は今や、ほとんどいません。
先週、ストックポートのオールド・タウンをいっしょに歩いた友人は、珍しく屋外でもずっと刺繡入りのステキなマスクをし続けていました。
そういう英国人もいるにはいるのです。
新しく開店した店に入った時、私もポケットからマスクを出してつけました。
オシャレなセレクトショップが次々とオープンしているストックポートの通称オールド・タウンにある景観保存地域 Little Underbank です。
オシャレな店に混ざって昔から繁盛しているタトゥ・スタジオに行列ができていました。
創業は終戦直後の老舗です。
多くの店のスタッフは「安全対策は万全」のアッピールのためか、マスクを着用しています。
そういう店に入る時は客もマスクをした方がいいだろうな、という心配りが暗黙のうちに求められている気がします。
意外にも店のオーナーは友人の長いこと会っていなかった友人でした。
思わぬ再開を喜び合う友人と店のオーナーは2人そろって
マスクを外して手を取り合わんばかりに喜びあって話し込んでいました。
人と話をする時にずっとしていたマスクを外す(!)なんて本末転倒もいいところです!
ひさしぶりに会った人には満面の笑顔を見せあって喜び会いたいという気持ちはよくわかります。
私も紹介されてちょっと会話に加わりましたが、マスクはしたままを通しました。
客が入ってきたので会話を中止して店を出た私たちですが、店から足を踏み出したと同時に私はマスクを外し、友人はポケットからマスクを出してつけました。
「それ、外ではしなくていいんじゃないの?」という私に友人はハッとして「あっ、私店の中でマスクを外しちゃったわね!」と大いにうろたえて笑い出しました。
...無意識の行動だったようです。
昨年、屋内でのマスク着用が義務化された7月半ばに先立って英国でも「イタリア、フランスのようにマスク着用を義務付けた方がいいのではないか?
韓国、中国、日本のようにマスクの着用が常習化している国々では感染を抑え込んでいることから我々も学ぶべきではないのか」という議論がしきりでした。
それを受けて、ごくごく少数の人々が自主的にマスクをして外出しだしたのもそのころでした。
誰もいない通りを1人で歩いている時にしていたマスクを、知り合いに会って挨拶する時に外す人がたくさんいたようなのです。
私も近所でその現場を目撃したことがあります。
テレビで公衆衛生や疫病学の専門家が「マスクは人と話をする時にこそ効果があるのです」とくどくど何回も説明していたのがおかしかったです。
「人と会う時に口元を隠すのは失礼」という考えが民族の本能のように根強く存在しているらしい英国では1年間、マスクの習慣と正しい使い方にやっと慣れたのにけっきょく根付くことがなかったようです。
イヌの散歩のときもマスクを離さないという友人が久しぶりに会った人の前で無意識に取った行動がそれをよく表していました。
木曜日にうちに来た、感染、入院を経験したコロナ生存者の友人は着用法の撤廃と同時にマスクの着用を一切やめたそうです。
入ってくるなり抱きつかれました。
家族以外の人との体の接触は実に1年半ぶり...?