blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

夢や幻想がなければ

2017-06-21 19:41:45 | 日記
雨が少なかった当地も、今日は本格的な雨になった。
強い風も伴っていた時間帯もあったが、今は雨は落ちていないし、注意報レベルの状況にはならなかった。
それでも、三重県や愛知県の一部は避難指示や勧告が出るなど大雨となり交通にも大きな影響が出てしまった。
農業関係の方はひとまずホッとしたかもしれないが、今まで雨の気配すらなかったところに何もこんなに一気に来なくてもというのが率直なところだ。

さて話はまったく変わって、某東京資本のアイドルグループの総選挙とやらで一人のメンバーが結婚宣言をしたことが騒動になっている。
結論から言えば、アイドルとしてステージに立っている状況でのあれはさすがにナシだろう。
言葉は悪いが、ウソでも「アナタにももしかしたらチャンスがある」くらいにファンに思わせ、売り上げにつなげることが立場上は求められるはずである。
夢や幻想を売る立場にある者でも恋人の存在や結婚を宣言することを制限する手立てはないが、公に恋愛禁止をうたっているグループであったからやはり結婚宣言は「ナシ」が妥当だったと言える。

夢や幻想を売るのは何もアイドルに限った話ではなく、都会でも田舎でもいいがテーマパークの類いもやはり同じようなものだ。
もう6月に入り、キャラクターの格好をして場内を闊歩する役割の方にはいささかキツい季節となってきた。
しかし、いくら猛暑であっても園内にいる以上は一つのキャラクターを演じ続けなければならない。
素の人間に戻れるのは舞台裏に帰ってからである。

あるいは、私がたびたびお世話になる「夜のお店」にいる女性たちもそうだ。
昼職バレ等の回避ももちろん理由としてはあるが、本名とは違う名前をもらって別の人格を演じるという点ではテーマパークのキャラクターと同じだ。
また、恋愛事情あたりは気心が知れぬうちは(ある程度知れても)決して明らかにはしない部分はアイドルと同じだ。
よほど意気投合すれば、「最近別れた」などの真剣なコイバナを聞くことはできるが、かといって隣で酔っ払っている自分が対象になるなどと考えるのは勘違いが過ぎる。
たいがいはしつこく詮索したところで「厳しい現実」を突きつけられて男の方が悶絶するケースが圧倒的に多くはなるのだろう。

我が国のような平和な社会であっても、誰にとっても現実というのは苛烈なもので、時には非現実の世界に身を置きたいと思うのは当然だ。
方法が何であれ、そういう時間が一個人の中にまったくないとするなら、現実世界にまったく不満がないという仏様のような人ということになる。
現実が苛烈であるからこそ、人は非現実や夢や希望やファンタジーや幻想や妄想やフィクションに時々は身を委ねたくなる。
誰の現実にも特に不安や不満がないとするなら、世の中の多くの「夢を売る仕事」がなくなってしまうだろう。
実際にはかなわないと知りつつ、その夢を支えに日々を生きる場合だってある。
生活を回していくという当たり前の動機だけでは、人間が日々の仕事に当たっていくには少しだけ弱いのである。

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