長いお盆休みも今日で終わり、また明日から日常が戻る。
明日の準備は休み前に整えているから心配はないし、お盆期間は総じて休息にあてる時間が長く肉体的な疲れは取れた。
それでも休み明けというのは何かとスンナリとはいかないことも多い。
まずは忘れ物などしないでしっかりと準備して出ていくことが必要だ。
さて、表立って外出というと金曜日に富山市内のお仲間に久々に会いに行ったくらいである。
今年前半は遠出や飲みはセーブしてお金回りに余裕を持たせることにこだわってきたが、目標に近いところまでようやく来たのでお盆に一度だけと決めて出ていった。
自分を支えてくれている体にいつも簡単な食事ばかりでは申し訳なくたまにはいいものを入れてあげたい。
お店のマスターとも歓談しながら楽しく食事をすることができた。
食事が終わればいつものコース、中心街に流れて目一杯楽しんできた。
ひとたび目一杯行ってしまうと次の日はもう一日グッタリとなり、このあたりは若い頃とはやはり変わってしまったようだから、今後は要所は押さえつつ回数は控え目になっていくだろう。
昨年末から今年のお盆まで約8ヶ月しっかりガマンがきいたのだから、一度禁を解いたからと言って毎週通い詰めに戻るなどということはない。
通い慣れたお店でおしなべて楽しく過ごすことはできたが今回は意外な展開となった。
カラオケもあって基本的に何を歌おうと自由、周りのお客さんも思い思いにマイクを取って好きな歌を歌って楽しんでおり、私もその中のひとりとしていた。
するとママさんから、とあるバンドのずいぶんと古い、しかもシングル曲でもなく間違っても有名ではない曲のリクエストをもらった。
私自身はその曲はそれこそ腐るほど聴いてアタマには入っていて、人前では初めてながら何とか外さないで歌い切ることができた。
いかに国民的とも言われるバンドの曲でもなかなか知られていないし歌ってくれる人がいなかったというからこれはこれで一つの貢献はできた。
それはそれでひとつ良かったことと言えばそうだが、わざわざお店まで来てマイクを取るからにはあわよくば周りの人も巻き込んで盛り上がりたいという欲が私にはある。
それを実現するには自分が歌いたい歌ばかりではダメだし、まして他人様のリクエストも本来は良くない。
自分が歌って楽しく、かつ誰にでも分かる歌も少しは混ぜたいと思う。
スナックにはもはや若い世代は来ないご時世、80年代アイドルの某曲でいったら案の定周りがついてきた。
ママのリクエストにこたえられたことは楽しかったというよりホッとした感覚、しかし自ら選んで盛り上げに行って盛り上がったこの場面はその夜でいちばん楽しかった。
基本的には自由に振る舞っていいとされる場所であっても、その自由の使い方はやはり考える。
自由のコマを10与えられたら10使い切らないと気がすまないと言うなら自分はわざわざアカの他人がいるお店には足を運ばない。
不特定多数の他人がいる場所に行くという時点で使える自由はもはや10ではなくある程度は制約される。
どうせやや限られた自由になるのだからそれをどう使うか、どう使えばたまたま出会っているに過ぎない周りの方々も楽しくなれるかが自分の中では優先となる。
その結果が80年代男性アイドルの某曲ということであった。
ひとくちに自由と言うが、自由が保障された中でどう振る舞うかが人の中身を決めると言ってもいい。
ダメだと決まっていないから、ダメだとどこにも書いていないから「いい」と考えるのは本来の自由ではない。
不文律という言葉があるように、いちいち決めごとにしなくても、いちいち張り紙などしなくてもいい事柄はたくさんあって、大方はそれに従って暮らしている。
どれだけ年齢を重ねようとそこが分からない人間は永遠に子供のままであり、子供のままこの世を去ることになる。
せめて年齢相応と言われたいのであれば、自由の使い方について日に5分でもいいから考えたほうがいいのではないかと思う。