sunnylakeのポエムガーデン

自作詩を書いています。
心の風景画が届きますように。

ウクレレ

2021-10-28 11:38:13 | 自作詩
その人は ウクレレを 持っていた
ふつうの楽器店で 買ったもの

だけど まだ うまくは弾けなくて

少し寒い日 いつものように 練習してたら
なんだか 部屋が ぽかぽかと

ふと 天井を見上げたら
そこには なんと 小さなおひさま

「そのウクレレから 生まれた」って

その人は たいへん 驚いて
ぽろろんと ウクレレを 鳴らしてみた

すると 壁のむこうに 森があらわれ
鳥のさえずりが 聞こえてきた

気がつくと 指が しぜんに動いて
ウクレレは 森のメロディを 奏でていた

とても心地いい曲 やわらかな音色で

曲が終わると おひさまと森は消えたけど
その人は ウクレレが 上手になったよ

ウクレレの神様が いたからね


(2021年10月27日作詩)







*ファンタジー
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しあわせのシャボン玉

2021-10-18 11:43:34 | 自作詩
空に近いベランダで
少女が シャボン玉を 吹いていました

風にのって ふわりふわり 

シャボン玉が はじける時
せっけんみたいな いい香り

まわりに 虹色の愛が 広がって 
人々は ふいに 幸福な気持ちに

しあわせな思い出が 心に浮かび
懐かしさが 胸にあふれます

シャボン玉を見た妖精が うれしくなって 
ちょっぴり 魔法をかけたから

少女は 何も知らず 
ただ 無心に 吹いていました

いつしか 街は シャボン玉色になって
あたたかな光に 包まれていたのでした


(2021年10月17日作詩)







*小さな物語
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古い鳩時計

2021-10-06 11:40:41 | 自作詩
その家では 古い鳩時計が
毎日 ぽっぽーと 動いていたよ

ある朝 木の鳩が 出てこなかった
ついに壊れたのかと 家の人は 思った

だけど ほんとは そうではなくて
鳩は 空へ 飛び立ったんだ

ずっと 願っていたことだった
いつか あの大空へと

今朝の太陽は その願いを 叶えてくれた
「私に向かって 羽ばたきなさい」

木の鳩は 気づくと 空にいて
本当の鳩になり 薔薇色の心を 抱きしめた

修理に出された 鳩時計
鳩が なくなっているって

家の人は 探しにさがしたけれど
二度と 見つかるはずもなく

鳩は 空の彼方まで
どこまでも どこまでも 羽ばたいて


(2021年10月6日作詩)







*小さな物語
コメント (28)
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