小さい頃の思い出☆
祖母と一緒にどこかの山道を登って行った。道はよく整備されていて、その道の片側には「五百羅漢」が並んでいた。
苔むした羅漢様のお顔に木漏れ日が揺れている。
「この中に必ず、自分にそっくりな顔の羅漢様がいるんだよ」と祖母が説明してくれた。
え、ほんと?と思った私は、必死に探し出した。
あの人はちょっと太ってるから違う、
あっちの人はやせすぎだから違う、
こっちの人は小さすぎる、向こうの人はつまらなそうな顔をしているから多分違う、
その手前の人は目だけつぶって笑っているけど私はこんな顔はしない。
どこにいったい、「私」がいるんだろう?バリエーションの豊富さに呆然としてしまって、
この中にもし、私に似た羅漢様がいなければ「私は存在していない」ということ?
恐怖にも似た感覚が襲ってきて、もっと一生懸命探し出した、でも、どこにも私はいない。
この世界に、たった一人きりになったような気がして、泣きそうになった。
その時、「ほらほら、早くいらっしゃい。」という祖母の声が聞こえた。
祖母はかなり先の方まで行っていた。日傘を差しながら振り返った祖母の姿は、逆光で眩しかった、でも笑って私を呼んでいた。
ああ、私はここにいる、と思って、走って祖母のところへ行った。
(^.^)/~~~
祖母と一緒にどこかの山道を登って行った。道はよく整備されていて、その道の片側には「五百羅漢」が並んでいた。
苔むした羅漢様のお顔に木漏れ日が揺れている。
「この中に必ず、自分にそっくりな顔の羅漢様がいるんだよ」と祖母が説明してくれた。
え、ほんと?と思った私は、必死に探し出した。
あの人はちょっと太ってるから違う、
あっちの人はやせすぎだから違う、
こっちの人は小さすぎる、向こうの人はつまらなそうな顔をしているから多分違う、
その手前の人は目だけつぶって笑っているけど私はこんな顔はしない。
どこにいったい、「私」がいるんだろう?バリエーションの豊富さに呆然としてしまって、
この中にもし、私に似た羅漢様がいなければ「私は存在していない」ということ?
恐怖にも似た感覚が襲ってきて、もっと一生懸命探し出した、でも、どこにも私はいない。
この世界に、たった一人きりになったような気がして、泣きそうになった。
その時、「ほらほら、早くいらっしゃい。」という祖母の声が聞こえた。
祖母はかなり先の方まで行っていた。日傘を差しながら振り返った祖母の姿は、逆光で眩しかった、でも笑って私を呼んでいた。
ああ、私はここにいる、と思って、走って祖母のところへ行った。
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