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寺内貫太郎一家☆昭和の家父長制度に驚愕。

2022-06-18 11:37:27 | ひとりごと。
向田邦子さんの初期の小説「寺内貫太郎一家」を読んでいます。
昔、テレビでやっていたのを覚えている。
小林亞聖さんがお父さん、加藤治子さんがお母さん、西城秀樹さんがお兄さんで
浅田美代子さんがお手伝いさん、そして樹木希林さんがちょっと意地悪な姑の役。
何かというと家族にすぐに手がでる石工職人の太っ腹なお父さん(貫太郎)を中心とした、コメディ路線のホームドラマ。
当時は小さかったせいか、あまり細かいところまでは覚えていないが、両親も見ていて、たまに父親が「ははは!」と声をあげて笑っていたので、
そういう父親を見て、私も一緒に笑っていた。
学生になってから小説も読んだ・・・・はずだが、あまり覚えていない。
向田作品は、その後の作品はすべてコンプリート☆ なんて文章のうまい人なんだと思い、何度も繰り返し読んだ、今でも本棚の一番いいところに並べてある。

手元にない本が、この貫太郎一家なので、あらためて文庫で買って読んでみた。

驚いた

なんで、これが面白かったんだろう!?
昭和の遺棄すべき家父長制度がなんのてらいもなく書き綴られている
「何かというとすぐに手が出る」要するに、貫太郎からの家族への暴力が、当たり前のように描かれている。
お母さんや息子が口答えをすると「言葉にするより早く手が出て」その結果「ふすまを倒してふっとんだ」「縁側までふっとんだ」そんな描写がごく普通に出てくる。
娘に対しても顔をひっぱたく。

今、途中まで読んでいるんだけど、だんだんイヤになってきた 

そして思う

これが「当たり前」だと思っていた昭和という時代の、なんと異常だったことか。
こんなに日々(小説は連作短編、どの話にも必ず家族に対してどなる、なぐるなどの暴力が出てくる)殴られていて、誰一人逆らわない。
されるがまま。どならない、なぐらない日があると逆に「お父さん、どうかしたのかしら。」
暴力を日常のこととして受け入れている。

昭和が終わり、平成も終わり、令和になり
今だったらこのままドラマにするなど、ありえないだろう。
ホームコメディというより、ブラックな小説になってしまう。表現の自由というのはあるけれど、
この作品が何の問題もなく受け入れられていたという昭和という時代、
抜け出せてよかった。

そんなの小説だからでしょ、という向きもあるかもしれないが
一つの作品が生まれる背景には、その時代の空気というものもある。
こういう、時代だったんだ。

もうすぐ読み終わる☆
こんな時代もあったと、本を閉じるでしょう。
大好きな向田作品ではあるが、この本は棚に並べない。

小林亞聖さん、加藤治子さん、西城秀樹さん、樹木希林さん、
ドラマの出演者のほとんどの人が 鬼籍に入ってしまった。
あんなに、楽しそうに笑ってドラマを見ていた、うちの父親もすでにない。

すべては過ぎ去るもの☆ 
時代は替わってきたけれど ・・・暴力だけは絶対にだめだ、どんな理由があるにしても。

梅雨空が続きますが
お体に気を付けてお過ごしください.。:・・.。:*・★

(@^^)/~~~

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