昼のラジオから、竹内まりやの「駅」という曲が流れてきた。しばし、聴いていた。
この「駅」の記事を以前の私の消えてしまった、今はもう無いブログに書いたのだが、それを合わせて又、書いてみたい。
「駅」の描かれた舞台は、「渋谷」か「新宿」だとずっと思っていた。私鉄沿線が似合う大都会の駅、という設定では、これら二つが最適だと思ったからだ。
案の定、山下達郎さんの日曜のFM番組、「サンデーソングブック」にて、山下さんが、あれは渋谷駅が舞台です、と仰っていた。
福島でいえば、郡山駅の一駅となりの、「安積永盛駅」では絶対にない、寒村の寂れた駅は思い付く筈もない。それだけ都会的な歌だ。
歌の内容は、以前、恋人同士だった二人が偶然ホームで出会う。しかし「彼」は気付いていない。
「彼女」だった私は、一つとなりの車両に乗る。懐かしさの一歩手前で苦い思い出を振り返る。「私だけ愛していたことを」と歌い、恋愛としては成立しない、片恋の切なさを歌う。
二年の時が、二人を変えてしまう。最後に、改札口で彼が群衆に紛れて見えなくなるのを彼女は見つめる。それぞれの帰りを待つ家族のいる、帰路に就く二人を夕闇が迫ってくる。
何か、一本の映画を見ているような感動を奮い起こさせる。全体を故服部克久のストリングスが緊張感を与えている。
現在はおそらく主婦の、非日常を見事に切り取った、良作だと思う。