ひとつ前に見た「龍珠伝」の、時代的にみると少し前を描いたドラマだったので、見る順番は逆の方が良かったかもしれない。
清国が成立する前の後金の時代から始まって、「龍珠伝」に登場する康熙(カンシー)皇帝が8歳で即位するまでが描かれている。しっかりその辺の歴史も描かれているが、ドラマの中心はユアルという名の女性で、彼女をめぐる、ヌルハチの後継者でダーハンとなったホンタイジと、ホンタイジの弟であるドルゴンとの緊迫した三角関係が展開される。
ユアルとドルゴンは元々相思相愛で、まわりも二人が結婚するであろうことを認めていたが、ダーハンとして盤石の地位を築き、やがては皇帝になるという野望を持っていたホンタイジが、ユアルは「皇后の相」を持つという占いに心を動かされて、ユアルを娶った男が皇帝になるなら、自分が娶らねばならないと直感し、弟からユアルを奪って妃にしてしまう。
当時の後金は(後金に限ったことではないが)、周辺の列強との姻戚関係で同盟を強固なものにする事が必須で、モンゴルのホルチン部の娘であるユアルがダーハンであるホンタイジと結婚すれば、双方にメリットがあった。一方ドルゴンはホンタイジの腹違いの弟で、文武に優れた勇者であり、ホンタイジの右腕でもあったから、ホンタイジはユアルを横取りしたにもかかわらず、ドルゴンも抱き込まねばならない。
てな具合で、非常に複雑で緊張した三角関係とともに、ユアルの苦悩や、ホンタイジのトップとしての孤独や不安、最愛の人が近くにいながら国のために戦い続け、同腹の兄弟の謀反心をおさえたりと我慢を重ねるドルゴンの姿が描かれる。
このユアルとホンタイジの子が、ホンタイジの次の皇帝となるフリンで、フリンの摂政となったのがドルゴン・・・。しかし、幼いフリンは常に時期皇帝を狙う者から標的にされ、ドルゴン亡き後、親政をとりつつも苦悩してフリンは行方知れずとなり、フリンの子を8歳で皇帝にすえることになる。
清時代の偉大な皇帝といえば、この8歳で即位した康熙と、6代皇帝の乾隆帝だから、ユアル(孝荘文皇后)は歴史的に重要な人物だったわけ。
なかなか面白いので、是非ご覧あれ。
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