南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 



のち

 日本テレビで「人生が変わる1分間の深イイ話」という新番組が始まった。
 私はどうやらテレビがなくても生きていける人間らしく、NHK朝ドラ、大河ドラマ、スポーツ中継(特に野球)、歴史・教養系など、決まった番組以外はあまり見ないのだが、新番組ということもあって見てみた。

 この中で、私も思わず涙が出るほど感動する話があった。
(※以下は日テレのサイトを一部参考にしています)

 今から約50年前。日本の南極観測隊でのお話。
 現代は宇宙飛行士ともリアルタイムに映像で交信できるような世の中だが、当時はまだそのような情報伝達手段はなかった。
 そんな中、観測隊員が楽しみにしていたのは、遠く日本の家族から送られてくる月一度の手紙(電報)。
 各隊員が手紙を受け取り喜んでいる中、1人、突然泣き出した人がいた。新婚の隊員だった。
 周りの隊員も思わずもらい泣きした、その手紙に書いてあった深イイ内容とは…。


 『アナタ』


 内容は『アナタ』の3文字だけだった。
 新婚の妻には遠い南極で働く夫に伝えたいことが山ほどあった。しかし、電報は文字数も制限されている。その時、妻が「どうせ短い文章しか送れないのなら…」と溢れる思いをこの3文字に託したのだ。

 あなた、元気にしていますか?
 あなた、風邪など引いてませんか?
 あなた、早く帰ってきてね。
 あなた、早く会いたい。
 あなた、愛してるわ。

 いろんな意味がこの『アナタ』から読み取ることができた。
 その愛情溢れる世界一短い手紙を受け取った夫は、泣き出してしまったのだ。

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