今日は、くまもと県民交流館パレア(鶴屋百貨店東館)で「くまもとアートポリス推進賞」の表彰式と座談会が行われた。
「くまもとアートポリス推進賞」とは、デザイン性に優れるなどのいくつかの条件を満たした、数年内に熊本県内に建てられた一般の建築物を公募し、表彰するコンテストである。
「くまもとアートポリス」の冠をつけているが、コミッショナーの伊東豊雄氏は一切関知せず、いわゆる「くまもとアートポリスプロジェクト」とは一線を画す別物である。
しかし、「プロジェクト」がコミッショナーや行政が主導であることに対し、「推進賞」は一般からの応募ということで、どちらかというとより地域に根ざしていると考えることができるかも知れない。
今回は8件が受賞。推進賞が4件、推進賞選賞(次点)が4件とのこと。うち5件が住宅で、他は店舗、保育園、アーケードだという。
選考委員は建築家や大学教授(建築系)だけでなく、地元の新聞社や福祉関係者なども入っており、建築方面の意見ばかりに偏らないところがとてもいいと思う。
私は仕事の都合もあって、座談会から傍聴することにした。
以前は、表彰式の後には建築家による特別講演を行っていたようだが、一昨年からは座談会を行うようになった。座談会では賞の選考委員と受賞者(建築主、設計者、施工者)が一堂に会してさまざまな意見の交換をするので、受賞者のナマの声が聞け、建築に携わる自分としてもとても興味深い。
設計者の中には複数回受賞している常連さんも多いようだ。また、最近は建築主が設計者を選ぶのにインターネットが利用されたりもしているという。
個人的には古い建築物の改修、改築、再生などに興味があるため、そういった建物の受賞が多くなればと思う。
今年で第15回目ということもあり、これまでに100件近くの建物が表彰されているということから、選考委員長の北野先生(熊本大学名誉教授)が、「今までの作品の展覧会をしたらどうだろう」と提案された。
これはとてもいい考えだと思った。実際に受賞した建物をオープンハウスという形で一般公開したら、建築を学ぶ学生やこれから家を建てたいと思っている人にはとても有用だろう。
しかし、受賞作品の多くは一般住宅である。実際に住み続けている住宅を公開するというのはなかなか難しいかも知れない。また、受賞時は立派な建物でも、その後のメンテナンスを怠り、既に劣化している建物もあるような気がする。
いずれにしても近い将来、展覧会を開催して欲しいものだ。できれば見学会もね。
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