京都・長岡京市埋文センター設立35年 発掘成果のパネル展

2017-07-13 17:48:02 | 歴 history
 京都府長岡京市埋蔵文化財センター(同市奥海印寺)が設立35周年を迎え、これまでの遺跡発掘調査の成果を伝えるパネル展「写真で振りかえる35年」を開いている。職員たちが心に残った調査を選び、発見や驚きなど思い出のひと言を添えて紹介している。

 同センターは1982年7月に設立。国史跡・恵解山(いげのやま)古墳や長岡京跡の右京、左京部分など現在までに市内で計約900件、延べ約23万平方メートルの発掘調査を手掛けてきた。

 今回は「まいぶんミニ展示」と銘打ち、同古墳や府内で唯一の銅剣が出土した神足遺跡など、旧石器時代―奈良時代の重要な調査に関する写真37点を展示。長法寺小で行われた古墳時代後期の力池二号墳での調査風景を収めたパネルには「被葬者のほとんどが北枕だったのが興味深かった」との担当職員のコメントが記されている。

 パネル展後期は、長岡京時代以降の調査成果を掲げる予定。

 同センターは35周年企画として、地元の発掘調査の遺物を印刷した特製缶バッジ(来年2月まで)と記念マグネット(限定300点)を来場者にプレゼントしている。原秀樹調査係長は「子どもたちにも夏休みに展示を見学してもらい、地域の歴史を知るきっかけにしてほしい」と話す。

 同展は前期が8月18日まで。後期は8月21日~9月29日。入場無料。土曜と第2・4以外の日曜、祝日は休館。

【 2017年07月10日 10時15分 】

江戸期の念仏信仰に光 京都・平等院ミュージアム

2017-06-29 10:34:08 | 歴 history
 京都府宇治市宇治の平等院ミュージアム鳳翔館で24日、夏季展「魅惑の南無阿弥陀仏-念仏信仰の広がり-」が始まった。江戸時代に念仏信仰を広めた僧侶の祐天(ゆうてん)(1637~1718年)と徳本(とくほん)(1758~1818年)の記した仏の称号、名号などが並び、御利益を求めた庶民の心情が伝わってくる。

 祐天は怨霊を念仏で成仏させたとされ、丸みを帯びた独特の筆跡で書いた「南無阿弥陀仏」の六字名号は火災や水難を避けられると人気を集めた。徳本は2歳で念仏を唱えたと伝わり、全国を巡って念仏信仰を広めた。

 時代は異なる2人だが、それぞれ庶民の熱狂的な支持を集めた共通点がある。また今年が祐天の300年遠忌、徳本の200年遠忌に当たることから、平等院が所蔵するゆかりの25点を展示する。

 祐天が名号を記して開眼した「山越阿弥陀図」(縦144センチ、横81センチ)や、徳本が仏の両手や足などを六字名号で表現した「名体不離阿弥陀如来図」(縦198センチ、横136センチ)といった大型の品をはじめ、当時の庶民がお守り代わりに身に付けていた小型の名号も並ぶ。

 神居文彰住職は「今と同じ低成長だった江戸時代に人々の心を魅惑し、救済を提供した男たちの展覧会を楽しんでほしい」と話している。夏季展は9月15日まで。平等院の拝観料が必要。

【 2017年06月25日 11時36分 】

「西岡衆」の活躍知って 京都、小学生の保護者らが公演

2017-06-10 11:55:31 | 歴 history
 戦国時代に乙訓の自治を担った「西岡衆」の活躍を、寸劇や人形劇を交えた紙芝居で伝えようと、第5向陽小(京都府向日市上植野町)の保護者らでつくる読み聞かせサークル「はらぺこあおむし」が練習に励んでいる。地域住民や子どもたちへ公演を重ね、8日には地元の歴史を学ぶ同小の6年生へ披露する。

 はらぺこあおむしは同小で読み聞かせボランティアを続けており、現役児童や卒業生の保護者ら計16人で活動中。教員らでつくる「京都乙訓ふるさと歴史研究会」が作った西岡衆の紙芝居を基に昨夏から「地域の歴史に親しみを感じてもらおう」と準備を始めた。

 ベースの作品は大人向けの脚本のため、難解な表現を簡略化してシナリオを練り上げた。劇化できる場面を選び出し、普段の読み聞かせ活動でなじみ深いキャラクターの人形を村人役で登場させたり、西岡衆の有力者で同市物集女町を拠点とした物集女氏と地元住民の交わりを寸劇にしたりと、興味を引くための工夫を凝らす。

 3月に校内で児童たちへ初披露。同町の公民館であった歴史講演会では、大人向けにアレンジを加えて地元住民らへ公演した。8日は6年生の授業で発表する予定だ。

 5月下旬には、物集女氏の当主が謀殺されるクライマックスのシーンの立ち回りを繰り返し練習。せりふの語り口や表情のつくり方を確認した。

 はらぺこあおむしの代表石原佑季さん(32)は「日々の活動の中で苦労して作り上げてきた。外部からオファーを頂けるなら、無理のない範囲で応えていきたい」と話す。

【 2017年06月07日 17時00分 】

天下分け目の山崎古戦場巡る 京都、甲冑劇団演舞も

2017-06-04 14:19:11 | 歴 history
 羽柴秀吉と明智光秀が激突した「山崎合戦」ゆかりの地を歩く催しが3日、大山崎町で開かれた。さわやかな晴天の下、住民ら約30人が天王山などの古戦場を巡り、町の歴史や文化に触れた。

 山崎合戦があった6月13日に合わせたイベントとして同町などが企画。大山崎ふるさとガイドの会のメンバーが参加者を案内した。

 大山崎ふるさとセンター(同町大山崎)に集合した参加者は、センター内の町歴史資料館を見学した後、近くの離宮八幡宮へ移動。ガイドから、中世にエゴマを原料とする灯明油の独占販売の拠点として栄えた歴史などを学んだ。

 その後、宝積寺を経て合戦が繰り広げられた天王山を登り、山頂近くで昼食を楽しんだ。下山後は、天王山夢ほたる公園(同町円明寺)の山崎合戦古戦場碑を訪れた。公園では、甲冑(かっちゅう)劇団「乙訓戦国つつじ」の2人が、明智光秀と娘の玉(ガラシャ)役で、本能寺の変や山崎合戦を題材にした演舞を披露。参加者が迫真の演技に見入った。

 塩飽恒雄さん(65)=神戸市=は「戦国時代の有名な合戦の舞台になった場所を歩き、歴史的意義が分かり、参加してよかった」と話した。

【 2017年06月04日 12時00分 】

ビジュアルに観光地紹介 京都、江戸期の名所図会展示

2017-05-12 09:55:15 | 歴 history
 名所旧跡の由来や見どころを豊富な挿絵とともに紹介した江戸時代の「名所図会(ずえ)」を集めた企画展「都名所図会の世界-歌枕から名所へ」が、京都府宇治市宇治の源氏物語ミュージアムで開かれている。京都や各地の名所図会約60点が会場に並び、昔の人々の目を引かせた絵が楽しめる。

 名所図会は、京都の名所を集めた都名所図会(1780年)が始まりとされる。それまでの文字中心の案内書と一線を画す構成で人気を集め、続編や全国各地の名所図会の出版につながった。

 企画展では名所図会の中から和歌に詠まれた名所「歌枕」の箇所を紹介。内裏や清水寺、嵐山のほか、平等院や宇治上神社・宇治神社、石清水八幡宮など今も人々でにぎわう名所のかつての様子が精密に描かれている。大和、摂津など各地の名所図会も紹介する。

 同ミュージアムの家塚智子学芸員は「それぞれの地域の良さを味わってもらえたら」と話している。

 7月2日まで(月曜休館)。入館料が必要。6月10日の午後1時半と、同14日午前11時半から展示の見どころを学芸員が解説するギャラリートークがある。

【 2017年05月08日 21時40分 】

物集女車塚古墳石室を一般公開 5月23~31日

2017-04-30 15:45:59 | 歴 history
 京都府の向日市教育委員は5月23~31日、国史跡「乙訓古墳群」の一つ、物集女車塚古墳(同市物集女町)の石室を期間限定で一般公開する。3月末から配信を始めた古墳復元・体感アプリケーションを活用し、内部構造や歴史的背景を紹介する。

 同古墳は、6世紀半ばの前方後円墳で、全長約46メートル。中央政権と密接な関わりがあった乙訓地域の有力豪族の墓と推定されており、横穴式石室や石棺などが良好な状態で保たれている。

 公開期間中、来場者は無料貸し出しされるタブレット端末で、築造当時の姿を追体験するアプリ「墳タビ!物集女車塚古墳」を操作できる。市埋蔵文化財センター職員が古墳の成り立ちを解説する。

 5月1~31日、市教委文化財調査事務所TEL(931)9901で受け付ける。1人でも可。5人一組で約15分間、石室内部に立ち入れる。

【 2017年04月22日 10時18分 】

江戸後期様式の住宅を寄付 京都、長岡宮跡の一角

2017-04-13 13:36:01 | 歴 history
史跡長岡宮跡を核にしたまちづくりに取り組む京都府向日市の市民グループの男性がこのほど、江戸時代後期の様式を残した農家風住宅を市へ寄付した。史跡の一角に立ち、男性は「歴史を生かした地域振興の活動拠点として、多くの市民に使ってもらいたい」と希望。市は建物の活用方法を検討していく。

 「長岡宮まちづくり協議会」の中心メンバー上田昌弘さん(73)=同市鶏冠井町。同町内に所有する木造瓦ぶき平屋建ての母屋(約170平方メートル)や土蔵など5棟を寄付した。日本庭園のほか、室内には井戸やかまどを備えており、市教育委員会文化財調査事務所は「建築様式には江戸時代の風情を色濃く残している」とする。

 母屋には1910年建築の棟札が残り、42年に現在地へ移築された。後の調査で一帯が長岡宮の内裏回廊跡に当たると判明。市は2016年度、史跡への追加指定を受け、敷地を買い取った。建物の良好な状態から市側が寄付を依頼し、上田さんが承諾した。

 代々住み継がれ、上田さんが母親の死後に相続してから12年間は空き家だったが、こまめに管理を続けてきた。上田さんは「私の代で壊さなければならないかと、つらい思いだった。一家の歴史を背負う立場として、安心している」と話している。

【 2017年04月06日 10時40分 】

旧山田家住宅、一般公開始まる 京都・久御山

2017-04-07 13:10:39 | 歴 history
 重厚な長屋門で知られる国の登録有形文化財「旧山田家住宅」(京都府久御山町東一口(ひがしいもあらい))の一般公開が2日、始まった。多くの来場者が、往時の繁栄を物語る豪壮な邸宅の見学を楽しんだ。

 記念式典で信貴康孝町長は「郷土に誇りを持ってもらうためにも貴重な文化財を後世に伝えたい」とあいさつ。出席者らが町内産の茶で乾杯をした。

 来場者は主屋に入り、コイや網代が彫られた座敷の欄間を見上げたり、庭に出て景色を眺めたりと屋敷の雰囲気を楽しんだ。長屋門内を改修した展示室も見学した。同町佐山の松本芳己さん(73)は「座敷から眺める庭の風景が特にきれいです」と話した。

 同住宅はかつて巨椋池の漁業者の元締をしていた大豪邸で、山田家が町に寄贈した。

 無料公開は9日(午前9時~正午)まで。10日以降は毎月第1木曜、第2土曜、第3日曜(いずれも同)に公開し、入館料200円。問い合わせは町教委社会教育課TEL075(631)9980。

【 2017年04月03日 11時36分 】

京都駅から南下して伏見区で東進し、山科盆地を北上するコースだった

2017-04-04 10:35:22 | 歴 history
旧東海道線関連の水路、現存を確認 京都・山科、明治期建造

 京都市山科区の市街地を南北に通っていた旧東海道線の鉄道遺産を、同区の男性が調査している。名神高速道路開通で多くの建造物は消滅したが、明治時代に造られたれんがの地下水路が現存していた。男性は「鉄道が走っていた面影が区内に残っていることを知らせたい」としている。

 市民団体「山科の歴史を知る会」の岡本洋会長(64)。今年1月、国立国会図書館ホームページで、旧東海道線の建造物を記した「鉄道線路各種建造物明細録」(鉄道庁、1892年発刊)を見つけ、区内に今も残っているか、調べ始めた。

 明細録には橋や水路などの名称と東京駅からの距離が記されており、岡本さんは記述を参考に区内の場所を推定し、付近を探索。1月中旬に「御所田川暗渠(あんきょ)」と記された水路が、同区大宅御所田町の市道地下に残っていることを確認した。

 水路は直径約90センチのアーチ型で、線路設置時に用水路を地下化したとみられる。市道西側から開口部を見ることができるが、東側にはマンションが建ち、水路の長さは分からなかった。明細録に明治12(1879)年築と記述されており、岡本さんは「琵琶湖疏水(1890年完成)より、古いれんがの水路が山科に残っていることに驚いた」と話す。

 岡本さんは現在も山科区内を歩いているが、他に見つかった建造物はない。「多くは名神高速道路の工事で壊されてしまったが、一部は残っている。伏見区の市民とも連携して京都-大津間の鉄道遺産の調査を行いたい」と目標を語る。

 ■旧東海道線 1880(明治13)年に京都-大津間が開通した当時、京都駅から南下して伏見区で東進し、山科盆地を北上するコースだった。1921(大正10)年に現在の経路に変更された。

【 2017年03月29日 11時01分 】



京都・大山崎、宿場の変遷見つめて 町資料館で企画展

2017-03-21 16:59:24 | 歴 history
 江戸時代に西国街道沿いで宿場町として栄えた京都府大山崎の集落の移り変わりを見つめる企画展が、大山崎町大山崎の町歴史資料館で開かれている。町内の旅籠(はたご)跡などで見つかった史料や文献などから、当時の町人たちの生活を垣間見ることができる。20日まで。

 大山崎は17世紀ごろから宿場町として発展し、住民たちでつくる独自の地域単位「保(ほう)」が11カ所存在した。同展では西国街道の東の入り口に建っていた東黒門周辺の「五位川保」を取り上げている。

 会場には、五位川保の中の旅籠「高槻屋」に参勤交代の道中で泊まった大名の名を記した札や、町人が社家に代わって財政を担うことを取り決めた文書など約20点が並ぶ。また、全国を歩いて測量した伊能忠敬の測量日記や、豊臣秀吉の人生をつづった「太閤記」などに残る大山崎についての記述も展示している。

 入館料200円。16日に同展関連の歴史講座「東黒門と五位川保の歴史を読む」が同町の大山崎ふるさとセンターで開かれる。

 問い合わせは同資料館TEL075(952)6288。

【 2017年03月14日 11時53分 】

埴輪や硯、姿“トリドリ” 京都・長岡京市埋文センター展示

2017-03-21 16:57:00 | 歴 history
 鳥にまつわる遺物を集めたミニ展示「酉(とり)・鳥・トリ」が、京都府長岡京市奥海印寺の市埋蔵文化財調査センターで開かれている。同市内で発掘された鳥の形をした埴輪(はにわ)など15点が展示されており、同センターは「人にとって身近な鳥が、どのような形で表されているか、ぜひ見てほしい」としている。

 長岡京市内では、乙訓古墳群の井ノ内車塚古墳や恵解山(いげのやま)古墳など規模の大きな古墳から鳥の形をした埴輪が見つかっている。展示は今年の干支(えと)の酉にちなんで初めて企画した。

 長岡京時代の絵画薄板は、くちばしに植物をくわえて向かい合う2羽の鳥が薄い板に精巧に描かれている。平安時代の鳥形硯(すずり)は、出土した硯のふたの部分が展示されており、羽根の重なり具合が細い線で描かれている。

 このほか、波と戯れる海辺の千鳥を描いた平安時代の須恵器や、近世や近現代の鳩(はと)笛や鳥形水注などもある。恵解山古墳から出土した水鳥形埴輪は3月14日から展示する。

 5月31日まで。無料。問い合わせは同センターTEL(955)3622。

【 2017年03月12日 17時00分 】

寂照院の金剛力士像を市文化財に 京都・長岡京

2017-03-13 08:21:15 | 歴 history
 京都府長岡京市教育委員会はこのほど、寂照院(同市奥海印寺)の木造金剛力士立像2体と、像の中に納められていた納入品6点を、新たに市文化財に指定した。今回の指定で、市指定文化財は計41件になった。

 金剛力士立像は、寂照院の仁王門に安置されており、南北朝時代の1344年に制作されたとみられる。阿(あ)形像が高さ2・41メートル、吽(うん)形像が同2・39メートル。阿形像からは紙本朱書般若心経、吽形像からは紙本墨書位牌など5点が納められているのが見つかった。

 市教委は指定の理由として、南北朝期の仏像制作の成立過程とその背景を納入品から知ることができる例として、「日本の美術や宗教、歴史を考える際に欠かせない」としている。

 指定は1日付。寂照院の佐藤俊順住職は「いい状態で残っており、迫力がある像なので、多くの人に見ていただければ」と話している。

【 2017年03月07日 12時16分 】

「菩薩半跏像に唐の影響」 京都・向日、模刻作者が特徴語る

2017-03-08 18:48:55 | 歴 history
 京都府向日市文化資料館(向日市寺戸町)の特別展「長岡宮の大極殿・朝堂院」が4日始まり、記念講演会が同資料館で開かれた。展示品の一つ、宝菩提院菩薩半跏像(ほうぼだいいんぼさつはんかぞう)模刻像を制作した彫刻家の中村恒克さん=横浜市=が、制作から分かった同像の特徴などについて解説した。

 菩薩半跏像は、かつて向日市内にあった寺の本尊で、国宝の木彫仏像の中でも随一の美作として知られる。現在は、京都市西京区の寺に安置されている。中村さんは、東京芸術大大学院の博士課程在籍中に、同像の模刻像を卒業制作として2年間かけて完成させた。

 講演会には歴史ファンの市民ら約90人が参加。中村さんは、像の足元に添えられるハスの花びらの形をした「蓮弁」が同時代の仏像よりも枚数が多く、仏像が体をやや左側にひねった姿勢になっていることなどを指摘。「同時代の日本の他の仏像にはなく、中国・唐の影響が見られる」と述べた。

 また長岡京に遷都した桓武天皇に触れ、「唐の文化を積極的に取り入れており、遣唐使で日本に来た木彫刻や石彫刻の職人に、仏像を作らせたのではないか」と推察。参加者が熱心に聞き入った。

【 2017年03月05日 12時06分 】

大坂城の巨石「残念石」、河川敷で姿現す 京都・木津川

2017-03-06 19:25:35 | 歴 history
 400年ほど前に大坂城建築のために切り出されたまま各地に残された巨石「残念石」を、流域住民らでつくる「木津川管内河川レンジャー」が木津川河川敷で調査し、京都府木津川市山城町の開橋近くで確認した。刻まれた文字の拓本を取る催しを3月4日に開く。「歴史の遺物を間近で見てほしい」という。

 木津川河川敷には江戸時代初期、大坂夏の陣で焼け落ちた城の再建のために藤堂高虎が運ぼうとした巨石が残されている。

 開橋近くも江戸時代の文献に9個あると記されているが、土砂に埋もれていたり、草に覆われたりして見ることができなかった。

 レンジャーのメンバーが除草するなどして4個を確認、石には「三尺八寸」などの文字や「十」のような記号が刻まれていた。

 当日は午前9時に同市山城町北河原の木津川流域センターに集合。土をきれいに取り除き、中島正・花園大非常勤講師の指導で文字を写し取る。無料。長靴など持参。事前申し込みが必要で、平日昼間に事務局ファクス075(611)2271に連絡先を書いて送る。

 センターで同日から12日までの土日の午前10時~後3時に、木津川の外来魚駆除や植物調査などに取り組む市民団体の展示「木津川展」がある。

【 2017年02月28日 09時40分 】

VR、1200年前の都が目の前に 京都・向日で史跡巡り

2017-02-19 11:46:19 | 歴 history
 京都府向日市内の古墳や史跡を歩く「史跡めぐり 大発見向日市」が11日開かれ、約300人が市内を巡り、豊富な歴史遺産に触れた。ゴールの朝堂院公園(同市鶏冠井町)では、長岡宮を立体画像で楽しむことができる機器も用意され、参加者は散策を満喫していた。

 市教育委員会と市埋蔵文化財センターが主催し、今年で5回目。阪急洛西口駅をスタートし、市内の遺跡や名所が載っているパンフレットを手に、思い思いのコースを散策した。途中、中海道遺跡(同市物集女町)や妙見山古墳(同市寺戸町、京都市西京区)など5カ所のチェックポイントでシールをもらい、朝堂院公園で記念品のプレゼントもあった。

 同公園には、長岡宮の大極殿や朝堂院の立体画像を見ることができる「ヘッドマウントディスプレイ」が置かれ、参加者たちが早速、体験。ヘッドマウントをかぶると眼前に朱塗りの建物などが現れ、手元のコントローラーで移動もできる。頭を動かすと視界の角度も変わり、約1200年前の都の風景に思いをはせていた。

 向日市で仕事をしている太田年彦さん(44)=京都市北区=は「階段を上ったり下りたりする感じも再現され、実際に長岡宮へ入り込んだような雰囲気を感じた」と話した。

【 2017年02月12日 11時55分 】